【馬人クローズアップ】川須栄彦騎手

2020.8.14 04:58

 今週の「馬人」は、「サマーマイルシリーズ」第3戦・関屋記念でエントシャイデンに騎乗する川須栄彦騎手(28)=栗・フリー=を取り上げる。前回の重賞制覇が、5年前の同レース。感謝の気持ちとともに、思い出の舞台で久々の重賞Vを狙う。

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 栄光の記憶から、はや5年。思い出の舞台を前に、川須騎手が闘志を燃やしている。2015年にレッドアリオンで関屋記念を逃げ切って以来、遠ざかっている重賞V。エントシャイデンはそれを意識できる存在だ。

 「2走前からチャンスをいただいて、いい競馬をしてくれているし、重賞でも十分やれると思います。新潟でこの馬に乗ったことのある騎手から『左回りの方がいい』と聞いているので、コースは合っていると思う」と期待を寄せる。

 初コンビで2走前の安土城Sを差し切ると、前走の中京記念でも力強く追い込んで0秒1差の3着。うまく切れ味を引き出し、馬自身は重賞のタイトルへあと一歩のところまできている。12日は最終追い切りに騎乗。「しっかり動けていましたし、いい意味で変わらず順調に来ています」と好感触をつかんでいる。

 中学までは野球に取り組み、乗馬未経験で競馬学校を受験。運動神経の良さでめきめきと上達し、デビュー2年目には91勝で全国リーディング6位に躍進した。近4年は14、18、14、19勝と不本意な成績だが、「いかに自分のベストを出せるかを常に考えています」とレースの研究に加え、週に1回はトレーナーにフィジカルをチェックしてもらうなど競馬と真摯に向き合い続けた。

 努力が実り、今年は先週までで18勝。「昔と比べて、レースの流れをイメージできるようになりました」と経験を生かせている実感を口にしながらも、「今年はコンスタントには勝たせてもらっていますが、納得できる数字ではありません」と目指すところは高い。

 力になっているのは家族の存在だ。今年1月に第1子の長男が誕生。「表情を見ているだけでも、日々の成長を感じられますね。新鮮です」と目を細める。

 「チャンスのある馬で挑戦できて、うれしいですね。(期待に)結果で応えられたら」

 JRA初勝利、100勝、200勝は全て新潟競馬場で挙げた。縁の深い舞台、そして思い出の重賞で、会心のガッツポーズを見せたい。(渡部陽之助)

★関屋記念の出馬表はこちら 調教タイムも掲載

■川須栄彦(かわす・はるひこ) 1991(平成3)年11月9日生まれ、28歳。福岡県出身。2010年に栗東・本田厩舎所属でデビュー。同年5月23日の新潟1R(メイショウクレモナ)でJRA初勝利。同年12月9日からフリーに。13日現在、JRA通算5651戦369勝(うち重賞は6勝)。

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