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2019.7.14 19:57

【マーキュリーC】レース展望

実績最上位のグリムが、武豊騎手とともに4つ目の重賞Vに挑む

実績最上位のグリムが、武豊騎手とともに4つ目の重賞Vに挑む【拡大】

 15日(祝・月)に盛岡競馬場で、“海の日”の開催が定着している夏の名物重賞・第23回マーキュリーC(交流GIII、3歳以上オープン、別定、ダート・左2000メートル)が行われる。2017、18年で連覇を果たしたミツバは、その後GIホースとなり今年は不在。新チャンピオンの座を射止めるのは果たしてどの馬か、展望していきたい。

★実績面で頭ひとつ抜けているグリムが断然の主役

 過去22回で地方勢の勝利はメイセイオペラ(第2回・水沢所属)、ユーロビート(第19回・大井所属)の2頭のみ。今年もJRA勢が上位争いを演じる公算が高いが、その中でも中央・地方で計3つの重賞タイトルを獲得しているグリム(栗東・野中賢二厩舎、牡4歳)が断然の支持を集めることになりそうだ。

 実績があるぶん他馬より重い斤量を背負うことになるが、これまでの実績を加味すれば56キロ自体は問題ないだろう。盛岡コースは初体験だが、これまで地方の交流重賞では4度走って1、2、3、1着と崩れていないだけに、大きなマイナス要素になることは考えにくいところ。

 コンビ再結成となる武豊騎手は、盛岡競馬場で行われているマイルチャンピオンシップ南部杯(交流GI)、クラスターC(交流GIII)を制した実績があるものの、意外にもマーキュリーCは未勝利。グリムを勝利に導き「令和初の重賞V」、そして新たなタイトルをその手に収めるか注目したい。

★ダートへ路線変更で素質開花のロードゴラッソ

 芝の中距離戦でデビューを果たし4戦目で未勝利を脱出したものの、1勝クラスに昇級後は15、4、13着と苦戦が続いていたロードゴラッソ(栗東・藤岡健一厩舎、牡4歳)だが、昨年の暮れにダート路線にシフトチェンジすると一気の3連勝でオープン入りを果たした。

 初重賞挑戦となったマーチS(GIII)ではダート戦の初黒星となる6着に敗れてしまったが、メンバー中3位となる上がり3ハロン37秒2の末脚で勝ち馬とは0秒3差。続くオープン特別の大沼Sではしっかり2着に巻き返しているだけに、「オープン級」の力を持っていると言っていいだろう。

 注目されるグリムと比べてしまうと実績面で見劣りするが、他に目立った実績を残しているライバルはおらず相手は“実質1頭”と絞れそうなメンバー構成。56キロを背負うグリムに対して2キロ軽い54キロの斤量で出走できるアドバンテージもあるだけに、目標を絞ってどこまで追い詰めることができるだろうか。

★2度目のオープンVで勢いを取り戻したテルペリオン

 2歳10月のデビューから一貫してダートの中距離路線を歩み続けると、一歩ずつ階段を昇り続け、明け5歳となった今年2月の仁川Sで待望の初オープン特別勝ちまで到達したテルペリオン(栗東・寺島良厩舎、牡5歳)。

 重賞初挑戦となった名古屋大賞典(交流GIII・5着)、前々走のブリリアントS(8着)と2戦連続で人気を下回る成績に終わっていたものの、前走のスレイプニルSではしっかり立て直して2度目のオープン特別勝ちを果たしている。

 主戦を務める松若風馬騎手は、スレイプニルS制覇後に「焦ると手前を替えない課題はあるけど、力はありますね」と語っているように、完成の域に到達するのはまだ先となりそうだが、勢いを取り戻し斤量も有利な54キロで出走できるここでどこまで通用するか見守りたい。

★一時期の不振を脱した印象受けるノーブルサターン

 3歳時には兵庫チャンピオンシップ(交流GII)2着、ジャパンダートダービー(交流GI)、レパードS(GIII)でともに5着と、ダートの重賞戦線で上位の力を発揮していたノーブルサターン(栗東・牧浦充徳厩舎、牡5歳)。

 4歳夏に自己条件を卒業してオープン入りを果たしてからは、古馬の一線級を相手に力を出し切ることができず、ことごとく2ケタ着順を並べてしまったものの、前走のアハルテケSで3着に善戦したことで、復調の兆しが見えてきた。

 コンビを組む鮫島良太騎手は、ジュエルオブナイルで制した2009年の小倉2歳S(GIII)以来、10年ぶりとなる重賞制覇のチャンス。管理する牧浦充徳調教師にとっても、ドンフォルティスで制した北海道2歳優駿(2017年・交流GIII)に次いで2度目の重賞Vがかかっているだけに期待したいところだ。

★コパノチャーリーは自分の形でどこまで巻き返すか

 2017、18年にオープン特別の阿蘇Sを連覇。一時は重賞タイトルにも手が届きそうなところにいたコパノチャーリー(栗東・村山明厩舎、牡7歳)だが、近走は12、15、5、13、15着と苦戦が続いている。

 このところ本来の力強い先行策が見られず、勝負どころではズルズルとポジションを落とし抵抗できない内容が続いており、年齢的にもここでのガラリ一変は望みづらいところ。それでも、上位争いできそうな有力馬が限られる今回なら前々で立ち回れる可能性が残されていると考えることもできるのではないだろうか。

 過去の実績を見ると2000mの距離はギリギリの印象を受けるが、2100mの川崎記念(交流GI)でも5着に残っているように、年齢を重ねた今なら我慢できそう。一にも二にも、自分の形に持ち込むことができるかどうかが上位進出のカギになりそうだ。