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2020.8.17 14:11

【リレーコラム】東京サンスポ~高橋義博調教師の勇退で思うことby片岡

20日付で調教師を勇退する高橋義博調教師

20日付で調教師を勇退する高橋義博調教師【拡大】

 美浦所属の高橋義博調教師(69)が、20日付で調教師を勇退する。16日の新潟5Rのキボウノヒビキが最後の出走で18着に終わったが、検量室前で嘉藤貴行騎手らとがっちり握手をかわすなど、寂しさよりも晴れ晴れとした表情が印象的だった。

 「よくここまでやってこられた。調教師になってからは短かったなとも思います。私はやりたいことをやれて満足でしたが、そのぶん家族に対しては不十分なことばかりでした。今後は少し家族に寄り添いたいです」と目を細めていた。

 中央競馬の世界に入る前は、世界各国を歴訪するなどバイタリティーあふれる活動家で、強い信念で自分のスタイルを貫く人物でもある。1979年11月に美浦・大久保勝之厩舎に入門してから40年以上も競馬の世界に身を置き、調教助手時代には大久保勝厩舎でブルーフラール(85年中山大障害・春)、笹倉武久厩舎では稀代の逃げ馬ツインターボ(91年ラジオたんぱ賞、93年七夕賞、同産経賞オールカマー)などに携わった。

 「大久保厩舎時代は佐藤全弘さん(元調教師)と高橋司さん(元騎手)には本当にお世話になった。特に司さんには馬乗りをはじめ、ジョッキーの心理などたくさんのことを教えてもらいました。感謝してもしきれないですね。ツインターボも個性的だったのでいろいろな思い出があります」と過去を懐かしむ。

 98年3月に調教師免許を取得し、翌99年3月に厩舎を開業。JRA通算3951戦132勝。重賞は2010年J・GI中山大障害(バシケーン)、12年GII弥生賞(コスモオオゾラ)の2勝。特にバシケーンでJ・GIを勝ったときは「勝ったら髪を切る」という公言通り、断髪式も行って話題になった。

 美浦トレセンではドカッと腰を下ろすことなく、調教時間中はスタンドとマロウ場(スタンド前の馬だまり)を行ったり来たり。トレードマークのポニーテール(記者はちょんまげと言っているが…)を揺らして精力的に動いている姿は69歳には見えない。「以前、乗り手が足りなくて久しぶりに自分で調教に乗ろうと思っていたら、ノリちゃん(横山典弘騎手)に“先生、乗るの?”って聞かれたの。それで“乗るよ”と言ったら、“俺が乗るから大丈夫だよ”と言ってサッとまたがってくれた。彼らしい気遣いがありがたかった」

 勇退後は趣味のムエタイや、新たに陸上競技にも挑戦する夢があるという。「調教助手時代は親分からの指示に従って行動すればよかったが、調教師の立場になるとスタッフに指示をして、その全ての責任を自分が負わなければならない。40年以上もこの仕事に関わってきて改めて気づかされることも多かった。今後は陸上競技のトラックやリングの上で見かけたら、声をかけてもらえればうれしいです」と新たな挑戦に目を輝かせる高橋博師。競馬の世界にはひと区切りつけるが、考えにブレがない“ゴーイングマイウェイ”の人生をまだまだ続けていくようなので、お疲れさまは言いません。これからも頑張ってくださいね、チョンマゲ先生!

片岡良典(かたおか・よしのり) 東京サンスポ記者 

取材・直感

本命時々大穴

単複・馬連

プロフィル

1968年生まれ、京都出身。3年間の牧場勤務を経て、94年3月から関東競馬エイトの想定班でデビューし、2001年5月から東京サンスポに移籍。現在は若手に「働け~」と檄(げき)を飛ばしながら自身も老体にムチ打つ? 目標は水戸万助先輩のように70歳まで現役記者!

予想スタイル

子供の頃から根っからの競馬オタク。これが案外武器になる。コテコテの関西弁で昭和の匂いを漂わせながら「どうなん? ええの? 勝負になるの?」とせっせと独自のスタイルで取材を重ねる浪漫人情派。勝ってほしい馬に◎が本音。馬券は単勝、複勝が基本であとは馬連を少々。

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