【天皇賞・春】福永が導いた!ワールドプレミア復活V

2021.5.3 05:00更新

福永騎手に導かれたワールドプレミア(手前)が快勝。一昨年の菊花賞以来となる復活Vを飾った

 天皇賞・春が2日、阪神競馬場で17頭によって争われ、福永騎乗で3番人気のワールドプレミアが息の長い末脚を繰り出し復活V。2019年の菊花賞以来となるGI2勝目を挙げ、国内最強ステイヤーに輝いた。勝ち時計3分14秒7はコースレコード。また、福永騎手は父の洋一元騎手との春秋天皇賞の親子制覇を達成した。

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 歯を食いしばって阪神の急坂を駆け上がり、前へ、前へと突き進んだ。3200メートルの長距離戦らしく、全17頭がもがき苦しんだ最後の直線。冷たい向かい風を切って抜け出したのは、2019年の菊花賞馬ワールドプレミアだ。復活Vに導いた福永騎手は初コンビのパートナーをねぎらった。

 「強かったと思います。非常にタフなレースになって、最後はみんな脚が上がっている中、長くいい脚を使ってくれました。全馬が死力を尽くした、いい競馬だったと思います」

 スタートはひと息も、最内枠を生かしてリカバリー。1周目のスタンド前では前後に馬がいない7番手につけた。「プランとは違ったけど、ディープボンドとアリストテレスを見る形でいい位置が取れた」と鞍上。2周目の3、4コーナーで外に持ち出すと、直線は馬場の真ん中へ。メンバー最速の上がり3ハロン36秒7の末脚で抜け出し、昨年まで2連覇していたフィエールマンに続いて、ディープインパクトとの父子制覇を達成した。

 友道調教師は「ホッとしています。なかなか体がパンとしなくて休みが多かったけど、ここにきて心配がなくなった」とうなずいた。一昨年の有馬記念3着後に11カ月間の長期休養で成長をうながした、陣営の我慢が実を結んだ。

 福永騎手にとっては、岡部幸雄元騎手、武豊騎手、横山典弘騎手に続く、史上4人目となるJRA重賞150勝目で、天皇賞・春は18度目の参戦で初勝利。くしくも自身が生まれた、1976年にエリモジョージで勝った父・洋一騎手との史上2組目の親子制覇だ。レース後は「人間の記録はあまり重要視していない」と語るにとどめたが、心に刻んでいることがある。

 「自分を通して親父を思ってくれている方がいる。福永の名を汚すことはできない」

 トップジョッキーとなった今でも騎乗フォームを見直すなど、現状に満足することはない。父から受け継いだ探求心で自分を磨き続ける鞍上は「(全)兄のワールドエースでは結果を出すことができなかった。この血統でGIを勝ててうれしいです」と締めくくった。

 雌伏のときを経て、いよいよ本格化したワールドプレミア。放牧に出て今後は未定だが、国内最強ステイヤーとして、世界制覇へと夢は広がる。(川端亮平)

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■ワールドプレミア 父ディープインパクト、母マンデラ、母の父アカテナンゴ。黒鹿毛の牡5歳。栗東・友道康夫厩舎所属。北海道安平町・ノーザンファームの生産馬。馬主は大塚亮一氏。戦績11戦4勝。獲得賞金4億5594万3000円。重賞は2019年GI菊花賞に次いで2勝目。天皇賞は友道康夫調教師が2008年春アドマイヤジュピタに次いで2勝目、福永騎手は2013年秋ジャスタウェイに次いで2勝目。馬名は「世界規模での上映会を目指して」。

★福永祐一騎手…JRA・GIは昨年の菊花賞(コントレイル)以来で、通算29勝目。2018年から4年連続でJRA・GI勝利。8大競走完全制覇まで、残るは有馬記念のみとなった。

★友道康夫調教師…JRA・GIは19年菊花賞(ワールドプレミア)以来で通算13勝目。JRA重賞は通算48勝目。

★菊花賞馬の制覇…1984年のグレード制導入以降では、一昨年、昨年のフィエールマンに続き3年連続18回目。

★馬主・大塚亮一氏…JRA・GIは19年菊花賞を同馬で制して以来で、通算2勝目。JRA重賞も19年菊花賞以来で通算3勝目。

★生産者・ノーザンファーム…18年(レインボーライン)から4年連続で通算6勝目。JRA・GIは今年4勝目、通算163勝目(他にJ・GI3勝)。JRA重賞は今年29勝目、通算691勝目。

★きょう高知競馬場で福永洋一記念…3日に高知競馬場で第12回福永洋一記念が行われる。これまでの功績をたたえ、洋一元騎手の出身地の高知で2010年に創設された重賞レースだ。以前は父子そろって表彰式のプレゼンターとして登壇していたが、コロナ禍を考慮して今年も昨年に続いて来場しない。

★売り上げ…天皇賞・春の売り上げは188億9902万300円で、前年比112・0%だった。