中央競馬:ニュース中央競馬

2019.8.1 16:13

相沢師コラム・トレセン365日WEB版(67)~菜七子で崖っぷちV決めるぞ・ゴールデンゾーン

相沢郁調教師

相沢郁調教師【拡大】

 ディープインパクト急死の一報は、日本のみならず世界にも衝撃を与えました。2005年のクラシックには、私もスプリングS勝ちのダンスインザモアで参戦。一緒に戦ったことは今でもいい思い出です。皐月賞のパドックではウチの馬の方が立派に見えて内心「チャンスかも…」と思いましたが、レースでは“飛ぶ”走りに脱帽しました。「あの馬がいるなら仕方ない」と、諦めのような感情を抱いたことをよく覚えています。全身がバネのような走りで、種牡馬としても5頭の日本ダービー馬を送り出すなど大成功。サンデーサイレンス産駒の中でも突然変異を遂げたような存在で、こんな馬は2度と出てこないでしょう。

 ディープ産駒はセレクトセールで1億円超が当たり前になり、サンデーサイレンスで成功したノーザンファーム、社台ファームグループは、この馬の登場で決定的な地位を築き上げました。高額な種付料を支払うことができない日高の中小牧場とは差が開く一方。たった1頭の種牡馬でこれだけ競馬の世界が変わるとは思ってもみませんでした。キズナなど後継種牡馬も順調なスタートを切っているので、その血は世界中にさらなる広がりを見せていくことでしょう。今はただただ、かつてのライバルの冥福を祈りたいと思います。

 今週は3日新潟7R(3歳未勝利、芝1600メートル)のゴールデンゾーンに期待。おかげさまで今年の3歳世代は計14頭が勝ち上がりとかつてないような豊作に恵まれましたが、この馬が何で勝ち上がっていないのか不思議で仕方ありません。能力は1勝クラスと同等以上のものがあるはずです。今年から秋の中山の3歳未勝利戦がなくなってしまったので、そろそろ崖っぷちの戦い。状態もいいので、ここは負けられないくらいの気持ちでいます。今回は藤田菜七子騎手で▲3キロ減と斤量面での恩恵も見込めます。マイルもこなせるはずですし、強気な先行策から押し切ってほしいですね。

■相沢郁(あいざわ・いくお)

 1959年6月19日生まれ。北海道出身。麻布大学獣医学部で獣医師免許を取得。98年に厩舎を開業。初年度からウメノファイバーが京王杯3歳Sを優勝し、翌年にオークス制覇。2012、13年にJRA賞優秀調教師賞を受賞。これまでにJRA重賞17勝をあげている。趣味はお酒。