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2020.9.30 04:54

【矢作芳人調教師 信は力なり】コントレイル心肺機能の高さを再認識

神戸新聞杯を制し無敗3冠へ好スタートを決めたコントレイル

神戸新聞杯を制し無敗3冠へ好スタートを決めたコントレイル【拡大】

 コントレイルが秋緒戦の神戸新聞杯を快勝してくれた。単勝1・1倍という断然の1番人気であることはもちろん、ここまで無敗で来ている事実からプレッシャーは重かったので、正直今はホッとしている。レースのパトロールビデオを見終わり、ゴールから約15分後に状態確認をしたが、その時にはすでに息が入ってけろりとしていた。中団でもまれたわりには外傷のひとつも無く、改めて心肺機能の高さと走りの綺麗さを再認識することができた。

 馬体重について聞かれるが、春よりカイバ食いは安定しているし、今回もレース前日の朝は468キロあった。当日は460キロでダービーと同じ体重だから、おそらく彼が自分自身で調整してしまうのだと思う。父ディープインパクトは新馬戦が最高馬体重で、引退戦の有馬記念はそれより14キロも軽かったのは有名な話だし、シンボリルドルフも最後まで大きな体重の変化はなかった。コントレイルも現在くらいの体重が彼にとってバランスが良いのだと考えているし、あまり気にしていない。とにかく無事にいって欲しいとだけ今は思っている。

 菊花賞は距離が延びるし、ライバル達も調子を上げて来るだろう。しかし、周りを気にしても仕方がない。コントレイルがコントレイルらしいパフォーマンスを発揮できるようにしっかり仕事をして、思い出深い京都競馬場のラストを飾りたいものである。

 今回の神戸新聞杯には厩舎として別の特別な思いもあった。来週の京都大賞典で連覇を狙っていた僚馬ドレッドノータスを失ってしまったからだ。腸捻転を発症し緊急手術、手術自体は成功し競走馬診療所も懸命の治療をしてくれたが、胃腸の動きが戻らず手の施しようがなかった。デビュー当初はヤンチャだったが、セン馬となってからは大人しくて人懐っこく、厩舎全員から愛された馬だった。冥福を祈りたい。

■矢作芳人(やはぎ・よしと) 1961(昭和36)年3月20日、東京生まれの59歳。父は大井競馬の矢作和人元調教師。開成高を卒業後、豪州での修業を経て84年に栗東トレセンへ。厩務員、調教助手を経て2005年に調教師として厩舎開業。29日現在、JRA通算671勝でJRA重賞44勝(うちJRA・GI12勝)。ほかに海外でGI2勝、交流GI2勝。