【クイーンS】レース展望

2021.7.26 16:56

 今週の函館日曜メインはクイーンS(8月1日、GIII、芝1800メートル)。変則日程のため、当地では2013年以来の開催となる。フレッシュな3歳馬の登録こそなかったものの、GI戦線をにぎわしてきた実力派牝馬が顔をそろえた。

 マジックキャッスル(美浦・国枝栄厩舎、4歳)は昨年の牝馬3冠最終戦・秋華賞で2着に好走。続く愛知杯で待望の重賞初制覇を飾り、今季もサンケイスポーツ杯阪神牝馬S2着→ヴィクトリアマイル3着と安定した足跡を残してきた。21日の1週前追い切りは坂路で軽く仕掛けられて4ハロン51秒3-12秒0の好タイムをマーク。状態は高いレベルで安定している。「余裕のあるいい動きだったと思うよ。前走は勝った馬(グランアレグリア)が強すぎたけど、よく頑張っている。乗りやすい馬だから小回りの1800メートルは大丈夫。むしろ、マイルよりも流れに乗って競馬がしやすいんじゃないかな」と国枝栄調教師。重賞2勝目を飾り、秋こそGIの頂点を狙いたい。

 シゲルピンクダイヤ(栗東・渡辺薫彦厩舎、5歳)は桜花賞など重賞で3度の2着があり、いまだ1勝馬というのが信じられないほど。前走・ヴィクトリアマイルは前々の競馬からしぶとく踏ん張っての5着。マジックキャッスルとはわずかクビ+クビ差だった。21日には栗東CWコースで一杯に追われ、6ハロン84秒9-11秒6と切れ味のある動きを披露。自ら手綱を取った渡辺調教師は「前回は脚をためる競馬ができていました。テンションは落ち着いてきましたし、もうゲートの不安もありません。コースも大丈夫だと思います」と前向き。初の滞在競馬や洋芝がプラスに出れば待望の2勝目が見えてくる。

 シャムロックヒル(栗東・佐々木晶三厩舎、4歳)は前走・マーメイドSで10番人気V。軽ハンデ50キロでのマイペース逃げが味方したのは確かだが、右回りの芝では目下4連勝中と底を見せていない。昨夏に札幌で連勝と洋芝に実績があるのも心強い。22日には栗東CWコースで一杯に追われ、6ハロン79秒9-12秒6と意欲的な内容を消化した。「前走は狙い通りのレース。前走もしっかり仕上げていたし、状態は現状維持という感じ。メンバーにもよるけど、無理に主張しなくてもマイペースで運べれば」と佐々木調教師。一気の斤量5キロ増も克服するようなら今後への展望がさらに広がる。

 テルツェット(美浦・和田正一郎厩舎、4歳)は破竹の4連勝でダービー卿チャレンジTを制覇。しかし、前走・ヴィクトリアマイルは後方から見せ場なく14着に終わってしまった。「前2戦のような落ち着きがありませんでした。気持ちばかりが先走って体が動かなかった感じです」と和田郎調教師は敗因を分析する。小柄な牝馬で気性的にも繊細なところがあるだけに、初めての現地滞在がプラスに出る可能性は高い。実力を発揮できれば、当然ながら有力候補の一角だ。

 ドナアトラエンテ(美浦・国枝栄厩舎、5歳)は福島牝馬Sでハナ差2着とあと一歩のところで重賞初Vを逃した。GI7勝ジェンティルドンナの全妹にあたる超良血は、これまでの11戦全てが芝1800メートルで【4・5・1・1】と安定感抜群。初の北海道シリーズでも大崩れは考えられない。

 前2走は交流重賞でともに4着だったフェアリーポルカ(栗東・西村真幸厩舎、5歳)が久々に芝へ矛先を向けてきた。昨年、中山牝馬S、福島牝馬Sと連勝したように、実績はこのメンバーに入っても上位。パワーがあるだけに開催後半を迎えて荒れてきた函館の芝も合うはずだ。

 サトノセシル(美浦・堀宣行厩舎、5歳)は前走で2勝クラスを勝ち上がったばかりだが、芝1800メートルの勝ちタイム1分47秒0は翌日のオープン・巴賞を1秒も上回る優秀なものだった。父がフランケルで、伯父に英チャンピオンS連覇などGI4勝のトワイスオーヴァーがいる世界的良血馬。格上挑戦でも侮れない存在だ。

 昨年のオークス3着馬ウインマイティー(栗東・五十嵐忠男厩舎、4歳)、一昨年の阪神ジュベナイルフィリーズ3着の実績があるクラヴァシュドール(栗東・中内田充正厩舎、4歳)はともにその後が案外だが、まだ見限れない。

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