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2020.10.12 05:00

【秋華賞】杉山晴師独占手記!無敗牝馬3冠へ「強いデアリングタクトみせる」

秋華賞で史上初の無敗牝馬3冠制覇を狙うデアリングタクト。栗東トレセンの自厩舎でたたずむ姿には風格が漂っている(撮影・岩川晋也)

秋華賞で史上初の無敗牝馬3冠制覇を狙うデアリングタクト。栗東トレセンの自厩舎でたたずむ姿には風格が漂っている(撮影・岩川晋也)【拡大】

 中央競馬では今週から3週連続GIで、歴史的偉業を懸けた戦いが繰り広げられる。第1弾は18日の秋華賞(京都、芝・内回り2000メートル)。史上初の無敗での牝馬3冠制覇を目指すデアリングタクトの杉山晴紀調教師(38)=栗東=が、本紙に独占手記を寄せた。オークスから直行というローテーションの中をチーム一丸で仕上げ、期待と重圧を背負いながら大舞台に送り出す今の心境を明かした。(取材・構成=宇恵英志)

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 いよいよ、秋華賞が迫ってきました。無敗のままで牝馬3冠を達成できたら史上初。私自身は今まで通り、何も変わってはいないのですが、期待に応えなければいけないというプレッシャーはありますし、結果を求められる立場も理解しています。本日はこの場をお借りして、デアリングタクトについて述べさせていただこうと思います。

 まず、ファンのみなさんが気にされているのはひと夏を越しての成長度でしょう。春と比べると、全体的にひと回り大きくなりました。体重は480キロほど(注1)で、食べたものが実になっている感じ。『馬肥ゆる秋』という格言の通りですね。精神的にも大人になり、春のようなカッカした面が普段はなくなっています。1週前調教(7日・栗東CWコース6ハロン80秒5-12秒1)の動きも良く、折り合いがついてスムーズに走れていました。1週前の段階でかけられる負荷はかけましたし、今の感じでいいと思っています。

 2冠を振り返ると、桜花賞はタフな重馬場でしたが、確かな末脚で制してくれました。オークスは左回り、長距離輸送など初物づくしで“やってみないと分からない”のが本音でしたが、激しく厳しいレースを勝ち切ってくれましたね。正直、道中の位置取り(4コーナー13番手)から見て『きょうはダメかな』と思いましたが、松山騎手が脚をためるレースで十分に良さを引き出してくれました。(半馬身の)着差以上の強さ、想像以上の勝ち方でした。

 最初に見たのは1歳の秋。父のエピファネイア(菊花賞&ジャパンC勝ち)も魅力でしたし、性格も素直。歩かせると軽い芝向きに感じたので『将来、面白い存在になるかも』と思いました。この馬の良さは脚力はもちろん、牝馬にしてはカイバ食い(食欲)が落ちないところ。レースでの強い負荷を成長の糧にして、使うたびに強くなる。持って生まれた体力が違いますね。ノルマンディーファーム(北海道新ひだか町)での厳しい昼夜放牧で鍛えられた体力が、今に生きているのだと考えています。

 秋華賞の舞台はコーナー4つの京都の内回り芝2000メートル。初めてだけに対応できるかがポイントですが、松山騎手が内回りに合う乗り方をしてくれると思いますし、任せるだけです。他の馬も成長しているでしょうし、どの馬がライバルだとかは考えず、とにかくこの馬の良さを引き出せればと思います。春は、レースを走りながらすごみを増しました。これだけの馬ですし、『まずは無事にレースまで』という気持ち。強いデアリングタクトをお見せできるようにチーム一丸で調整していますので、応援のほどよろしくお願いいたします。(JRA調教師)

 ◆注1 桜花賞、オークスは、ともに466キロで優勝。

杉山 晴紀(すぎやま・はるき)

 1981(昭和56)年12月24日生まれ、38歳。神奈川県出身。2004年7月から栗東・武宏平厩舎で厩務員、調教助手となり、高橋康之厩舎所属の16年に調教師免許取得、同年10月に厩舎開業。18年の目黒記念(ウインテンダネス)で重賞初制覇。同年のJBCクラシック(ケイティブレイブ)でGI初制覇。JRA通算104勝。重賞はデアリングタクトの2冠(桜花賞、オークス)などGI3勝を含む6勝(11日現在)。

★秋華賞の特別登録馬(想定騎手入り)はこちら 調教タイムも掲載

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