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2021.11.8 14:20

【リレーコラム】東京サンスポ~日本競馬界のすごい人by片岡

JRA障害通算最多勝となる255勝目を挙げた熊沢重文騎手(中央)(左から小坂忠士騎手、小野寺祐太騎手、熊沢重文騎手、平沢健治騎手、石神深一騎手)

JRA障害通算最多勝となる255勝目を挙げた熊沢重文騎手(中央)(左から小坂忠士騎手、小野寺祐太騎手、熊沢重文騎手、平沢健治騎手、石神深一騎手)【拡大】

 すごい、すごすぎる。米デルマー競馬場で行われたブリーダーズカップフィリー&メアターフ(芝2200メートル)で、ラヴズオンリーユー(栗東・矢作芳人厩舎、牝5歳)が日本馬で初となるBC制覇を達成した。さらにBCディスタフ(ダ1800メートル)では同じ矢作厩舎のマルシュロレーヌ(牝5歳)が優勝し、同一厩舎で日本馬がBC2勝する歴史的な快挙を成し遂げた。今や世界の舞台でも引けを取らない日本調教馬。暮れの香港国際競走や来年のドバイはもちろん、凱旋門賞で勝利する日も遠くないだろう。

 すごい人物は国内の障害界にも存在する。10月24日の新潟4R(障害未勝利)をキーパンチで勝ち、JRA障害通算最多の255勝目をマークした熊沢重文騎手(53歳)=栗東・フリー=だ。長年、254勝で歴代1位だった星野忍元騎手の記録を障害1661戦目で塗り替えた。初年度は障害戦に騎乗せず、2年目から足かけ34年6カ月で到達した金字塔だ。

 記録達成後に同騎手は「レースに対して真面目に、正直に馬に向き合うことを心掛けて、それに馬が応えてくれたことと、いろいろな方々のおかげで頭が下がる思いです」とコメント。ひたむきに真摯(しんし)に競馬に取り組む姿勢が見て取れる。

 内藤繁春厩舎所属時代に熊沢騎手の後輩として、一緒に過ごした佐藤淳調教助手(現栗東・荒川義之厩舎所属)は「熊沢さんなら、いつかは(255勝の新記録を)抜いて達成すると思っていました。ホントすごい先輩ですよ。この年になってもジョッキーであり続けることが、彼の生きるモチベーションになっていると思う」と記録達成を祝福する。

 今でも体重が増えすぎることがないので、平地でも騎乗する二刀流を継続。50歳を過ぎても体のケアや日々のトレーニングにも余念がないという。

 「何事にも貪欲な姿勢は今も昔も変わらないし、常に“腹ペコクマちゃん”という感じ。あれだけ気持ちも前向きだから続けられると思うんです。僕は熊沢さんより3つ年下ですが、熊沢さんのようになりたいと憧れますね」と話してくれた。

 現状に満足せず、次の1勝に向けて貪欲に取り込む熊沢騎手。けがさえなければ、還暦を迎えても二刀流で頑張ってくれるに違いない。昭和43年1月生まれでクマちゃんと同い年の記者も、燃え尽きるまで陰ながら応援し続けたい。

片岡良典(かたおか・よしのり) 東京サンスポ記者 

取材・直感

本命時々大穴

単複・馬連

プロフィル

1968年生まれ、京都出身。3年間の牧場勤務を経て、94年3月から関東競馬エイトの想定班でデビューし、2001年5月から東京サンスポに移籍。現在は若手に「働け~」と檄(げき)を飛ばしながら自身も老体にムチ打つ? 目標は水戸万助先輩のように70歳まで現役記者!

予想スタイル

子供の頃から根っからの競馬オタク。これが案外武器になる。コテコテの関西弁で昭和の匂いを漂わせながら「どうなん? ええの? 勝負になるの?」とせっせと独自のスタイルで取材を重ねる浪漫人情派。勝ってほしい馬に◎が本音。馬券は単勝、複勝が基本であとは馬連を少々。

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