重賞初制覇を果たした2017年府中牝馬Sの表彰式で、愛馬クロコスミアの首筋を笑顔でなでる大塚オーナー(右)【拡大】
記録に、記憶に残る競走馬が次々と生まれる競馬界。なくてはならないのが、馬を所有する馬主だ。そこで、馬主のあれこれを直接聞く新企画「オーナー直撃」がスタート。第1回は、2017年府中牝馬Sを制したクロコスミアなどを持つ大塚亮一オーナー(44)=大塚総合税理士法人代表=に、かつては騎手を夢見た少年時代、今後が楽しみな所有馬や夢について聞いた。 (取材・構成=山口大輝)
--競馬に興味を持ったきっかけは?
「本当にたまたまです。競馬に関係のある家ではなかったのですが、競馬中継を見て、まずは競走馬のかっこよさに魅せられました」
--思い出のレースは
「競馬中継を見ているうちにオグリキャップのラストラン(1990年有馬記念)に出会った。そのとき、目線がジョッキーにいったんです。ユタカさん(武豊騎手、円内)ですよね。『かっこいい、ああなりたい』となった。15、16歳のときです」
--実際にJRAの競馬学校騎手課程を受験
「『ジョッキーになりたい』と親に伝えたら理解を得られませんでした。『高校だけは出てくれ』と。なので高校は出て、高校3年生の1回だけ受けて、ダメなら大学に行くことを約束しました。その約束を取り付けるのも、夜に父の寝室に毎日頼み込みにいって、1週間かけてようやくです」
--結果は不合格
「今思えば“(取りかかりが)遅かった”ということに尽きる。こちらは高校3年生。同じ年(93年入学=のちに“花の12期生”と呼ばれる)の受験生は中学3年生。福永くんや和田くんら同じ試験を受けた子たちは、小さいときから馬に乗ったり、接したりしていたわけですから」