今年度から新設されたプレミアムＧＩ競走で、優勝賞金は１１００万円。ビッグレースで好成績を挙げた選手が、４日間のトーナメント制で覇を競う。
　優先出場権を持つのは、前年度覇者（今回は該当者なし）、１～１１月の７つのＳＧ（クラシック、オールスター、グランドチャンピオン、オーシャンカップ、メモリアル、ダービー、チャレンジカップ）と、３つのプレミアムＧＩ（マスターズチャンピオン、レディースチャンピオン、ヤングダービー）の優勝者、当該年の３Ｄａｙｓボートレースバトルトーナメントの優勝者。
　これに、チャレンジＣを除く６つのＳＧとプレミアムＧＩの選出上位各１５人のうち、当該年の１月１日～９月３０日の勝率上位選手を合わせた４８人が出場する。

【勝ち上がり方式】
　ボートレースバトルトーナメントは、グレードレースでは初めてトーナメント方式の勝ち上がりが導入された。
　初日の５～１２Ｒで１回戦が争われ、各１回戦の１～３着計２４人が２日目の準々決勝戦へと進出する。２日目は９～１２Ｒで準々決勝戦が行われ、各準々決勝戦の１～３着計１２人が準決勝戦へと駒を進める。３日目１１、１２Ｒの準決勝戦で１～３着に入った６選手がファイナリストとなり、４日目１２Ｒの決勝戦で優勝者が決まる。１月に開催される『３Ｄａｙｓバトルトーナメント』とは違い敗者復活戦は実施されず、一瞬たりとも気の抜けない勝ち抜きバトルになっている。

　最も初代チャンピオンに近い存在は、現在獲得賞金トップの毒島誠だろう。メモリアル、ダービーとＳＧ連覇を達成した勢いそのままに、新設ＧＩの栄冠を奪取する。
　大舞台で強さを発揮するタイプの今垣光太郎が大暴れしそうなムードだ。ＳＧ優勝歴のある平和島で気迫のこもった攻めを繰り出す。
　当地巧者の桐生順平、近況は調子を上げている原田幸哉、ボート界屈指の旋回力を誇る瓜生正義も争覇圏内だ。
　９人出場する女子レーサーにも注目したい。当地で２度クイーンズクライマックスを制した松本晶恵、芦屋ＧＩＩを制して意気上がる守屋美穂、成長著しい大山千広が見せ場をつくる。
　浜野谷憲吾、長田頼宗、永井彪也も走り慣れた地元でＶ戦線を盛り上げる。

　海水を使用しており、１マークがスタンド側に大きく振られているのが特徴だ。過去１年の１コース１着率は４５．７％と全国平均（５５．３％）よりもかなり低い。インから先マイを狙う選手は、早いスタートを決めないと窮屈なターンを強いられる。記念レベルの争いならスリットが揃いインの入着率はアップするが、絶好枠でも機力不足やスタートに不安がある選手の過信は禁物だ。
　バックで内が伸びる傾向があるため、３、４コースの果敢な攻めに乗って差し込む選手にも勝機がある。ダッシュ勢の好気配選手の進出も十分可能で、展示タイムは必ずチェックしておきたい。

【毒島誠】　９月のメモリアル、１０月のダービーで優勝し、２年連続でＳＧ連覇を成し遂げてもっか絶好調。当地はＧＩを含めて通算４Ｖと相性も良く、勢いは止まりそうにない。
【桐生順平】　今年２月の関東地区選手権を含めて当地ではＧＩ２Ｖ。１０月の開設６５周年記念でも優出４着に入った抜群の相性を誇る水面で、記念すべき初代王者の座を目指す。
【瓜生正義】　当地は２０１３年のダービー優勝を含めてＳＧで４優出と高い実績がある。７月のオーシャンカップで通算１０度目のＳＧＶを飾り、ボート界屈指の旋回力は健在だ。
【吉川元浩】　今年のクラシック、オールスターでＳＧを連覇。ＳＧ初制覇はグランプリ、昨年１月のバトルトーナメントで準Ｖと、ショートシリーズで強さを発揮するタイプだ。
【柳沢一】　６月のグランドチャンピオンで念願のＳＧ初優勝、７月のオーシャンカップでも準優勝と力を証明した。持ち味の切れ味鋭い速攻は、平和島水面でさらに威力が増しそうだ。
【大山千広】　今年はレディースチャンピオンを含めて５Ｖと地力強化が著しく、自力でＳＧチャレンジカップに出場した。名実ともに女子トップに君臨する逸材が、Ｖ戦線を盛り上げる。