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2020.8.31 16:07

【リレーコラム】東京サンスポ~ジョッキーに世代交代の波by柴田

横山武史騎手

横山武史騎手【拡大】

 夏競馬も最後になり、新潟、小倉、札幌で熱いレースが繰り広げられている。そんな中で目につくのが、若手騎手の台頭だ。8月30日終了時点で、全国リーディング争いはクリストフ・ルメール騎手(128勝)と川田将雅騎手(116勝)が抜け出しているが、それ以外は拮抗した状況になっている。

 もっとも躍進が目立つのは関東の4年目、横山武史騎手。まだ21歳。デビュー年の13勝から、35勝、54勝と着実にステップアップしてきたが、今年はすでに62勝を挙げて関東リーディングのトップに立っている。ご存じ横山典弘騎手の三男で、父が2014年のダービーをワンアンドオンリーで制したとき、まだ競馬学校生だった武史くんが、目をキラキラさせて父が引きあげてくる姿を見ていたのを思い出す。その彼があっという間に関東の一流ジョッキーの仲間入りを果たそうとしている。以前、長兄の和生騎手が「横山典弘の子供として生まれてよかったのは、父と競馬のことに関して話ができること」と話していた。父や長兄の和生騎手と騎乗論を戦わせることができる環境と、早い時期にフォームの改良に取り組むなど、向上心あふれる姿勢が若手が伸びにくいといわれる関東で、ここまで好結果を出す要因になっているのだろう。

 関西は2年目の20歳、岩田望来騎手が50勝を挙げて大躍進。こちらも父が岩田康誠騎手という競馬一家だが、彼の場合は師匠が藤原英昭調教師というのも大きいのだろう。学生時代に乗馬の世界で活躍した藤原英調教師はジョッキーに対する要求も厳しく、栗東の角馬場などでマンツーマンで岩田望騎手を指導している姿が目撃されている。福永祐一騎手がある雑誌のインタビューで「今後の関西を背負っていく騎手」と、岩田望騎手について語っていたが、父譲りの才能に加え、藤原英師の英才教育で今後の関西ジョッキーの中心的存在になっていく気がする。

 他にも団野大成騎手や斎藤新騎手、西村淳也騎手、武藤雅騎手と、20歳前後のジョッキーが活躍している中で、自分が若い頃にバリバリの一線級で騎乗していた柴田善臣騎手、横山典弘騎手、武豊騎手、田中勝春騎手、江田照男騎手らも元気。とはいえ、若手の台頭に勝ち星はどうしても減っていくのが勝負の世界の常だろう。世代交代の波は確実に押し寄せてきている。その波の中心にいるのは、ベテラン騎手や調教師の二世が多いという点も興味深いものだ。

 そして藤田菜七子騎手。最近は勝てなくても人気薄の馬を上位に持ってくる場面が目につくようになってきた。一般レースで2キロの減量の特典があるとはいえ、地道に成績をアップさせてきた彼女の成長も見逃せない。これから10年後、20年後のジョッキーの勢力図がどうなっているのか。20代騎手の成長を見守るのも競馬ファンの楽しみのひとつだ。

柴田章利(しばた・あきとし) 東京サンスポ本紙予想担当 

実績・取材

本命~中穴

馬連

プロフィル

1972年生まれ、静岡県出身。週刊ギャロップ編集部を皮切りにサンスポとギャロップを行ったり来たり。本紙予想になったのをきっかけに頭髪が真っ白になったが、染めて若作りしていたのをやめただけ。

予想スタイル

本紙予想になったことで、できるだけ冷静に各馬の能力を判断するようになった。不利や展開なども加味して総合的に予想するスタイル。