御神本訓史騎乗で3番人気のキモンルビーが2番手追走から直線半ばで抜け出し、1馬身差で初タイトルを獲得した。御神本騎手は同レース5連覇。管理する川島正一調教師も3連覇を飾った。タイム59秒3(重)。3番手から伸びたカプリフレイバーが2着で、この2頭がフジノウェーブ記念(3月9日、大井、SIII、ダート1400メートル)の優先出走権を手にした。1番人気のコパノフィーリングは、さらにクビ差の3着に敗れた。
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◆御神本訓騎手(キモンルビー1着)「予想通りの展開だったし、気分良く走れていた。(5連覇は)それぞれの馬とスタッフに感謝したい」
◆川島一調教師(同)「ジョッキーとは『斤量を生かした乗り方を』と話していた。今後はオーナーサイドとの相談だが、大目標は習志野きらっとスプリント」
◆真島大騎手(カプリフレイバー2着)「状態は良かったが、勝ち馬も強かったし、4キロの斤量差が響いた」
◆森泰斗騎手(コパノフィーリング3着)「スタートが良かったし、道中はもう少しついていけると思ったが…。ただ、夏の頃の活気がなかった」
◆山林堂信騎手(ルーチェドーロ4着)「距離が短いね。でも、直線だけで4着まで来たし、1200メートルくらいあれば違った」
◆笹川翼騎手(アドバイザー5着)「硬さがあったけど、差のない競馬だったし、力があるところは見せてくれた」
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■キモンルビー 父コパノリチャード、母キモンレッド、母の父サウスヴィグラス。栗毛の牝5歳。船橋・川島正一厩舎所属。北海道新ひだか町・西村和夫氏の生産馬で、馬主は小林祥晃氏。戦績27戦15勝(うち中央10戦0勝)。獲得賞金3893万8000円(うち中央77万円)。重賞初制覇。サンケイスポーツ盃船橋記念は川島正一調教師が15年ナイキマドリード、20、21年キャンドルグラスに次いで4勝目、御神本訓史騎手は18、19年アピア、20、21年キャンドルグラスに次いで5勝目。
『第66回サンケイスポーツ盃船橋記念』(SIII、ダート1000㍍)が13日、船橋競馬場で行われる。昨年の2着馬アドバイザーや同3着馬カプリフレイバー、11連勝中のキモンルビーなど、南関東のスピード自慢たちが顔をそろえた。2022年最初のハートビートナイターを飾る電撃戦から目が離せない。
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【見解】スタートが安定してきたカプリフレイバー。休み明けで楽勝した前走の内容が良く、上積み必至の今回は重賞3勝目のチャンス。破竹の勢いを見せるキモンルビー、㆒貫して崩れないコウギョウブライトも魅力十分。
◆カプリフレイバー
昨年の川崎スパーキングスプリントで重賞2勝目を挙げ、南関トップクラスのスピード能力を示したカプリフレイバー。その後の習志野きらっとスプリントは出走を取り消したが、休養からの復帰初戦を難なく勝利し、ここへ駒を進めてきた。稲益貴弘調教師は「以前よりもトモ(後肢)が良くなってきたし、ゲートの中でも我慢できるようになってきた。順調にきているなかでベストの条件を迎えられるので、気合が入る㆒戦」と意気込む。スタートが安定したことで、先団で立ち回れるようになったのも強み。ここを勝って、南関のスプリント王者に名乗りを上げるか。
◆キモンルビー
高知在籍時から11連勝中のキモンルビー。前走のカムイユカラスプリントは久々の5ハロンだったが、難なく対応して勝利し、勝ち時計も58秒8と優秀だった。川島正㆒調教師も「これまでとは相手が違うからね。でも、前走の時計があれば重賞でもやれると思うし、どこからでも競馬ができる器用さがあるから」と期待を寄せる。A2格付けで別定53・5㌔で出走できるのも好材料。連勝の余勢を駆って、南関スプリント路線の主役を射止める。
◆コウギョウブライト
コウギョウブライトは休養を挟みつつ、5戦続けて3着以内。前走のカムイユカラスプリントでアタマ差の2着に入り、ここへの出走権を獲得した。「入厩したころより歩様が良くなり、気持ちも入ってきたことで調教がしやすくなった。5ハロンの適性はあるし、大幅な相手強化も感じない。期待して臨む」と林隆之調教師。前走の走破時計も優秀なだけに、ここも好勝負になる。
◆アドバイザー
昨年のこのレースで2着のアドバイザー。習志野きらっとスプリント4着の走りを見ても、南関上位のスプリント能力は明らかだ。「前走(3着)は流れに乗り切れなかった。その後は短期放牧に出したが、しっかり乗り込めているし、ここでもやれるはず」と佐藤裕太調教師。うまく流れに乗れれば勝機だ。
◆ルーチェドーロ
川崎への転入初戦を迎えるルーチェドーロにも注目。端午Sを勝ったほか、全日本2歳優駿(JpnⅠ)でも3着に食い込んだ好素材。今回は新馬戦以来となる5ハロン戦だが、自在に立ち回れるぶん、ペースの違いに戸惑うことはなさそう。いきなりの好走が可能だ。
◆アザワク
アザワクは習志野きらっとスプリントで4着があり、前走も強豪ぞろいの笠松グランプリで3着と力を示した。転入初戦で当日の気配が最優先だが、いきなり好勝負を演じても不思議ではない。
◆コパノフィーリング
コパノフィーリングは昨夏に同距離の習志野きらっとスプリントを制覇。その後も軽快な先行力を武器に、安定した走りを見せている。再度、牡馬のトップスプリンターを㆒蹴するか。
●データ =過去10年
▼人気……1番人気【6・2・0・2】、2番人気【2・1・2・5】、3番人気【2・1・0・7】。勝ち馬は全て1~3番人気から出ている。単勝平均配当300円、馬連平均配当1820円
▼所属……地元の船橋が12連対と断然。大井が5連対で続く。ほかに浦和が2連対、川崎が1連対
▼性齢……6歳が7連対でトップ。8歳が4連対で続く。ほかに5歳が3連対、7歳が3連対。4歳と9歳と10歳がそれぞれ1連対とベテランも活躍している。牝馬は【1・1・4・21】
▼実績……前年のカムイユカラスプリント1着馬が4年連続で連対。前年の習志野きらっとスプリント連対馬は【4・1・0・5】(競走中止1頭)
▼脚質……【逃4先9差6追1】。逃げは【2・2・3・3】と好成績(競走中止1頭)
開 催 日:2022年1月13日(木)
距 離:ダート左回り1,000m
出走資格:サラブレッド系 4歳以上オープン
1着賞金:1,200万円
負担重量:別定(A1級格付け馬57.5kg、A2級格付け馬55.5kg、B1級以下格付け馬53.5kg、牝馬2kg減)