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2021.12.21 05:00

【有馬記念】柴田政人氏が分析!勝ち目は女王にアリ

勢いより、経験がものをいう。強い3歳世代でも女王クロノジェネシスの牙城は、簡単には崩せないと柴田政人氏は分析する

勢いより、経験がものをいう。強い3歳世代でも女王クロノジェネシスの牙城は、簡単には崩せないと柴田政人氏は分析する【拡大】

 往年の名手はクロノジェネシスに注目だ。重賞観戦記「政人の目」を連載中で1989年にイナリワンで有馬記念を勝っている本紙評論家・柴田政人氏(73)は、3歳馬より5歳牝馬の経験と精神力が上と分析。85年に3歳馬ミホシンザンで挑み、4歳のシンボリルドルフにはね返された自身の経験と展開面から、クロノのグランプリ4連勝が濃厚とみた。

 ファン投票の上位3頭がそろって参戦する。1年の総決算であるドリームレースはやはりこうでなくてはいけない。

 今年は3歳馬の勢いが目立つ。特にエフフォーリアは日本ダービーでのハナ差2着以外は負けておらず、前走の天皇賞・秋では3冠馬コントレイルとGI5勝のグランアレグリア(のちに6勝)の強豪を退けた。好位置を取って抜け出す盤石のスタイルを身に着けており、この強さは本物だ。

 それだけ強いとわかっていても、注目は前年の覇者で史上初のグランプリ4連覇がかかる5歳牝馬のクロノジェネシスだ。同期のグランアレグリアや国内外でGI4勝のラヴズオンリーユーとしのぎを削って地力を強化し、古馬になって中長距離路線のトップに君臨した。多くの強敵と戦ってきた経験、それによって培われた精神的強さが魅力だ。

 凱旋門賞7着以来となるだけに状態面がポイントだが、ドバイシーマクラシック2着後の宝塚記念をあっさり勝った実績があり、余計な心配かもしれない。これがラストランで陣営もしっかり仕上げてくるはずだ。

 3歳馬が強いといいながら、5歳のクロノジェネシスに注目するのは、私も騎手時代に生きのいい3歳馬で有馬記念に挑んだことがあるからだ。それは1985年のミホシンザン。あの年の春は「ミスターシービー、シンボリルドルフに続いて、3年連続で3冠馬が出るぞ」と思ったもの。無敗で勝った皐月賞が調子が良くなかったにもかかわらず、あまりにも強かったからだ。結局、その後に骨折が判明して日本ダービーへの挑戦はかなわなかったが、復帰した秋には菊花賞を制して2冠馬になった。

 ミホシンザンは前に行くスピードもあれば、それを温存したときの末脚も素晴らしかった。有馬記念で、前年の3冠馬シンボリルドルフが相手でも、ある程度やれると思っていた。ところが、実際にはルドルフの強さを思い知らされた。3コーナーで馬なりのまま先頭に立った相手を追いかけていっても、直線では逆に離されて2着。その差は4馬身もあった。あのときのルドルフのように3歳の雄に立ちはだかるのはクロノジェネシス。そう思えて仕方がない。

 私の中ではクロノ、エフに、菊花賞馬タイトルホルダーとステラヴェローチェを加えた4頭の争い。道中のポジションはエフ、タイトルが前で、中団にステラ、その後ろにクロノと想定するが、大逃げで連勝中のパンサラッサの参戦で動くタイミングが非常に難しい。3歳馬3頭が動くのを見ながら仕掛けていけるクロノ&ルメールに、有利になるのではないかと考えている。(元JRA調教師)

 ■柴田 政人(しばた・まさと) 1948(昭和23)年8月19日生まれ、73歳。青森県出身。1967年から騎手として活躍し、ミホシンザンで85年の皐月賞、菊花賞などを制し、イナリワンで89年の有馬記念を、ウイニングチケットで93年の日本ダービーを勝っている。96年から調教師として開業し、2019年2月に定年を迎えた。本紙では調教師時代から重賞観戦記の「政人の目」を連載中。

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