中央競馬:予想予想

2021.5.1 15:14

【居酒屋ブルース】日曜阪神11R

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 【日曜阪神11R・天皇賞・春】

 新型コロナウイルスの感染拡大防止を目的とした3度目の緊急事態宣言が出された。期間は5月11日まで。その間、ひいきの居酒屋は店を開けるのか? 営業を取りやめるのか? 店主のミチヤに聞くと、ゴールデンウイーク中の祝日以外はランチだけ営業する、と。地元の常連サラリーマンの要望に応えたという。これまでもランチ中は酒類を提供していなかったから形態は変わらない。大手を振ってランチ営業をするそうだ。常連のサラリーマン諸君ありがとう。というわけで、今週も休みの日に遅いランチを食べに行き、バイトの桃ちゃんの予想を聞いてきた。

◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 ひいきの居酒屋のカウンター席でランチを食べ終わり一息ついていると、桃ちゃんが賄いの置かれたトレーを持ってカウンターに座った。もちろん、ソーシャルディスタンスを保つ2メートルの間隔をあけている。

 「オメガロマンスが…」

 サンケイスポーツ賞フローラSのこと。桃ちゃんが本命にしたオメガロマンスは出遅れて外を回り、上がり3ハロン33秒4の末脚を使ったものの14着大敗を喫した。

 週刊Gallopに載っているレース短評は「前走に続いての馬体減でぎりぎりに映った。その影響もあったか、末脚勝負に徹しながら、見せ場はなし」だって。僕も対抗にしたように、もっと走ると持っていたんだけどなあ。レース翌日に競馬エイトの松本ヒロシ・トラックマンに会ったら、「右に張る癖があるから左回りは、ね。でも能力は高い。右回りに戻れば」だって。右に張るということは左回りでは外に行ってしまうわけで、外枠の14番を引いたことが大きく影響したのかな。最後の直線なんて、隣の馬に張られたこともあるけど、だいぶ大外を走っていた。

 「それに引き換え、鈴木さんの◎ユーバーレーベンは3着。おめでとうございます」

 おめでたくないよ。

 「どうしてです?」

 居酒屋ブルースの買い目を見てよ。

 「どれどれ(とスマホをスクロールしながら)、あっ!? 2着のスライリーがヌケ」

 そういうこと。馬連を2点に絞って取り損ねた皐月賞の反省から、フローラSは印をつけた全ての馬に流したのに…。2着がヌケでは馬連も3連複も取れない。ハナ差かわしてユーバーレーベンが2着に来ていたら20.8倍の馬連を取れていた。

 「覆水盆に返らず、ですよ」

 だね。

 「ということは、先週もLINEの人の負債を増やしてしまったわけですね」

 僕もそう思ってヘコんでいたんだけど、そうじゃなかったんだ。

 「どういうことです?」

 マイラーズCを当てた、って。

 「鈴木さんが本命にしたエアロロノアは5着だったのでは…。それで、どうして馬券が当たるんです?」

 僕も不思議に思い、「わが◎は3着に入らず、3着のカイザーミノルは無印ですが汗」と送ったら、「師匠が1、2着の馬に印をつけていたので、気になった穴馬を足しました」って。送られてきたスクショを見ると、3連単を当ててた。

 「久しぶりにちゃんと当たりました!」「ありがとうございます」って感謝されたけど…。

 「それって、完全にLINEの人の実力じゃないですか」

 だから僕も「それで感謝されても汗」「馬券の師匠と呼ばせてください!」って返事しといた。そうしたら「マグレオブマグレ!笑笑」だって。

 「本当に優しい方ですね。でも、LINEの人が鈴木さんから巣立つのも時間の問題かと」

 そうかも…。「今日の競輪最終レースに厚く入れます!笑笑」というのが最後にきたのは気になるけど…。

 「競輪も当たったら、一体いくらになるんでしょうか?」

 結果は聞かないことにするよ。当たっても当たらなくてもビビりそうだから。

 「ですね。こっちは競馬に全集中。今週は伝統の春の盾です。でも、阪神競馬場で行われるのは27年ぶりとか。私が生まれる前のことだから、記録でしかわかりません」

 僕は現地にいてサンスポに記事を書いたよ。1994年のことだから、競馬記者になって2年目だ。

 勝ったのはビワハヤヒデ。2着はナリタタイシンで3着はムッシュシェクル。1、2、3番人気の決着だった。ビワハヤヒデの手綱を取った岡部幸雄さんが、「ずっと(掛かり気味で手綱を)引っ張り通しだったから腕が疲れた。この馬ではもう3200メートルは乗りたくない」って、冗談交じりに上機嫌で話していたのをよく覚えているよ。

 ビワハヤヒデとナリタタイシンは同期。前年の日本ダービー馬ウイニングチケットと3強を形成して競馬を盛り上げていたんだけど、この年はビワハヤヒデの半弟ナリタブライアンが皐月賞を勝って「3冠馬誕生」の期待が大きくなっていた。だから、ビワハヤヒデが天皇賞を勝った時点で既に、年末に実現するであろう兄弟対決に話題は移っていたんだ。

 ビワハヤヒデを管理する浜田光正調教師なんて「向こう(ナリタブライアン)が1冠を取れば、こっちも1冠。ダービーも勝つだろうから、負けずに宝塚記念も取る。有馬記念で年度代表馬の座を懸けることになるだろう」とリップサービスしてくれた。今の調教師も浜田先生くらい、競馬を盛り上げるために見出しになるような発言をしてくれたらいいのにって思うよ。

 今回の仁川の春の盾は、27年前とはだいぶ違うね。単勝1.3倍だったビワハヤヒデのような圧倒的人気馬もいないし、阪神のコースが大改修されて初めて行われる天皇賞だから過去の傾向もアテにならない。

 「それでも予想をしなくちゃなりません」

 もちろん。桃ちゃんの本命は?

 「ユーキャンスマイルにしました」

 阪神大賞典でも本命だったね。

 「あのときは武豊さんから急に乗り替わったので大丈夫かなと思ってましたが、藤岡佑介さんの手綱で2着。去年の阪神大賞典では勝っているように、阪神コースの長距離戦なら信頼が置けます。阪神で連対を外したのは、この馬には距離が短かった1800メートルの毎日杯だけ。今年の春の盾が阪神コースという恩恵を受ける一頭です」

 ありがとう。

 「鈴木さんの番です」

 本命はディープボンド。この馬も阪神コースという恩恵を受ける一頭だから。しかも、阪神競馬場のあたりは土曜日に、雨が降った。重馬場だった阪神大賞典でユーキャンスマイルに5馬身差をつけて圧勝したように、少しでも馬場が渋るのはこの馬にとっておあつらえ向きだ。

 皐月賞のとき、サンケイスポーツに載ったエフフォーリアの主戦、横山武史のインタビューの内容が良かったと言ったけど、今回はディープボンド陣営のコメントに説得力があった。

 主戦の和田竜二が本追い切り後に「相変わらず、ゆったりと走れていました。(前回から状態は)ますますいいと思えます。気力、体力が充実している。古馬になってステイヤーの素質が開花しました。しっかりと誘導してあげて力を出し切れれば。コースを含め、今回はいい条件がそろっているので」と言えば、調教パートナーを務める谷口調教助手は「体の張りがすごい。もう、パンパンですよ。絶対にこの馬は叩き良化型。息遣いにも問題はないですし、前回より状態はいいと思います」。

 中でも4歳になってからの成長力を強調しているのがいい。3歳から一変したような馬が4歳になって活躍することは多いからね。和田竜二は、圧倒的人気だったテイエムオペラオーで春の天皇賞を2度制した経験があるので、ここは人気になっても平常心で乗れるはず。「ステイヤーの血が開花した」というのなら、今春での狙いはここしかない。

 ◎⑫ディープボンド
 ○⑦ユーキャンスマイル
 ▲②アリストテレス
 △①ワールドプレミア
 △③カレンブーケドール
 △⑤ディアスティマ
 △⑪メイショウテンゲン
 △⑭ウインマリリン
 △⑰オーソリティ

《3連複》
 ⑫-⑦-①③⑭⑰(4点) 各600円
 ⑫-②-①③⑭⑰(4点) 各500円
 ②-⑦-①③⑭⑰(4点) 各400円
 ⑫-⑦-⑤⑪(2点) 各200円
 ⑫-②-⑤⑪(2点) 各200円
 ②-⑦-⑤⑪(2点) 各100円
 ⑫-①③⑤⑪⑭⑰(15点) 各100円

《馬連》
 ⑫-②⑦ 各500円
 ⑫-③⑤⑪⑭⑰ 各100円

 ミチヤは馬券、買う?

 「混戦のようなので、やめておきます。ところでディープボンドってどういう意味です?」

 深い絆。父がキズナだから、よく使われる表現を英語にしたってわけだろうね。でも「産経ハンドブック」によると、「絆を深める」は「絆を強める」に直すとある。確かに絆って深くなるんじゃなく、固くなったり強くなったりするものだもんね。

 「あれ?」

 どうしたの桃ちゃん?

 「鈴木さんの買い目を見て少し気になったことが…」

 なに?

 「いや、なんでもありません」

 こっちが気になるよ。

◇◇◇◇◇◇◇◇◇

主な登場人物
ミチヤ…ひいきの居酒屋の店主。ずぶの素人から、どこまで競馬に興味を持ってくれるか
桃ちゃん…ひいきの居酒屋のアルバイト。馬券のセンスが抜群の競馬女子(UMAJO)。ちなみに、居酒屋ブルースのUMAJOは、酒場のあすピー→バイトのマヤ姉(ねえ)→桃ちゃんと変遷
LINEの人…謎の人物
カズマサ…夢の中の(?)ひいきの居酒屋の店主。馬券はデータ派。この居酒屋ブルースの世界から去っていった
琢磨…夢の中の(?)ひいきの居酒屋のスタッフ。好不調の波はあるが、馬券が当たると好調が続く。カズマサ同様、この居酒屋ブルースの世界から去っていった
もりやさん…夢の中の(?)ひいきの居酒屋の常連客。競馬とお酒が大好き。カズマサ、琢磨と一緒にこの居酒屋ブルースの世界から去っていった

鈴木学(すずき・まなぶ) デジタルメディア推進担当部長 

レース内容・騎手・厩舎

堅め

3連複

プロフィル

第1次東京五輪世代(第2次は2021年に誕生)。1993年2月にサンスポの競馬担当となり、2年間のブランク(運動部デスク)を挟んで競馬にどっぷり漬かっている。現場記者時代は紙上で予想コラム「鈴木に学べ」を連載も、たまに「鈴木が学べ」に。

予想スタイル

「3連複の軸馬」を◎にしている。3連単の期待値は3連複の6倍だが、人気馬が1着だと6倍以下になることが多い。人気馬を軸にするのなら3連複の方が得という考え。

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