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2020.2.13 16:15

相沢師コラム・トレセン365日WEB版(94)~府中替わりと道悪で前進を・ビターエンダー

東京コースで強い内容の勝利を挙げたビターエンダー。クラシック出走に向けて16日の共同通信杯に出走する

東京コースで強い内容の勝利を挙げたビターエンダー。クラシック出走に向けて16日の共同通信杯に出走する【拡大】

 11日にプロ野球の名選手、名将として活躍した野村克也さんが急逝したことは日本中に衝撃を与えましたが、先日は競馬界にも悲報が伝わりました。騎手時代に日本ダービー2勝を挙げ、“剛腕”の異名を取った郷原洋行さんが先月31日に亡くなっていたことがわかったのです。

 今でこそ通算1000勝を超える騎手は珍しくなくなりましたが、通算1515勝は引退当時で史上4位の大記録でした。私が調教助手としてこの世界に足を踏み入れたときは、それこそ雲の上のような存在。私が所属していた前田禎厩舎の馬にはあまり騎乗しなかったこともあり、怖くて近寄りがたい雰囲気が漂っていたように思います。ただ、背筋がピンと伸びた騎乗フォームは独特で非常にきれいでしたね。

 調教師としては2000、01年と中山グランドジャンプを連覇したゴーカイを育て上げられました。私が仲人を務めた(横山)義行(元騎手)がゴーカイの主戦だったこともあり、いろいろと昔話をうかがう機会にも恵まれました。以前のような怖い印象はなく、気さくにお話しさせていただきました。まだ76歳、亡くなられるには早すぎます。以前とは競馬の世界も様変わりしましたがが、ご意見番としてもっと長生きしてほしかったと思います。

 野村さんしかり、郷原さんしかり、昭和を代表するヒーローがこの世を去るのは寂しい限り。しかし、その功績を後世に語り継いでいくのがわれわれ現役世代の役割だと改めて肝に銘じました。どうか安らかにお眠りください。

 今週は16日の共同通信杯にビターエンダーが挑戦します。前走・京成杯は出遅れが響いて4着に終わりましたが、いい経験になったはずです。12日の追い切りはWコースでエメラルファイトと併入。新コンビを組むフィリップ・ミナリク騎手も「すごくいい馬。レースが楽しみです」と言ってくれました。強い内容で初勝利を挙げた府中に戻るのもプラスでしょう。週末は悪天候が予想されますが、父がオルフェーヴルなら苦にしないはず。むしろ、有力どころの切れ味がそがれるなら歓迎材料かもしれません。ぜひともクラシックに出走させたいだけに賞金の上積みを期待しています。

■相沢郁(あいざわ・いくお)

 1959年6月19日生まれ。北海道出身。麻布大学獣医学部で獣医師免許を取得。98年に厩舎を開業。初年度からウメノファイバーが京王杯3歳Sを優勝し、翌年にオークス制覇。2012、13年にJRA賞優秀調教師賞を受賞。これまでにJRA重賞18勝をあげている。趣味はお酒。