【京成杯AH】カテドラルが14度目挑戦で重賞初V
2021.9.13 04:56更新

サマーマイルシリーズ最終第4戦の京成杯オータムハンデキャップが12日、中山競馬場で16頭によって争われ、戸崎騎手と初コンビで7番人気のカテドラルが重賞14度目の挑戦で念願の初勝利を飾った。逃げた12番人気コントラチェックがクビ差2着。1番人気のグレナディアガーズは直線で追い上げたが3着に終わった。
何度もはね返されてきた厚い壁を突き破った。カテドラルが14度目の重賞挑戦でついに初制覇。初騎乗でVへと導いた戸崎騎手が声を弾ませる。
「とてもうれしいです。直線では進路を探すのが大変でしたが、手応えもあったのでうまくさばいてくれました。いいレースができたと思います」
勝負どころでの名手のジャッジが、勝利を呼び込んだ。道中はグレナディアガーズと並ぶように進んで4コーナーへ。外を回った1番人気馬に対し、思い切って馬群に突っ込ませた。開幕週の前残りの馬場。外を回っては厳しいと、とっさに判断した。前があかずになかなか追えない場面もあったが、急坂を上り切ってスペースができてからは矢のような伸び脚を発揮。逃げ粘る同じ勝負服のコントラチェックをクビ差かわしたところがゴールだった。
「よく届いてくれました。ササりながら進路も詰まったのが、(脚をためられて)よかったのかもしれません。惜しいレースが続いていたのでホッとしました」
待望のタイトル獲得に池添学調教師は穏やかな笑みを浮かべた。2歳時に新馬→野路菊Sを連勝し、クラシック候補との呼び声も高かった大器。折り合い面を考慮してマイル路線に転じ、NHKマイルC3着などGIでも好走しながら、重賞では善戦止まりが続いた。今年もGIIIで3度の2着と惜敗に泣いていたが、年齢を重ねてレース前の消耗が少なくなったことが勝利へとつながった。
「フレッシュなときの方が落ち着いているので(この後は)放牧へ。重賞も勝ったので、どこか大きいところを目指したいですね」
トレーナーはマイルCS(11月21日、阪神、GI、芝1600メートル)参戦への意欲を強くにじませた。鞍上も「なかなか勝ち切れませんでしたが力のある馬。今後が楽しみです」とさらなる活躍に太鼓判を押す。5歳秋にして花開いたハーツクライ産駒の旬はこれからだ。(漆山貴禎)
■カテドラル 父ハーツクライ、母アビラ、母の父ロックオブジブラルタル。鹿毛の牡5歳。栗東・池添学厩舎所属。北海道安平町・ノーザンファームの生産馬。馬主は(有)キャロットファーム。戦績19戦4勝。獲得賞金1億8240万7000円。重賞は初勝利。京成杯AHは池添学調教師が初勝利。戸崎圭太騎手は2013年のエクセラントカーヴに次いで2勝目。馬名は「ロマネスク、ゴシック様式を兼ね備えるスペイン、アビラの大聖堂」。