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2021.5.12 09:08

【ヴィクトリアM展望】グランアレグリアには逆らえない!問題の相手探しは?

マルターズディオサの近2走(競馬予想ツール「Deep」より)

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 9日のNHKマイルCは2番人気のシュネルマイスターが勝利。GIで重賞初Vを決めました。

 接戦となった上位2頭は、もちろん確かな能力があったからこその結果ですが、3着以下の競走馬たちと着差ほど決定的な力差があったわけではないと思います。というのもペースがあまりにも極端だったからです。最初の3ハロン33秒7という数字だけを見ると、スピード馬ならギリギリ耐えうる範囲のハイペースに思えますが、その内訳が「12秒2→10秒2→11秒3」。この2ハロン目の10秒2は馬場を考えても速すぎます。

 ゲートからの加速に時間を要すので、短距離戦やマイル戦では2ハロン目が最も速くなるのがほとんどです。しかし、10秒2ともなると当レースでは史上最速。調べた限りでは、古馬のマイルGI安田記念でさえ、2ハロン目で10秒2が刻まれたことはありません。同じくマイルCSでは、1998年にキョウエイマーチとマウントアラタの猛烈な先行争いによって刻まれた10秒2が最速。世代限定や牝馬限定のGIまでは調べませんでしたが、少なくとも今回刻まれた序盤のラップは、マイルGIとしては史上最速クラスであることは間違いありません。もちろん、これは逃げたピクシーナイトのラップですが、それほど離した逃げではなかったので好位勢にとっても非常に厳しい流れだったはず。

 つまり今回は、先行した大敗組にこそ次走以降の妙味が生まれました。まずは、あのペースに付き合いながら残り200mまで踏ん張っていたホウオウアマゾン。明らかに余裕のある馬体で前哨戦を快勝した力はやはり本物でした。さらに、そんなペースでも掛かるようなところがあったランドオブリバティ。マイル路線なら、いずれGIにも手が届く馬でしょう。そして、そのペースを作り出したピクシーナイトに関しては、既に古馬のスプリントGIでも通用するほどのスピード能力があります。この3頭は今後、特に注意すべきでしょう。

 16日には東京競馬場でGIヴィクトリアマイルが行われます。

 おそらく単勝1倍台ですが、この舞台でグランアレグリアには逆らえグランアレグリアには逆らえません。これほどの馬がこのローテーションで参戦してくるのですから、体調も問題ないということでしょう。

 問題の相手探しですが、3頭を有力視しています。まずはレシステンシア。2着になったNHKマイルCから、約1年で馬体を30キロ近く増やしているように成長が顕著です。ペース次第では押し切りまであるかも知れません。次にマジックキャッスル。中距離以上でも結果を出していますが、本来はマイル前後がベストでしょう。前走の阪神牝馬Sは2着ですが、位置取りの差と輸送減りを考慮すれば、ほぼ勝ちに等しい内容。アタマまでは微妙ですが、良馬場の府中マイルなら確実に差し込んでくると思います。

 そして、想定オッズも含めて最もおもしろそうなのがマルターズディオサです。

 一気に距離を短縮した2走前の阪神カップで好タイムの2着。ダノンファンタジーには負けましたが、コース取りと距離適性の差だと思います。そして前走の高松宮記念は、得意とは思えない重馬場だったうえに落鉄もあったようですが、0秒4差の8着。登録馬の多くが牝馬限定戦をステップとしているなかで、この戦歴は十分に誇れます。さすがに短距離は忙しく映りましたし、今回マイルに替わるのもプラス材料でしょう。

 血統的な魅力もあります。父キズナは現在、種牡馬リーディングで3位。産駒1頭あたりの賞金額では同2位のロードカナロアを上回っています。ディープインパクトの後継種牡馬がなかなか現れないというお話は以前からありましたが、キズナがようやくその地位を固めつつあります。まだGI勝利こそないものの、2週前の天皇賞2着馬ディープボンド、先週のNHKマイルC2着馬ソングラインもキズナ産駒。そして、キズナ産駒としてGIに初めて挑戦したのがマルターズディオサ(阪神JF・2着)です。ここは初Vを目指して頑張ってほしいところ。応援も込みで注目しています。(サンケイスポーツ・岡本)