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2021.7.21 04:53

【矢作芳人調教師 信は力なり】勝ち馬口取り撮影の復活望む

菊花賞を制して史上3頭目の無敗3冠馬に輝いたコントレイルの口取り。(左から)矢作芳人調教師、生産したノースヒルズの前田幸治代表=京都競馬場(撮影・岩川晋也)

菊花賞を制して史上3頭目の無敗3冠馬に輝いたコントレイルの口取り。(左から)矢作芳人調教師、生産したノースヒルズの前田幸治代表=京都競馬場(撮影・岩川晋也)【拡大】

 さまざまなメディアで報道されている通り、セレクトセールは大盛況だった。アメリカ、イギリス、フランス、アイルランド、オーストラリアなど多数のセールを経験しているが、これだけの売却率と高価格を誇るセリは世界で類を見ない。ある意味レベルの高い日本競馬を支える礎となっているように感じる。

 セレクトセールだけでなく、馬主さんの購買意欲は高い。地方競馬の売り上げが好調で各地馬主会の補助金も充実しているため、今後のセレクションセール、サマーセールもおそらく活況を呈するだろう。

 競馬社会に身を置く自分にとって競馬産業への投資が盛んなことはうれしい限りだし、馬券を買って支えてくださるファンの皆さんを含めて本当に感謝しかない。競馬産業全体の発展と強い馬作りのためにはこれらの投資が必要不可欠であり、われわれは今後も信頼を裏切らない仕事をしなければという思いを改めて強くした。

 馬主さんたちとセリの打ち合わせをするなかで多くの方から聞いたのが、勝ち馬関係者による口取り写真撮影の復活希望であった。「競馬に行く楽しみがなくなった」「馬主としてのモチベーションが下がってしまう」という声が多かった。

 当然であろう、馬主さんは愛馬の出走そして勝利を何よりも楽しみにしている。厩舎関係者だって口取りがないのは寂しいものである。参加人数を制限し、馬を挟んで馬主関係者と厩舎関係者が左右にわかれて撮影するよう徹底すればいい。屋外の広い空間でもあり、時間だって2、3分ほどだ。それほどリスクが高いとはとても思えない。ワクチン接種者も増えてきた。せっかくの投資意欲をこれ以上、そぐことがないようJRAに強くお願いしたい。

 ■矢作 芳人(やはぎ・よしと) 1961(昭和36)年3月20日、東京生まれの60歳。父は大井競馬の矢作和人元調教師。開成高を卒業後、豪州での修業を経て84年に栗東トレセンへ。厩務員、調教助手を経て2005年に厩舎開業。20日現在、JRA通算712勝、重賞50勝(うちGI13勝)。ほかに海外GI3勝、交流GI3勝。