スタート地点から見た千直コース。わずかだが内ラチ沿いが低く、外寄りが高いという高低差がある (撮影・菅原和彦)【拡大】
「馬が安心するよ。高い位置の方が見通しがいいぶん、走りが安定するね。走りやすいから、馬もそっちへ行く」
草食動物である馬は、本能的に身の安全を保つために見通しを大事にするという。高い=走りやすい。伸び伸びと走れて能力を発揮できる、という見立てだ。また、「内枠からだと“坂”だよ」とも。労せずに、安心して走れる外への進路をとれる外枠が有利なのは当然、というわけだ。
3者の意見をまとめると、千直の外枠有利は、芝コースの構造上の特性に、騎手心理とサラブレッドの本能が絡んだ結果といえるだろう。やはり、外枠有利の傾向には裏付けがあった。この後も新潟開催は、千直が毎日1レース行われる。独特のコースを、しっかり攻略していこう!
★芝の抵抗も想像以上…6分36秒
「芳賀ちゃん、千直走ってみて。くれぐれも、倒れてJRAさんにご迷惑をかけないでね」。デスクの指令を受けて、ひそかに走り込みと食事制限をして臨んだ。
目標タイムは、6分以内。クリアする自信はあった。調教(夜中のアスファルト上)では1キロを4分台半ば。芝との違いはあっても、これなら楽勝だろうと踏んでいた。