【日本ダービー】史上最多!ノーザンF生産馬12頭出走
2021.5.28 04:56更新

グレード制を導入した1984年以降の日本ダービーで最多の生産馬12頭を出走させるノーザンファーム(北海道安平町)。吉田勝己代表(72)に競馬の祭典を目前に控えた今の心境などを聞いた。
◇
--吉田代表にとって日本ダービーとは
「最大の目標です。馬の配合、スケジュールもすべてここを目指して組み立てています」
--最も印象に残っているダービーは
「フサイチコンコルドですね。父(善哉氏)が1993年に亡くなり、独立して最初に勝ったダービーだったのでうれしかったですよ。英国のセールでカーリアンの子を受胎中の母馬(バレークイーン)を自分で競り落とし、日本に連れてきました。生まれた子を見て『この馬でダービーを取ろう』と牧場スタッフ一丸になってやったのを覚えています。他にあげるとすれば、ディープインパクト。牧場時代は小柄で、それほど目立たなかったのですが、素晴らしいバネと成長力で、世の中にこんなに能力が高い馬がいるのかと、びっくりするほどのレースを見せてくれました」
--今年は生産馬12頭が参戦する
「これは驚きです。こんなことはもうないんじゃないかな。すごい」
--皐月賞は生産馬のエフフォーリアが3馬身差をつけて快勝
「これは強い勝ち方でした。ジョッキーもうまく乗ってくれましたし。今回も当然、人気になると思いますし、大いに期待しています」
--同じく生産馬のサトノレイナスが、牝馬としてウオッカ以来14年ぶりの勝利に挑む
「あの馬は強いですよ。府中の2400メートルは一番合うかもしれません」
--ディープインパクトは現3歳世代を含めて残り3世代。後継種牡馬として期待する馬もいる
「血統的に注目するのは、シャフリヤールとグレートマジシャン。皐月賞馬アルアインの弟でもあるシャフリヤールの母ドバイマジェスティは、米国の最優秀短距離牝馬ですし、グレートマジシャンはドイツオークス馬ナイトマジックの子。このあたりがどんなレースをするか楽しみです」
--今年は2年ぶりに有観客で実施される
「ファンの皆さんがいてこその競馬。私たちがこの日を目標に生産、育成した馬たちの晴れ姿を直接見ていただけるのは、ありがたいですね。馬も人も、一層気合が入りますから」
■吉田勝己(よしだ・かつみ) 1948年(昭和23年)11月23日、千葉県生まれ。72歳。慶大商学部卒。94年1月に父・善哉氏(故人)が設立した社台ファームが分割され、ノーザンファームを設立。99年に初のリーディングブリーダーとなり、その後2004~08、11~20年に首位。兄・照哉氏は社台ファーム代表、弟・晴哉氏は追分ファーム代表。長男・俊介氏は、ノーザンファーム副代表でサンデーレーシング代表。趣味は乗馬。