ミカエル・ミシェル騎手【拡大】
JRAは5日、外国人騎手が短期免許を取得する際に必要な騎乗実績について女性限定の成績要件を新設した。従来は男性騎手と同等の実績が求められたため、女性騎手が短期免許を取得することが困難だったが、大きくハードルが下がり、“美人すぎるジョッキー”のミカエル・ミシェル(25)=フランス=も今年中なら短期免許の取得が可能となる。
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世界各国の華やかな一流女性ジョッキーが、中央競馬の舞台で活躍する機会が増えそうだ。
短期免許の取得には細かな制約がつくものの、その条件は大幅に緩和され、競馬主要国において過去2シーズンのうちいずれかで女性騎手リーディング1位か、当該年または過去2年でパートIのGI競走で優勝していれば申請できる(詳細は別稿)。男女含めて同時期に5人までという枠組みは変更されない。
今春は南関東で騎乗し、将来的にJRAの通年免許取得を目指すミシェル騎手は、2018年の仏女性リーディング1位(72勝、全体13位)だったため、今年中であれば短期免許を申請できる。他にはJRA通算11勝のリサ・オールプレス騎手(45)=ニュージーランド=や、昨年の米GIコティリオンSを勝ったソフィー・ドイル騎手(34)=英国、北米拠点=ら、世界で9人が対象となっている。
今回の措置は優秀な外国人女性騎手が騎乗することでJRA女性騎手の技術向上につなげ、将来的に女性騎手を目指す裾野を広げる狙いもある。現在は新型コロナ禍で就労ビザの取得が困難だが、今後の状況次第では来日の可能性も残されており、藤田菜七子騎手(22)=美・根本=と世界の女性トップジョッキーがJRAの舞台でしのぎを削る日も遠くないかもしれない。
【新設された女性騎手の成績条件】
短期免許制度において新設された女性騎手限定の成績要件は以下の通り。
(1)米国、カナダの女性騎手は過去2シーズンのうちのいずれかで女性騎手の北米賞金リーディング1位。ただし、当該シーズンの成績が10勝以上かつ、賞金リーディング50位以内の場合に限る。
(2)英国、フランス(仏国)、アイルランド(愛国)、香港、ドイツ(独国)、ニュージーランド(新国)の女性騎手は過去2シーズンのうちいずれかで女性騎手のリーディング1位。ただし、当該シーズンの成績が10勝以上かつ英国、仏国ではリーディング50位以内、愛国では同30位以内、香港、独国、新国では同10位以内の場合に限る。
(3)オーストラリアの女性騎手はニューサウスウェールズ州またはヴィクトリア州のメトロポリタン競馬において過去2シーズンのうちのいずれかで女性騎手リーディング1位。ただし、当該シーズンの当該メトロポリタン競馬における成績が10勝以上かつ、リーディング30位以内の場合に限る。
(4)当該年または過去2年でインターナショナル・カタロギング・スタンダーズのパートIに定めるGI競走に優勝した女性騎手。