東京湾Cが4日、船橋競馬場で13頭によって争われ、和田譲騎乗で1番人気のギガキングが5、6番手の外を追走すると、直線で鋭く伸び、2着のギャルダルに5馬身差をつけて重賞2勝目を飾った。タイム1分48秒0(稍重)。この2頭が東京ダービー(6月9日、大井、SI、ダ2000メートル)の優先出走権を獲得。さらに1馬身差の3着にはワールドリングが入った。
◆和田譲騎手(ギガキング1着)「返し馬から元気があった。遊ぶ面があるけど、今回は最後までしっかり走ってくれた。東京ダービーが楽しみ」
◆稲益貴調教師(同)「中1週なので、状態を見極めながらの出走だったが、これだけ走ってくれるとは思わなかった。次走は東京ダービーの予定」」
◆御神本訓騎手(ギャルダル2着)「流れに乗れて理想の競馬ができた。現段階では力負けかな。まだ成長途上だから」」
◆今野忠騎手(ワールドリング3着)「もう少しペースが上がるかと思ったけどね。反応は悪くなかったし、上出来でしょう」」
◆町田直騎手(サヨノグローリー4着)「急がせると良くないから、構えて乗った。間隔をあけたことで良くなっていた」」
◆真島大騎手(アムールショコラ5着)「使いながら良化しているし、成長も感じる。でも、本当に良くなるのはもっと先」
続く5月4日には『第35回東京湾カップ』(SII、ダート1700㍍)が船橋競馬場で行われる。トライアルを勝利したオークハンプトンや同2着のギャルダル、堅実さが光るサヨノグローリーなど飛躍を期す精鋭がエントリー。東京ダービーへの切符を懸けて熱戦が繰り広げられる。
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【見解】トライアルを制したオークハンプトンを中心視。初コースに難なく対応したように、地力強化が顕著だ。再度同じ舞台ならタイトル奪取を狙える。地元の素質馬ギャルダル、スピードは見劣りしないアムールショコラも勝機はある。
◆オークハンプトン
前哨戦のブルーバードカップを快勝したオークハンプトン。その前走は序盤に力んで走っていたが、向こう正面で折り合いがつくと上がり3ハロンメンバー最速の脚を使った。最後は流して2着に1馬身半差をつけたことからも能力は相当高そうだ。「気性的に行きたがるところはあるけど、前走で船橋をこなしてくれたし、能力の高さも示してくれた。ここも期待できそう」と藤田輝信調教師。初タイトルを奪取して、東京ダービーへと向かいたいところだ。
◆ギャルダル
ギャルダルはここまで通算成績【2・2・0・0】の好素材。デビュー戦、2走前は逃げて後続を5馬身以上引き離した。㆒方で3走前は控える競馬で小差まで詰め寄っており、非凡な競馬センスの持ち主といえる。トライアルの前走は4コーナーで外にふくれたぶん、差し切れなかったが、0秒2差なら悪くない。慣れが見込める距離2戦目なら逆転があっても不思議ではない。
◆アムールショコラ
アムールショコラはマイル以上を使われて4戦2勝、3着1回の好成績を残している。5着だった3走前は出負けを挽回するロスがあり、トライアルの前走は上位2頭との斤量差があっただけ。力負けでは決してない。走り頃の叩き3戦目なら重賞初制覇の期待は高まる。
◆サヨノグローリー
ニューイヤーC3着を含め、通算成績【3・2・2・1】で全て4着以内のサヨノグローリー。重賞のメンバーでも力は見劣りしない。「疲れを抜きながら調整して、だいぶ気合も乗ってきた。船橋は持ち味を生かせる舞台。タイトルを狙える力もある」と工藤伸輔調教師。
◆プレストカイザー
プレストカイザーは昨年12月にデビューし、すでに3勝をマーク。前走は早め先頭から押し切る着差以上の強さだった。山下貴之調教師も「前走は余裕を感じられる走りだった。うまく2、3番手を追走できれば重賞でも好勝負になるはず」と強気な点も強調材料だ。
◆レスポンデール
使ってくればレスポンデールも有力。クラウンCは疝痛で出走を取り消したが、デビューから3戦無敗で、余力十分に勝った2月の交流戦の内容もいい。重賞のメンバーでもチャンスは十分。
◆モリノオーシャン ※出走回避
門別在籍時に重賞勝ちのあるモリノオーシャン。前走は転入初戦で初の左回りながら、抜群の伸び脚で差し切った。ここにきての地力強化は顕著で、3連勝で南関初タイトルを狙う。
●データ =過去10年
▼人気……1番人気【2・2・0・6】、2番人気【2・2・3・3】、3番人気【2・2・1・5】。単勝平均配当800円、馬連平均配当3270円
▼所属……地元の船橋が14連対と圧倒的。ほかに川崎が4連対、大井が2連対
▼実績……連対20頭中13頭に船橋1600㍍以上での連対歴。残る7頭中5頭には重賞5着以内の実績があった。ブルーバードカップ3着以内は【2・5・1・12】で、準重賞になった2017年以降では【1・3・1・4】だった
▼前走……連対18頭が前走5着以内で、うち14頭が同3着以内だった
▼脚質……【逃4先9差5追2】
開 催 日:2021年5月4日(火・祝)
距 離:ダート左回り1,700m
出走資格:サラブレッド系 3歳
1着賞金:1,800万円
負担重量:牡馬55kg、牝馬53kg(南半球産の3歳馬2kg減) 令和3年4月23日現在の番組賞金1,000万円毎に1kgずつ、牡馬59kg、牝馬57kgを上限として加増する。