１２月１日の船橋１１Ｒで行われた第６７回クイーン賞（交流ＧＩＩＩ、３歳以上オープン、牝馬、ハンデ、ダート・左１８００メートル、１４頭立て、１着賞金＝２１００万円）は、笹川翼騎手の６番人気ダイアナブライト（５歳、川崎・内田勝義厩舎）が逃げたサルサディオーネをゴール寸前で大外から差し切り勝利。今年最後の牝馬限定ダート重賞を制した。タイムは１分５１秒４（不良）。

　クビ差の２着には連覇を狙ったサルサディオーネ（１番人気）、さらに５馬身遅れた３着にプリティーチャンス（３番人気）が入った。なお、ルメール騎手のリネンファッション（２番人気）は８着、武豊騎手のウェルドーン（４番人気）は１０着に敗れた。

　クイーン賞を勝ったダイアナブライトは、父ディープインパクト、母チェリーコレクト、母の父Ｏｒａｔｏｒｉｏという血統。北海道安平町・ノーザンファームの生産馬で、馬主は（有）キャロットファーム。通算成績は１６戦５勝（うち中央１４戦４勝）。重賞は初制覇。クイーン賞は内田勝義調教師、笹川翼騎手ともに初勝利。

　『第６７回クイーン賞』（ＪｐｎＩＩＩ、ダート１８００㍍）が１２月１日、船橋競馬場で行われる。連覇が懸かる大井のサルサディオーネや、関東オークスを制したウェルドーン、芝の重賞ウイナーのエリザベスタワーなど多彩なメンバーがそろった。女王の座に就くのは──。

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　【見解】今年も主役を張るサルサディオーネ。前走は度外視できる内容で、舞台はベスト。ハンデは㆒気に重くなるが牝馬同士なら乗り切れるはずだ。スムーズに運べればリネンファッションに逆転の目。ウェルドーンも上位争いが可能だ。

◆サルサディオーネ
　連覇を目指すサルサディオーネ。今回と同舞台、同距離の日本テレビ盃（ＪｐｎＩＩ）でも逃げ切り、船橋では重賞４勝と抜群の相性を示している。前走のＪＢＣレディスクラシック（ＪｐｎⅠ）は１０着に敗れたが、実績のない右回りに加え、「苦手な長距離輸送だったし、物見もしていました。その後もカイバ食いが少し落ちたけど、極端なデキ落ちはありません。ここも気分良く行けるかどうかでしょう」と堀千亜樹調教師。得意の舞台で軌道修正を果たせるか。

◆リネンファッション
　リネンファッションは２走前のブリーダーズゴールドＣ（ＪｐｎＩＩＩ）で２着。後に偉業を成し遂げるマルシュロレーヌに半馬身差にまで食らいついた。前走のＪＢＣレディスクラシックは出遅れと砂をかぶって嫌がったのが影響したが、それでも３着を確保する能力の高さを見せた。「（前走は）普通に競馬していれば勝ち負けしていたと思います。使って良くなっているし、状態はいいですね。舞台も問題ない」と坂口智康調教師。待望の初タイトルは目前だ。

◆ウェルドーン
　ウェルドーンは前走のレディスプレリュード（ＪｐｎＩＩ）で初の古馬相手に３着だったが、藤岡佑介騎手が「３～４コーナーで内にモタれるようなしぐさをみせた。休み明けの影響かな」と話したように使いつつ良くなるタイプ。関東オークス（ＪｐｎＩＩ）を制し、牡馬相手のジャパンダートダービー（ＪｐｎⅠ）で３着した実力がある。叩き２戦目、前走の上位２頭が不在なら巻き返しへの期待は十分だ。

◆プリティーチャンス
　プリティーチャンスは昇級初戦のみやこＳ（ＧＩＩＩ）に紅㆒点で臨み４着。しかもスローペースのなか、終始外を回らせられてのものだけに価値がある。全４勝を１８００㍍で挙げており、牝馬同士なら好勝負必至だ。「すごく充実しているね。地方のコースでまたちょっと違うので適性がどうかだが、牝馬限定だし、コースにうまく対応できればチャンスはあると思う」と野中賢二調教師。

◆エリザベスタワー
　エリザベスタワーは両前膝の剥離骨折による半年以上の休養明け初戦。加えて今回が初めてのダートとなるが、高野友和調教師は「オーナーサイドの意向でダートへ。パワーが相当あるので合うと思います。休み明けの感じもないですし、中間の気配もいいですね」と期待を膨らませる。

◆ダイアナブライト
　川崎への移籍初戦を迎えるダイアナブライト。前走のレディスプレリュードは４着に食い込み、地方のダートにも高い適性を示した。再度、牝馬同士なら好勝負。

　●データ　＝過去１０年

　▼人気……１番人気【５・３・０・２】、２番人気【１・１・２・６】、３番人気【１・２・１・６】。ハンデ戦だが１番人気は好調。単勝平均配当４２０円、馬連平均配当１４５０円

　▼所属……ＪＲＡが延べ１５連対（栗東７、美浦８）で断トツ。大井が３連対で、地元の船橋は２連対

　▼年齢……４歳が８連対でトップ。３歳が５連対で続く。ほかに６歳が４連対で、７歳が２連対、５歳が１連対

　▼実績……連対延べ２０頭中１４頭にダート１８００mの重賞での連対実績。残る６頭中３頭は、ダート１８００mで３回以上の連対実績があった

　▼前走……連対延べ１２頭がＪＢＣレディスクラシックからの臨戦で、近５年では７頭が該当。残る８頭中４頭は前走がダート１８００mだった

　▼ハンデ……トップハンデ【４・３・０・５】

　▼脚質……【逃６先１１差３追０】２０１７年から逃げ馬が４連勝している

開 催 日：２０２１年１２月１日（水）

距　　離：ダート左回り１,８００ｍ

出走資格：サラブレッド系　３歳以上牝馬

１着賞金：２,１００万円

負担重量：ハンデキャップ