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2019.9.4 12:34

【佐藤洋一郎・馬に曳かれて半世紀(102)】「旅打ち家族」夏の新潟奮戦記 天性の博才みせた美少女こはく(1/2ページ)

新潟記念では、ディープ娘“紅2点”◎センテリュオ、○サトノワルキューレが後方でもがいている光景となってしまった

新潟記念では、ディープ娘“紅2点”◎センテリュオ、○サトノワルキューレが後方でもがいている光景となってしまった【拡大】

 朱鷺の里の蒼原に、幼い弟2人を引き連れた美少女こはくが翔んだ。

 「来た、来た~それぇぇ!」

 「うわ、(5)も(6)もいる。ぼくもあるぞぉ~」

 9月1日日曜日。風(のような車)に乗って飛来した5人家族と白髪のダンゴ打ちは、新潟競馬場4階馬主席ゴール過ぎの、最前列に陣取った。

 向こう正面に『US』というえたいの知れない建物(実はラブホテル)が見える。景観を損ねないようにという行政の指導で(?)地味なデザインになったというが、車ごとチェックインできる「お忍び」可能なホテルと教えられて、市内に宿がとれない馬友(男たち)を2度ばかり潜入させたことがある。

 そんな悪行を思い出したのは新潟記念のディープ娘“紅2点”◎(マルドン)センテリュオ、○サトノワルキューレが、何もできず後方でもがいているのを見るに忍びなく、視線をゴール方向にスライドしたときだった。

 昔利用した密室(?)がちらりと脳裏をかすめた直後に、新学期早々小学校(6、3、1年)に休暇届けを出して、両親ともども2泊3日の絢爛豪華な温泉・競馬にやってきた万引…ならぬ「旅打ち家族」の嬌声が、難聴気味の右耳をつんざいた。

 「(7)(こはくの単・複)の単勝は630円くらいかな、(5)と(6)の複(小3の長男夕雅&小1の樹)も1番人気が消えたからかなりつくよ」

 というパパの説明に

 「やったぁ、2頭ゲットォ!」

 と一丁前の快哉を叫ぶユウガ(夕雅)とイツキ(樹)に驚嘆してママに聞くと、

 「そうなの。パパに単複が基本と教わって、パドック見て、こはくは好きな騎手も入れてみな自分で予想するのよ」

 「こはくはすごいですよ。複ならほぼパーフェクト。ずっと、だいたい当たっています」

 くりーくパパが目を細めて自慢するのを聞いて、あの山のようなクレーンゲームの商品も全部自分で? 

「なんかコツがあるみたい。ボクにはまねできないけど…」

 天性の博才があるかどうかは知らないが、超人的、霊的な能力を発揮するエル・ニーニョやニーニャ(神童)が存在し、それが神話や伝説化して物語の原型になっている例は世界中にある。

 ひょっとしたら、コハクの名は宮崎駿の「千と千尋の神隠し」のコハク川、ハクからとったのかも。自分の6歳の孫のシンバ(心絆)が、W・ディズニーファンだったパパお気に入りの「ライオンキング」の息子の名を当てたように。

 「よく言われるんですけど、そうじゃないんです。淳一(くりーく)が夢のなかに出てきた言葉だって。宝石の琥珀にするとか、いろいろもめたんだけど結局、最後に自分で記入した役所の用紙に平仮名でこはくって書いちゃった。もう変えられないもの、仕方ないわよね(笑)」

 こはくちゃんには数年前に百花亭の忘年会で会ったことはあるが、聞いたことだけにうなずくくらいの寡黙な女の子の印象が強かった。今回もはじめはそんな感じだったが、興がのって突然おしゃべりになり「ハクはねえ」、とか「ハクねえ…」とママやパパに畳みかけるように訴える話ぶりや仕草に瞠目させられた。これはひょっとすると神隠しされた琥珀川の鯉(ハク)の化身なのかもしれないぞ…。

 アホらしい空想、妄想ををめぐらせるのが、2日続きの深酒と寝不足で制御不能に陥るほどに老化した脳随暴走のせいであることはまちがいない。しかしそれにしても、あの琥珀、こはく、ハクには何かが宿っている。神隠しが解けて真実の名が明かされるときがきっと来る…。

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