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2021.6.11 17:17

【ヒロシのDeepな話】札幌芝コースの定説にだまされるな!(1)「札幌は小回り」のウソ

この夏は間に函館開催をはさむ変則開催となる札幌競馬場。ローカルといえば小回りのイメージが強いところだが…?

この夏は間に函館開催をはさむ変則開催となる札幌競馬場。ローカルといえば小回りのイメージが強いところだが…?【拡大】

 今週からいよいよ札幌開催が始まるが、札幌競馬場芝コースにまつわる「定説」はウソだらけということをご存じだろうか。この定説を信じて馬券を買い続けては絶対儲からない。1回目の今回は“札幌は小回り”のウソから暴いてみたい。

 札幌は、函館、福島、小倉と並び称され、よく“小回りのローカルコース”と言われるが、ここには大きなウソがある。ローカルコースであることは確かだが、実は決して小回りではない。

 曲線やカーブの大きさを表記する呼称に「R値(アール値)」というものがあるが、これを競馬場にあてはめてみよう。コーナーの始まる地点から終わり地点までを直線で結んだ長さを「W」、そしてコーナーの曲線部分の中心と、「W」の直線の中心を垂直に結んだ長さを「H」とする。R値はこの「W」と「H」の長さからはじき出すことができる。

 計算式は割愛するが、JRA全競馬場のR値を比較すると、一番大きいのは東京競馬場の1~2コーナー、3~4コーナーの187。つまり、一番コーナー角度が緩いのは東京コースとなるわけだが、実はこれに次いでコーナー角度が緩いのが札幌コースである。札幌のR値は1~2コーナー、3~4コーナーとも167。平均154の中山コースを上回り、一番R値が小さい新潟コースの124と比較すれば、いかにコーナー角度が緩いかは明確。東京はよく“広いコース”と言われるが、札幌もコーナーの角度だけを見れば“けっこう広いコース”だといえるのだ。

 このように、コーナー角度が緩く、けっこう広い札幌コース。向こう正面はローカルコースにしては珍しく緩やかな上り勾配がずっと続くぶん馬群が縦長になりにくく、そのあとは後方の馬も追い上げやすく、勢いもつけやすい緩やかな3、4コーナーに差し掛かる。最後の直線は266メートルと短い割に、差しがききやすいのもこのコースの特徴だ。むしろ後半3ハロンのスピードが勝負の分かれ目になりやすく、イメージほど先行前残りはたやすくない舞台。馬場のいい開幕週でもそのポイントは同じだろう。

 では、去年はどうだったのか。

 7月25日に開幕した2020年は好天に恵まれ、良馬場でスタートした。土日の芝レースは14鞍組まれていたが、逃げて馬券に絡んだのは7頭。この数字をどうとらえるかは微妙だが、10頭以下の少頭数のレースが7鞍もあったことを思えば、決して多くはない。一方、後半3ハロンのスピードという点にフォーカスすると、馬券に絡んだ42頭中29頭が上がり3ハロンのタイムがメンバー3位以内。また開幕週とはいえ、内枠有利のバイアスは全くなく、むしろ枠順は4枠より外の馬がよく馬券に絡んでいた。

 今年の芝は、去年の開催で傷みが生じたコース内側を中心に、約7600平方メートルという広大な範囲で張り替えられた。JRAのホームページにある馬場情報の画像を見ても、「緑のじゅうたん」という表現がふさわしい絶好の馬場状況だといえそうだ。走破タイム自体も速くなるのだろうが、より速い上がりタイムも出やすい状況なのではないだろうか。今年の開幕週も芝は土日計14鞍組まれているが、“けっこう広いコース”を味方に直線スピードに長けた馬が活躍するはずだ。枠順で嫌われて人気が下がるなら、内枠よりむしろ外枠の方が馬券的にはオイシイかもしれない。その辺をイメージしながら狙う馬もチョイスしたい。

 札幌11R・ 大倉山特別の◎は(4)オーロラフラッシュ。東京では上がり3ハロン33秒6を記録したこともある馬。“けっこう広い札幌”で速いタイムも出やすい状況なら、ストロングポイントになる。今回のメンバーで、この馬より速い上がりタイムを出す能力がある馬は他にいないはず。3歳時は期待の割に停滞していたが、短距離に専念することでレース内容にもめりはりが出てきた感じがある。気持ちが敏感で、イレギュラーな状況に大きく左右される馬が多いフランケル産駒。滞在競馬で当日輸送がなく、調教で走ったコースと同じコースでレースができるという状況も、他の馬以上にプラスに働くだろう。掛かり気味に先行した前走1400メートルからの距離短縮。今までの1200メートルの時以上にポジションが取れるうえに、脚もしっかりたまるという願ってもないレース運びができそうな気もしてくる。オッズ的には3着でも十分採算は取れるレベルか。芝戻りのロフティーピーク、前走は不利な枠順で力を出せなかったテーオーマルクス。前で残るならエムオーシャトル。推奨馬券はこの3頭を絡めたワイド、3連複。

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松本ヒロシ(まつもと・ひろし) 関東エイト想定班 

舞台適性・近走

穴指向

馬単・3連単

プロフィル

1963年生まれ、京都府出身。小学校6年生のときに見たカブラヤオーの走りに魅了され競馬好きに。現在はフジテレビ系『みんなのKEIBA』、フジテレビONE『競馬予想TV!』に出演中。

予想スタイル

各馬の舞台適性、過去の相手関係を精査し、そのレースでの独自のランキングを算出。そこから「隠れ格上馬」を発掘することがヒロシ流穴予想のメソッド。