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2019.12.16 16:00

【全日本2歳優駿】レース展望

北海道2歳優駿を制したキメラヴェリテ

北海道2歳優駿を制したキメラヴェリテ【拡大】

 12月18日(水)に川崎競馬場で、2歳ダート路線の締めくくりとなる大一番・第70回全日本2歳優駿(交流GI、2歳オープン、定量、ダート・左1600メートル)が行われる。

 交流GIとなった1997年以降、地方所属馬が5勝を挙げているのに対し、JRA所属馬が17勝と大きくリードしているように、まずは今年も5頭が参戦するJRA勢から見ていきたい。

★北海道2歳優駿Vの実績が光るキメラヴェリテ

 一頭目に取り上げたいのは、北海道2歳優駿(交流GIII)で逃げ切り勝ちを収め、初重賞タイトルを獲得しているキメラヴェリテ(栗東・中竹和也厩舎、牡)。現時点では“逃げてこそ”のタイプだけに、内枠に入ったインペリシャブルが先手を主張しても簡単に引くようなことはないはず。

 近年、オーブルチェフ(2011年)、ハッピースプリント(2013年)、ディアドムス(2014年)などが北海道2歳優駿を制した勢いそのままに2歳ダート王の座を射止めている。いわゆる“黄金ローテ”を歩んできているだけに、ここでも逃げ切りを決める可能性が十分にありそうだ。なお、勝利を果たせば、コンビを組む福永祐一騎手にとっても、初の全日本2歳優駿Vとなる。

★兵庫ジュニアGP制覇のテイエムサウスダンはマイル克服がカギ

 デビュー3戦目の未勝利勝ちから一気の3連勝で兵庫ジュニアグランプリ(交流GII)を制したテイエムサウスダン(栗東・飯田雄三厩舎、牡)は、今回が初体験となるマイルの距離を克服できるか否かが上位進出のカギとなりそう。

 歴代の兵庫ジュニアグランプリ覇者を見てみると、スーニ(2008年)、ラブミーチャン(2009年)、サウンドスカイ(2015年)などがここでも勝利を果たしているだけに、ローテーション的には悪くないといえる。

 ルヴァンスレーヴとのコンビで圧巻のデビュー3連勝Vを決めた2年前の印象が記憶に新しい、M.デムーロ騎手の手綱捌きにも期待したいところだ。

★16年ぶりV狙う武豊騎手とのコンビで挑むメイショウテンスイ

 デビュー2連勝で挑んだ兵庫ジュニアグランプリ(交流GII)でテイエムサウスダンの2着に敗れ、3戦目にして初黒星を喫したメイショウテンスイ(栗東・南井克巳厩舎、牡)は、引き続き武豊騎手とのコンビ継続で初タイトル獲得を狙う。

 兵庫ジュニアグランプリを制したテイエムサウスダンと同様に、1400m戦までしか経験がなく、上位進出のカギはマイルの克服になってきそう。東京コースで2勝しており脚質に幅もあるだけに、左回りの川崎コース自体は問題なくこなしてくれるのではないか。

 騎乗する武豊騎手は、交流GIに生まれ変わって1年目の1997年にアグネスワールド、2003年にアドマイヤホープで全日本2歳優駿を2勝しているものの、近年はスザクで挑んだ2013年、ドンフォルティスに騎乗した2017年に2着惜敗するなど、あと一歩のところで栄冠に手が届いていない。

 昭和、平成、令和と3つの時代をまたにかけて活躍する名手が、16年ぶりにVを果たすかどうかも、大きく注目されそうだ。

★1200m戦で2連勝と勢いに乗るアイオライト

 武藤善則調教師&雅騎手の“武藤親子コンビ”で挑むアイオライト(美浦・武藤善則厩舎、牡)は、1200m戦で未勝利→1勝クラスと連勝中。

 デビューからの2戦は芝のレースを使って勝ち切れなかったものの、ダートでは2戦2勝と底を見せていない上に、2勝の内容が2着以下に10馬身、3馬身1/2差をつけているように、圧巻の走りが続いている。初GIの舞台でも、その勢いは侮れないものとなりそうだ。

 もう一頭のJRA所属馬・イロゴトシ(栗東・牧田和弥厩舎、牡)も1200m戦で2勝を挙げているが、未勝利、ひまわり賞ともに九州産馬限定戦。初重賞挑戦となったサウジアラビアロイヤルC(GIII)で大敗したのは芝のレースだから仕方ないにしても、前走の兵庫ジュニアグランプリ(交流GII)でも7着と見せ場を作れていないだけに、今回のメンバーに入ってしまうと、さすがに苦しいか。

★4戦4勝インペリシャブルなど重賞Vある地元所属馬がJRA勢を迎え撃つ

 5頭で挑むJRA勢を迎え撃つ地元の南関東所属馬は7頭。中でも一番の注目を集めるのは、デビューから4戦4勝と底を見せておらず、今回の舞台となる川崎競馬場で行われた鎌倉記念(SII)を制しているインペリシャブル(川崎・高月賢一厩舎、牡)となりそうだ。

 デビューからの4戦、いずれも先手を譲ることなく逃げ切り勝ちを決めているだけに、北海道2歳優駿を制しているキメラヴェリテとの兼ね合いがカギとなりそうだが、内枠に入ったぶん先行争いではアドバンテージがあるだけに、自分の走りを貫いてどこまで粘れるか、といったレースになるのではないか。

 同厩舎のヴァケーション(川崎・高月賢一厩舎、牡)は、船橋競馬場で行われた平和賞(SIII)を制しているが、川崎でもデビューから2戦ともに大楽勝の内容で走っているだけに、コース替わりはプラスに働く可能性が高い。

 ハイセイコー記念(SII)の覇者・ゴールドビルダー(船橋・佐藤賢二厩舎、牡)も、南関東勢の中では確実に上位に来れる存在。大外枠を引いたのは痛いが、名手・森泰斗騎手の手綱捌きにも期待したい。