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2019.4.17 12:00

【藤代三郎・馬券の休息(82)】中山のVシートってなんだ?南門から入って右側も気になるゾ

週刊Gallop誌上で好評連載中の作家・藤代三郎氏が、競馬にまつわる日常を氏のユニークな視点で綴る「馬券の休息」

週刊Gallop誌上で好評連載中の作家・藤代三郎氏が、競馬にまつわる日常を氏のユニークな視点で綴る「馬券の休息」【拡大】

 昨年から中山競馬場は大幅に変わったことをまだ報告していなかった。特に地下1階の変化が顕著だ。

 当日指定の窓口と、ネット予約の発売窓口を右と左にくっきりとわけたのである。中央門からメインスタンドの地下1階に入ると右がネット予約受付で、左側(つまり、ファストフードプラザ寄りの一角だ)は当日指定券の発売窓口と、それぞれをまとめたのである。これまでは混在していたが、それを左右にはっきりとわけたということだ。

 そのファストフードプラザの端に、セブンイレブンと銀だこが出来たことよりも、指定席券発売所の変化のほうが意味としては大きい。それにしても、銀だこのJRA進出は着々と進んでいる。東京競馬場フジビュースタンド3階にも、蕎麦屋のあとに銀だこが入ったし、中京競馬場ツインハット2階のターフィーショップの隣にも、それぞれ数年前に銀だこが入った。中京競馬場もその場所は以前蕎麦屋だったと記憶している。中山競馬場なんて、法典門からスタンドに行く途中の左側にもあるのだ。なんと2軒目。この勢いでは他の競馬場にもどんどん進出していくに違いない。

 ところで昨年の変化はまだある。指定席の名称が変わったのである。ゴンドラがGシート、A指定がAシート、B指定がBシート、ナッキーボックスがボックスシート。全部「シート」と呼ぶようになった。キングシートは以前から「シート」なので変わらないが、わからないのが「Vシート」だ。以前からV指定席があったのならわかるが、そんな指定席は存在しない。

 では何が「Vシート」になったのか。その場所を見れば一目瞭然。以前の4階A指定席である。つまり、3階A指定席をAシートと変更したので、それと区別するために4階A指定席をVシートにしたことになる。

 問題は、なぜ「V」なのか、ということだ。これは尋ねる前から答えは明快だろう。「ビクトリー」の「V」だ。

 ずいぶん前に阪神競馬場の指定席が「シート」に変わったとき、全国の競馬場もいずれこういう名称になるのかと思ったが、意外にこの「シート化」は進んでいない。中山競馬場の「シート化」は忘れていたことを思い出したくらい。

 ところでもう一つ気になるのは、昨年暮れに中山に行ったとき、南門から入ったときの右側が工事中であったことだ。ここに何が出来るのかと思ったら、3月末の段階で完成していたものの、なにもないので驚いた。

 ただ一面、壁が続いているだけで、その前にベンチがずらっと並んでいる。延々と並んでいる。「喫煙所は撤去されました」とあったので、以前は喫煙所だったようだが、その代わりに現れたのが、ただのベンチ。しかも「ここでの飲食は出来ません」とある。何のためのベンチなのかがわからない。

 その上は芝スタンドになっているから、ベンチの向こうは(つまり壁の向こうは)芝スタンドの下ということになる。ということはかなりのスペースがある。そこに何があるんだろう。いや、それだけの話なんですが。

藤代三郎(ふじしろ・さぶろう)

 1946年生まれ。本名・目黒考二(めぐろ・こうじ)。明治大学文学部卒業後、76年に作家・椎名誠氏と書評誌「本の雑誌」創刊。ミステリーと野球とギャンブルをこよなく愛す。藤代三郎のほかにも群一郎、北上次郎など複数のペンネームを持ち、評論、執筆活動を幅広く展開。著書に「本の雑誌風雲録」「活字三昧」(いずれも目黒考二)や「冒険小説論」(北上次郎)。「戒厳令下のチンチロリン」や週刊ギャロップに創刊より連載している「馬券の真実」をまとめた「外れ馬券は人生である」などの“外れ馬券シリーズ”は藤代三郎として発行している。