【矢作芳人調教師 信は力なり】4日にコントレイルが帰厩

2020.9.2 04:50更新

史上3頭目の無敗三冠馬を目指してコントレイルが4日に栗東トレセンへ帰厩

 今週の金曜日、9月4日にコントレイルが大山ヒルズでの夏休みから栗東に戻ってくる。ダービー後の6月6日に放牧に出て以来、およそ3カ月ぶりの帰厩である。

 ダービーの後は普通の競馬を使った後なりの疲れはあったが、大レースであれだけの激走をしたにもかかわらず、けろっとしていたのが印象的で、改めて彼の能力の高さを再認識した。それだけにリフレッシュ後の立ち上げも順調だったようで、7月下旬と先週の2度大山を訪れたがいい意味で変わりない姿を見せてくれて安心している。

 今回の休養で一番危惧していたのは「馬が良くなり過ぎる」ことだった。通常なら夏の休養後は筋肉をつけ、体重が増加してほしいと願うものだが、コントレイルにとって筋肉量が増え過ぎるのは3000メートルの菊花賞を目指すうえで得策とは思えないからだ。

 牧場ともその考えは共有していて、とてもうまく調整してくれた。おそらく馬体重も春とあまり変化がないと思う。とにかく彼にとっては変わらないことが何よりなのだ。このまま神戸新聞杯を経て菊花賞がベストになるよう全力を尽くしていきたい。

 世の中の先行きが不透明な中、市況が不安視された先日のセレクションセール、サマーセールだが、結果は予想外の盛況に終わった。来年以降の経済動向を考えるとこんなに馬が売れていいのだろうかとも思うが、競馬に投資してくれる方がこれだけ多いのはありがたい限りだ。

 その期待に応えるためには、どんな形でもとにかく競馬を継続して開催していくことである。開催中止だけは何としても避けたい。今後は誰にも予測できないが、現在の感染状況を冷静に分析すれば、いずれ関係者が感染するのは時間の問題だ。そのときに競馬を止めないよう、業界の被害を最小限に食い止められるよう、コロナ禍に対する方策をさらに強化していくことが急務であると考える。

■ 矢作 芳人(やはぎ・よしと)1961(昭和36)年3月20日、東京生まれの59歳。父は大井競馬の矢作和人元調教師。開成高を卒業後、豪州での修業を経て84年に栗東トレセンへ。厩務員、調教助手を経て2005年に調教師として厩舎開業。1日現在、JRA通算666勝でJRA重賞43勝(うちJRA・GI12勝)。ほかに海外でGI2勝、交流GI2勝。