五輪競技種目の馬場馬術(写真提供・日本馬術連盟)【拡大】
1年遅れとなった東京五輪が、23日に始まる。馬術競技は馬場が23~25日、27~28日、総合が29~8月2日、障害が8月3~7日の日程。総合のクロスカントリーは海の森クロスカントリーコース、それ以外はJRA馬事公苑で行われる。日本代表は次の通り9の人馬。
【馬場】
北原 広之(JRA日本中央競馬会) ウラカン
佐渡 一毅(JRA日本中央競馬会) ルードウィッヒ
林 伸伍(アイリッシュアラン乗馬学校) スコラリ4
【障害】
佐藤 英賢(Paul Schockemoehle Pferdehaltung GmbH)サフィアデラックJRA
福島 大輔(STAR HORSES) チャニオンJRA
齋藤 功貴(北総乗馬クラブ) チレンスキーJRA
【総合】
大岩 義明(株式会社nittoh) キャレ
田中 利幸(乗馬クラブクレイン) タルマダルー
戸本 一真(JRA日本中央競馬会) ヴィンシーJRA
五輪競技で動物(馬)と一緒に競技を行うのは馬術と近代五種の2競技。人馬ともにコンディションが良好であることが必要。馬に関しては競技の前日、獣医師が立ち会うホースインスペクション(馬体検査)が行われ、これをクリアしないと競技には出られない規則がある。体調不良はもちろん、小さなけがや歩様の乱れがあってもアウト。選手は日々パートナー(騎乗馬)の体調を把握し、試合中はもちろん、試合前後も細やかな神経を使う必要があるのだ。
代表9選手のうち、JRA職員は北原選手、佐渡選手、戸本選手の3人。過去の五輪でJRA職員が複数人出場したのは1968年メキシコ大会と88年ソウル大会でともに2人。今回の3人はJRAで最多出場だ。過去に柔道ではJRA職員が五輪でメダルを獲得する活躍があったが、本家本元の馬術で五輪出場を決めたのだから、後藤理事長をはじめ、JRA職員は全力で応援してくれるに違いないだろう。
もうひとつ注目したいのが、代表9選手のうち、北原、林、福島、齋藤、大岩、戸本の6選手が明治大学馬術部出身ということ。長田稔監督のもとに“常勝明治”を支えてきたメンバーである。
明治大学馬術部のOBの久保田貴士調教師は「過去の実績などを含めて、現状で一番戦えるメンバーがそろったと思います。明治大学の黄金期を支えた選手が代表の半数を占めたのは本当にすごいと思いますし、長田監督の教えもすごいです。本番が楽しみですね」と話している。乗馬もできない記者がメダルうんぬんと軽々しく口にはできないが、一生に一度あるかないかの自国開催なので、代表選手には悔いが残らないように頑張ってほしい。
馬術競技はグリーンチャンネルで馬場が25~28日、総合が31~8月2日、障害が8月4、7日に無料放送される。競馬も馬術も馬を扱う競技に変わりはないが、競馬とはひと味違った華麗な動きやダイナミックな馬術のパフォーマンスを、ぜひ一度見てもらいたい。
プロフィル
1968年生まれ、京都出身。3年間の牧場勤務を経て、94年3月から関東競馬エイトの想定班でデビューし、2001年5月から東京サンスポに移籍。現在は若手に「働け~」と檄(げき)を飛ばしながら自身も老体にムチ打つ? 目標は水戸万助先輩のように70歳まで現役記者!
予想スタイル
子供の頃から根っからの競馬オタク。これが案外武器になる。コテコテの関西弁で昭和の匂いを漂わせながら「どうなん? ええの? 勝負になるの?」とせっせと独自のスタイルで取材を重ねる浪漫人情派。勝ってほしい馬に◎が本音。馬券は単勝、複勝が基本であとは馬連を少々。