新設重賞の若潮スプリントが3日、船橋競馬場で12頭によって争われ、左海誠二騎乗で1番人気のファイナルキングが好スタートを決めて逃げると、追い込んできたチュラウェーブを振り切り、3/4馬身差で重賞初制覇を果たした。タイム1分13秒3(重)。2着から半馬身差の3着にはチャンプタイガーが入った。
ファイナルキングの次走は、サンケイスポーツ盃優駿スプリント(6月29日、大井、SII、ダート1200メートル)の予定。
◆左海誠騎手(ファイナルキング1着)「外から行かれると困るから、逃げを主張した。残り100mで脚が上がったが、力の要る馬場だったし、これが今後の経験になれば」
◆林正人調教師(同)「予想通り厳しい流れになったが、勝ててホッとした。これもいい経験になると思う」
◆川島正騎手(チュラウェーブ2着)「スタート直後に勝ち馬に寄られた。この距離は少し忙しく、1400mくらいが良さそう。力はある」
◆御神本訓騎手(チャンプタイガー3着)「もっと伸びるかと思ったけどね。まだ緩さがあるし、これからの馬」
◆今野忠騎手(ハートプレイス4着)「久々の1200mでいい走りをしてくれた。短距離なら、今後もそれなりに走ってくれそう」
◆森泰斗騎手(エンテレケイア5着)「砂をかぶって嫌がった。スムーズならここでもやれると思うが、枠順が良くなかった」
■ファイナルキング 父サウスヴィグラス、母ゴールドキャヴィア、母の父ゴールドアリュール。栗毛の牡3歳。船橋・林正人厩舎所属。北海道新ひだか町・カタオカステーブルの生産馬で、馬主は高橋皖氏。戦績8戦4勝。獲得賞金2425万5000円。重賞初制覇。若潮スプリントは林正人調教師、左海誠二騎手ともに初勝利。
大型連休中の船橋ケイバでは、3日連続で重賞を開催。5月3日には第1弾となる『第1回若潮スプリント』(SIII、ダート1200㍍)が行われる。新設の3歳スプリント重賞に、ファイナルキングやブラックストーム、マテーラフレイバーなど若きスピード自慢が集結。6月の大一番・サンスポ盃優駿スプリントに向けても見逃せない一戦だ。
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【見解】ファイナルキングは休み明け初戦こそ5着に敗れたが、続く前走で変わり身を見せて勝利。スタートも速く、重賞のここでも卓越したスピードを発揮しそうだ。ブラックストームとマテーラフレイバーはともに初コースが鍵となる。
◆ファイナルキング
デビューから【3・1・2・1】のファイナルキング。母は2012年のサンケイスポーツ盃優駿スプリントを制したゴールドキャヴィアで、兄のキングキャヴィアも同レースで3着したスプリント血統。この馬自身も前走の1200㍍戦で1分12秒0(稍重)の好時計で勝利し、高いスピード能力を証明した。林正人調教師は「前走は、時計も含めて驚いたね。やはりポテンシャルは高く、叩き3戦目で状態も上向いている。気分良く走れれば2、3番手でも競馬ができるから」と自信を深めた様子。引き続き船橋1200㍍が舞台だけに、極端にもまれなければ好勝負になる。
◆ブラックストーム
母にツキノテンシ(しらさぎ賞2着)を持つブラックストームも素質は高い。デビューから6戦して5着以下がなく、休み明けだった前走も軽快なスピードを発揮して勝利と、ここへ向けて順調なステップを踏んできた。「どこからでも競馬ができるのは強みだし、使ったぶんの上積みも見込める。左回りは走ってみないと分からないけど、楽しみにしている㆒戦」と的場直之調教師。さらなる良化が見込めるだけに、初めての左回りでもチャンスは十分だ。
◆マテーラフレイバー
準重賞のジェムストーン賞で3着したマテーラフレイバー。その後のJRA遠征は9着に敗れたが、休み明けながら3着に粘った前走の内容が良く、軌道を修正してきた印象だ。「前走は内臓面が少し重かったが、そのぶん変わり身がありそう。スピード能力は高いし、芝とはいえ左回りも経験している。どこまで頑張れるか楽しみ」と福永敏調教師。重賞のメンバーでも軽くは扱えない。
◆チャンプタイガー
3月のトライアルを勝利したチャンプタイガー。1200㍍は3戦してパーフェクト連対と好相性だ。「まだ幼さはあるが、徐々に馬体がしっかりしてきた。跳びが軽く、いいスピードを持っている。相手は強くなるけど頑張ってほしいところ」と矢野義幸調教師。
◆キャストロポポ
マイルのニューイヤーCでも5着に食い込んだキャストロポポは、1200㍍でスムーズに先行した前3走を見れば、ここでも互角のスプリント能力がある。展開に注文がつかず、堅実に走れるのが強み。重賞のメンバーでも大崩れは考えにくい。
◆エンテレケイア
エンテレケイアはJRA1勝クラスで2着2回の足跡。転入初戦の1500㍍戦でも8馬身差の圧勝と、高い能力を示している。軽快なスピードがあり、短距離はOK。使った上積みも見込めるだけに、重賞でも好勝負になる。
◆ロードオブザチェコ ※出走回避
ロードオブザチェコは新馬戦での1勝のみだが、トライアルで4着した前走を含め、スプリント戦で軽快なスピードを発揮している。ここもリズム良く先行できれば流れ込みが可能だ。
◆チュラウェーブ
チュラウェーブのキャリアは4戦と浅いものの、前走のトライアルでは2着に食い込み素質の高さを示した。差す競馬ができるのは強みで、馬場や展開次第で上位をにぎわしそうだ。
※新設レースのため成績・データなし
開 催 日:2021年5月3日(月・祝)
距 離:ダート左回り1,200m
出走資格:サラブレッド系 3歳
1着賞金:1,200万円
負担重量:牡馬56kg、牝馬54kg(南半球産の3歳馬2kg減) 令和3年4月23日現在の番組賞金1,000万円毎に1kgずつ、牡馬59kg、牝馬57kgを上限として加増する。