純白の馬体を弾ませて、ソダシが白毛馬初の芝重賞制覇を成し遂げた【拡大】
北の大地から白毛伝説の幕開けだ。札幌2歳Sが5日、札幌競馬場で14頭によって争われ、吉田隼騎乗で2番人気のソダシが好位追走から直線で力強く抜け出して快勝。白毛馬としては史上初となるJRA芝重賞制覇を成し遂げた。勝ちタイムの1分48秒2は2歳コースレコード。2着は5番人気ユーバーレーベン。1番人気バスラットレオンは3着だった。
◇
汚れなきニューヒロインの誕生だ。澄みわたる青空のもとで行われた札幌2歳S。直線入り口でで先頭に立った白毛馬ソダシが1分48秒2のレコードタイムで押し切り、新馬戦から無傷の2連勝で白毛馬初の芝重賞制覇を達成した。
「(勝てて)ほっとしています。4コーナーで2着馬(ユーバーレーベン)に来られて早めに動く形になったけど、よくしのいでくれた」
涼しい顔でカメラの放列を浴びる“白い恋人”に目をやりながら、吉田隼騎手がその走りをたたえた。
函館記念(15番人気アドマイヤジャスタ)、クイーンS(11番人気レッドアネモス)と伏兵であっと言わせた今夏の北海道開催。最終ミッションはソダシとのタイトル獲得とばかり、普段の調教からコミュニケーションを深めてきた。最高の結果に、「2戦目で思ったよりハミ掛かりが良かったし、口向きもこれから課題になりそうだけど、連勝する力がある馬。順調にいってほしい」と爽やかにほほ笑んだ。
「強かった。やばい。これ人気出ちゃうわ」。絶好の仕上げで快挙につなげた須貝調教師も満面の笑み。「今後のことはオーナー(金子真人HD)と相談してじっくり考えたい。もう賞金の心配はないし、ダート血統で選択肢はいろいろあるからね。アイドルホースになりつつあるんで、大事にいきましょう」と先々に思いをはせた。紅葉を迎える北の地を白く染めた才色兼備のシンデレラ。その可能性は無限大だ。(内海裕介)
■ソダシ 父クロフネ、母ブチコ、母の父キングカメハメハ。白毛の牝2歳。栗東・須貝尚介厩舎所属。北海道安平町・ノーザンファームの生産馬。馬主は金子真人ホールディングス(株)。戦績2戦2勝。獲得賞金3849万7000円。重賞は初勝利。札幌2歳Sは須貝尚介調教師が2013年レッドリヴェール、15年アドマイヤエイカンに次いで3勝目。吉田隼人騎手は初勝利。馬名は「純粋、輝き(サンスクリット語)」。