坂口正則調教師=栗東トレセン(撮影・岩川晋也)【拡大】
開業当初から2つのポリシーを曲げずにきた。ウッドチップは呼吸器系に良くなさそうとの考えから、馬房の下敷きは寝わらオンリー。様子のチェックと気分転換の意味合いから、午後の厩舎周りでの運動も必須としてきた。できる限り、少しでも近くにいたい-。馬に寄り添い続けた調教師人生に、ピリオドを打つ日が迫ってきた。
「レースは負けるのがほとんどだし、悔しい思いをする方が多い。だから勝てばうれしいもの」
宮崎県出身で、小倉競馬場はいわばお膝元。今週末は大好きな競馬場で管理馬の走りを見届け、厩舎の看板を下ろす。(宇恵英志)
坂口 正則(さかぐち・まさのり)
1948(昭和23)年9月2日生まれ、70歳。宮崎県出身。74年3月に栗東・坂口正二厩舎(伯父)で騎手デビューし、81年2月の引退までJRA通算525戦44勝(重賞なし)。83年に調教師免許を取得し、85年7月に開業。JRA通算678勝、GI1勝を含む重賞27勝。海外では、エイシンヒカリで2015年香港カップ、16年イスパーン賞のGI2勝。3月1日に開業する坂口智康調教師は長男。