かしわ記念2021のタイトルイメージ

レース結果

【かしわ記念】10年ぶり地方馬V!カジノフォンテンが早め先頭抜け出し再度のJRA勢撃破

かしわ記念のレース結果

 5月5日の船橋11Rで行われた第33回かしわ記念(4歳以上オープン、定量、選定馬、交流GI、ダート・左1600メートル、12頭立て、1着賞金=7000万円)は、張田昂騎手騎乗の2番人気カジノフォンテン(牡5歳、船橋・山下貴之厩舎)が好位追走から勝負どころで先頭に並びかけると、直線で早めに抜け出しソリストサンダーの猛追をしのいで優勝。1月の川崎記念に続く再度のJRA勢撃破で、2011年フリオーソ以来10年ぶりとなる地方所属馬Vを果たした。タイムは1分39秒3(稍重)。

 ハナ差の2着にはソリストサンダー(6番人気)、さらに1馬身半差遅れた3着にはインティ(4番人気)が入った。なお、フェブラリーS覇者のカフェファラオは5着に敗れた。

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 ◆戸崎騎手(ソリストサンダー2着)「向こう正面で挟まれてもよく我慢してくれた。手応え、反応とも良く、しっかり伸びた」
 ◆武豊騎手(インティ3着)「スタートがもったいなかったが、砂をかぶっても問題なかったし、この形の競馬で初めて折り合いがついた。まだ良くなるよ」=帝王賞(6月30日、大井、交流GI、ダ2000メートル)を視野
 ◆福永騎手(ワイドファラオ4着)「コーナーワークが上手。きょうは追ってから、よく踏ん張ってくれた」
 ◆ルメール騎手(カフェファラオ5着)「深い砂でスタートから進んでいかなかった。道中は忙しかったし、きついコーナーも合っていなかった」

 かしわ記念を勝ったカジノフォンテンは、父カジノドライヴ、母ジーナフォンテン、母の父ベストタイアップという血統。北海道登別市・登別上水牧場の生産馬で、馬主は吉橋興生氏。通算成績は21戦12勝。重賞は20・21年京成盃グランドマイラーズ、20年勝島王冠、今年の川崎記念に次いで5勝目。かしわ記念は管理する山下貴之調教師、騎乗した張田昂騎手ともに初勝利。



レース展望

かしわ記念レース展望のカフェファラオ

 『第33回かしわ記念』(JpnIダート1600メートル)が5月5日、船橋競馬場で行われる。さらなる飛躍を期すカフェファラオや前年の覇者ワイドファラオ、地方の雄カジノフォンテンなど、中央・地方からトップレベルのダートホースが顔をそろえた。ゴールデンウイークの頂上決戦を見逃すな!

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 【見解】中央、地方を代表する2頭の注目の対決。現状、マイル戦がベストと思えるカフェファラオが若干優勢とみる。本来はもう少しゆったりと進められる距離が合っているカジノフォンテンだが、今の勢いなら、再度の中央勢撃破も。実力馬のタイムフライヤー、インティなどにも注意が必要だ。

◆カフェファラオ
 今年初戦のフェブラリーSでGI初制覇を果たしたカフェファラオ。これまで、ジャパンダートダービー7着、チャンピオンズC6着と、GIの舞台では、結果が残せていなかったが、前走は先行抜け出しの危なげないレース内容で、きっちりと勝ち切ってみせた。「今年のローテーションを考慮して放牧に出し、3月27日に帰厩。カイバの食い、毛づや、馬体の張りなども含め、前走時よりも状態は良さそう。この先のことを踏まえ、今回はシャープなターンのコースと距離にしっかりと対応させたいと思っています」と堀宣行調教師。3戦3勝の得意の距離で強さを見せつけ、真のダートマイル王の座を手にする。


かしわ記念レース展望のカジノフォンテン

◆カジノフォンテン
 地方勢の筆頭格は、川崎記念(JpnIを制したカジノフォンテン。東京大賞典(GIでの2着を含めて5連続連対をマークするなど、目下の充実ぶりは顕著だ。前走の京成盃グランドマイラーズは久々だったが、昨年のかしわ記念(ワイドファラオ・1分38秒6)を上回る好時計で勝利。山下貴之調教師も「ペース配分も良かったし、あの時計で走れることも分かった。逃げる馬がいれば行かせることも考えているが、位置取りに関係なく、この馬のラップを守って走れれば負けないと思う」と自信を深めている。地元の意地を見せられるか。


かしわ記念レース展望のタイムフライヤー

◆タイムフライヤー
 芝のGI優勝歴があるタイムフライヤーだが、現在ではすっかりダート重賞戦線の常連に定着した感がある。どの距離がベストなのか、まだつかみ切れない部分もあるが、これまでのレースぶりを見ても、マイルは力を出せる舞台だろう。「転厩初戦で比較はできませんが、ここまで順調にきていますし、すごくいい馬ですね。動きもさすがといったところです。馬体面に関しては、しっかりトモ(後肢)を使って走れていますし、完成の域に入ったのでは。地方のコースと、輸送でカイバを食べなくなると聞いているのでそのあたりがどうかですね。実力があることは間違いないので、力を出せれば」と橋口慎介調教師。


かしわ記念レース展望のインティ

◆インティ
 ㆒昨年のフェブラリーS以来、勝ち星から遠ざかっているインティだが、まだまだ衰えは感じられず、侮れない存在だ。「前走は道中で少し力んでいたけれど、ジョッキーがうまくなだめて乗ってくれた。後方からの競馬になったが、しまいはいい脚を使って収穫もあった。慣れればこの形でもスムーズに折り合って運べそうだが、だからといって今回もそれにこだわるのではなく、これまで通り前からでもいいし、とにかく自分のリズムで運ぶことが最も重要。状態も調教の動きもいいので、改めて」と野中賢二調教師は期待を込める。



◆ワイドファラオ
 昨年のこのレースをブービー人気で制したワイドファラオ。その後は、らしくないレースが続いているが、適性&底力は十分で、今年も㆒発の可能性を秘めている。「前走は放牧明けで、何とか間に合ったという状況で急仕上げの感が否めませんでした。それが最後の直線で踏ん張り切れなかったことにつながってしまったと思います。今回は馬体の張りや毛づやなど、見た目にも明らかに良くなっています。フェブラリーSで大敗してからこのレースを勝った昨年と同じローテーションですし、同じような上昇曲線を描いてくれれば」と辻野泰之調教師。


◆ミューチャリー
 ㆒線級とも互角の走りを見せるミューチャリー。前走のフェブラリーSも0秒9差と上々で、御神本訓史騎手も「川崎記念(5着)から間隔が短いなかで7着はすごい。力は見せてくれた」と評価。走り慣れた地元に戻れば好勝負になる。


◆ワークアンドラブ
 気分良く先行できればしぶとさを発揮するワークアンドラブも侮れない。今回は㆒線級がそろったが、マイルの南関重賞で2勝しているように距離はベスト。自分の形に持ち込めれば上位進出が可能だ。


◆サンライズノヴァ
 サンライズノヴァ・音無秀孝調教師「現状ではふっくらしているけど、最終追いでどれだけ変わってくるかですね。昨年は3着だったけど、ゲートを出てつまずいて後手に回ったぶんの差です。それさえなければという内容でしたからね」


◆ソリストサンダー
 ソリストサンダー・高柳大輔調教師「前走はGI戦ということもあって相手が強力で、レースの流れにも戸惑っていた感がありました。その後はひと息入れて、いい状態できています。地方のコースは今回が初めてですが、函館や札幌、小倉といった小回りで結果を出しているのでこなしてくれるのでは、と思っています。今回も相手は強いですが、今後もこのレベルの馬たちと戦っていかなければいけませんし、この馬自身も力をつけているので、胸を借りるつもりで挑みたいと思います」



出馬表

かしわ記念2021の出馬表


過去10年成績&データ

かしわ記念2021の10年表

 ●データ =過去10年

 ▼人気……1番人気【0・3・4・3】、2番人気【6・0・1・3】、3番人気【2・1・2・5】。1番人気が10連敗中で、5番人気以下が6年連続で馬券に絡んでいる。単勝平均配当700円、馬連平均配当2670円

 ▼所属……JRAが17連対で、全て栗東所属。地方は船橋が2連対、大井が1連対

 ▼年齢……7歳が5連対でトップ。以下は5歳と6歳がそれぞれ4連対、8歳と4歳がそれぞれ3連対。9歳も1連対しておりベテラン勢の活躍が目立つ。

 ▼実績……連対14頭がダートGI勝ち馬。残る6頭中5頭にはダート1600m以上で重賞勝ちかGIで3着以内の実績があった

 ▼前走……3着以内に入った30頭のうち20頭がフェブラリーSだった

 ▼脚質……【逃7先7差6追0】。3着以内の30頭中26頭が4コーナー4番手以内



レース概要

かしわ記念のコース画像

開 催 日:2021年5月5日(水・祝)

距  離:ダート左回り1,600m

出走資格:サラブレッド系 4歳以上

1着賞金:7,000万円

負担重量:牡馬57kg、牝馬55kg(南半球産の4歳馬1kg減)



重賞結果一覧

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