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2020.10.15 05:00

【秋華賞】デアリングタクト“無敗牝馬3冠”確信追い

主戦の松山騎手を背に栗東坂路を軽快に駆け上がるデアリングタクト。歴史的快挙に向けて態勢は万全だ

主戦の松山騎手を背に栗東坂路を軽快に駆け上がるデアリングタクト。歴史的快挙に向けて態勢は万全だ【拡大】

 歴史的快挙へ向けて仕上がりは万全だ。牝馬3冠最終戦・秋華賞の最終追い切りが14日に行われ、注目のデアリングタクト(栗東・杉山晴紀厩舎、牝3歳)は滋賀県・栗東トレセンの坂路で4ハロン54秒7をマークした。主戦の松山弘平騎手(30)=栗東・フリー=を背に余力十分な動きを披露。オークス以来5カ月ぶりの実戦ながら不安は見当たらず、史上初の無敗による牝馬3冠制覇へ態勢をきっちり整えた。

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 史上初、無敗での牝馬3冠達成に向けて、気負いも力みもない。気温13度とひんやりした早朝の栗東トレセンの坂路を、デアリングタクトが淡々と駆け上がった。オークスからぶっつけとなる不安を一切感じさせない、3歳女王の気品漂うフットワーク。手綱を取った主戦の松山騎手は、穏やかな表情で口を開いた。

 「リラックスした状態で、非常にいい追い切りができました。ここまで順調にいい調整ができていて、いよいよだなと思います」

 僚馬を前に見ながら単走でスタートし、リズムを乱すことなく、鞍上と息を合わせて進む。直線に向いてもブレのないフォームで四肢の回転を速め、滑らかに加速。右肩上がりのラップを刻み、4ハロン54秒7-12秒7を余力十分にマークした。

 時計自体は目立たないが、1週前までに仕上げてレース当週は坂路でソフトな調整を行うのが常勝パターンだ。約5カ月ぶりの実戦へ向けてこの中間は、9月24日の3週前追い切りから主戦を背に入念に乗り込まれた。7日の栗東CWコースでの1週前追いでは6ハロン80秒5と自己ベストを更新。杉山晴紀調教師が「思い描いていた通りの調整過程」と言い切る納得の仕上げ。調教評価は最上級の『S』だ。

 トモ(後肢)の筋肉量が増えたこともあり、先週時点の馬体重は前走から16キロ増の482キロ。太め感はなく、ひと夏を越してたくましく成長したパートナーの姿に、4週連続で手綱を取った松山騎手は目を細める。

 「馬体重が増えてパワーアップしたのを感じます。精神面でも少し力みが抜けて、いい方に向いている。返し馬でイレ込む面があるので、少しでもなくなってくれればいいと思います」

 重馬場で大外一気を決めた桜花賞。距離、舞台など初物づくしを難なくクリアしたオークス。一戦ごとに桁違いのパフォーマンスを披露してきた2冠女王に対する陣営の自信は揺るがない。

 杉山晴調教師が「力を出せれば、結果はついてくると思う」とうなずけば、松山騎手は「(初の京都芝2000メートルも)問題ないと思います。何とか結果を出したいと思います」と力を込めた。2020年10月18日、競馬史に新たな伝説が刻まれる。(川端亮平)

★エイト籔本TMは見た!!…レース当週の坂路での馬なり調教は、桜花賞、オークス優勝時と同じで時計も似ている。前進気勢を出しつつ折り合いもついて、最後の1冠へ態勢は整ったと感じた。今春は坂路中心の調教で、CWコースでの長めの追い切りは1週前だけだった。オークス以来の休み明けとなる今回は9月2日に帰厩後、最初の坂路調教(同13日、4ハロン59秒0)では正直「体が大きくなりすぎている」と感じた。ところがその後は、9月24日(6ハロン85秒2)、同30日(同81秒7)と続けてCWコースで長めの調教を消化。7日には、うっすらとあばら骨が浮くぐらいに馬体がすっきりした印象で、ゴール前で軽く仕掛けられると鋭く伸びて自己ベストの80秒5をマークした。この時点で、ほぼ仕上がったとみていい。体は柔らかく、回転の速いピッチ走法寄りの走りから、コーナー半径の小さい京都・内回り2000メートルにも十分に対応できるはずだ。(競馬エイトトラックマン・籔本俊介)

★秋華賞の特別登録馬(想定騎手入り)はこちら 調教タイムも掲載