山陽オートで開催された『ＧＩＩミッドナイトチャンピオンカップ』は最終日の２９日、第９Ｒで優勝戦（１着賞金１３０万円）が行われ、地元の丹村飛竜（３７）＝山陽２９期＝が勝利。初日から５連勝の完全Ｖで、通算２３度目の優勝（ＧＩ２Ｖ、ＧＩＩ２Ｖ）を果たした。

　１０ｍオープン７車並びの大外からスタートを決めて２番手につけた丹村。最内枠から先手を奪った西村龍太郎を間髪入れずに捌き独走に持ち込むと、全国最多となるミッドナイト開催７Ｖの実力を遺憾なく発揮して圧勝。大きく離れた２着には西村龍太郎が粘り込み、地元勢のワン・ツー決着。３着には中山光が入り、２連単４２０円（１番人気）、３連単２４７０円（６番人気）と平穏な決着となった。

　伊勢崎オートの「サンケイスポーツ杯レジェンドカップ」（ＧＩＩ）は最終日の６日、第１２Ｒで優勝戦が行われ、久門徹（４６）＝飯塚２６期＝が７周１角で逆転に成功して優勝。２０１５年の当地ＧＩシルクカップ以来のグレードレース制覇を果たした。ＧＩＩは３度目Ｖ。２着は篠原睦。大会４連覇を狙った高橋貢は３着に終わった。

　◆久門徹「（篠原）睦が跳ねていたし、エンジンも自分のほうが全然強めだったので、態勢を整えて、いけるところでいこうと思っていた。今節はサク（佐久間健光）に手伝ってもらい、下回りの整備をやってエンジンは良くなりました。すぐに壊してしまうので、安定させたい。ずっとこの大会に出られるように頑張ります」

　川口オートの『サンケイスポーツ杯・ＧＩ開設７０周年記念グランプリレース』は、２３日の第１２Ｒで優勝戦が争われ、小林瑞季（３１）＝川口３２期＝が激しい競り合いを制して１着。大会初、ＧＩでは２度目のＶを飾り、賞金３００万円を獲得した。２着に惜敗した加賀谷建明は、実に大会４度目の準Ｖ。３着には木村武之が入り、ナンバーワンレーサー青山周平は５着に敗れた。

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　抜きつ抜かれつの手に汗握る壮絶なバトル。ゴールまでもつれ込んだ大激戦を制して、小林が待望の地元ＧＩタイトルを獲得した。

　「最高です。晴れで地元のＧＩを優勝することが目標だったので、めちゃくちゃうれしい」

　喜びを隠すことなく、ガッツポーズを掲げた。１０メートルオープンで行われたファイナル。「トップスタートを切らなければ優勝なんてできない。自分の１００％のＳを切ろう」と集中して、２枠からトップスタートを切って主導権を奪った。しかし、ＧＩ初Ｖへ並々ならぬ闘志を燃やす加賀谷が２度のアタックを敢行。５周３角で加賀谷を振り切ると最後は木村武も追い上げてきたが、先頭を譲らず歓喜のゴールを駆け抜けた。

　会心の飛び出しを決めてのＶだが、「エンジンが良くないと、優勝なんて間違いなくできない。ヘッドを換えて、今節を通して動きはすごく良かったです」と胸を張る。マシンを完調に仕上げた手腕も間違いなく勝因のひとつだ。

　今節３日目の２１日が、３１歳の誕生日だった。「去年の誕生日はＳＧで８着だったので最悪でした。今年は優勝ができたし、こんなに最高な開催はないです」。バースデーシリーズに最高の結果を残して、笑みが絶えない。大きな目標の地元ＧＩを制した小林の視界には、さらに高いステージが映っている。

　「次はＳＧの優勝戦に乗りたい。次の節からも“やる気、元気、ミズキ”で一走一走、真剣勝負をしていきます」

　次走は２８日からの山陽ミッドナイト。一昨年９月の伊勢崎ムーンライトＣＣ以来、２度目のＧＩを手にして勢いを増した小林が、今後のＳＧ戦線での奮闘を誓った。（佐藤雄二）

　浜松オートの『サンケイスポーツ杯・ＧＩ第６３回スピード王決定戦』は１３日、第１２Ｒで優勝戦（１着賞金３００万円）が行われ、丹村飛竜（３７）＝山陽２９期＝が優勝。２０１７年の川口・開設記念グランプリ以来、５年ぶり２度目のＧＩ制覇を果たした。２着は松山茂靖で、３着が山田達也。人気を二分した鈴木圭一郎と荒尾聡は、１周バックのアクシデントにより、ともに落車（他落）に終わった。

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　丹村が１０メートルオープンの３枠から電撃ダッシュで主導権を握り、後続を寄せつけずに圧勝劇を演じた。

　「Ｓに集中して、いいのが切れました。道中はエンジンの音が聞こえて一度ミスをしてしまったけど、自分の音でした」と苦笑いしつつ、「乗り味も良かった。これで悪いと言ったら怒られちゃいます」とマシンをねぎらって満面の笑みが浮かぶ。

　「昨年の末くらいからエンジンの感じがいい。もう少し車を安定させて、さらに上を目指していきたい」

　久々のタイトル獲得でリズムを上げた丹村が、今後のグレードレース戦線での活躍を誓った。（佐藤雄二）

　ナイターで開催された飯塚オートの『ＧＩＩオーバルチャンピオンカップ』は最終日の３０日、第１２Ｒで優勝戦（１着賞金１６０万円）が行われ、永井大介（４５）＝川口２５期＝が優勝した。直前に降り出した雨の影響で斑走路でのレース。永井は自身のフライングの後の２度目のスタートを２番手で飛び出し、トップＳを決めた有吉辰也の自落によって１周２角で先頭に立つとそのまま逃げ切った。大会初Ｖで、通算１４度目のＧＩＩ制覇。２着は若井友和で、３着には加賀谷建明が入った。

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　◆永井大介「フライングを切って、どんどん走路をぬらしてしまい皆さんに申し訳ない。包まれたら厳しくなるので、２度目も集中していいスタートが切れた。道中は立ち上がりで滑って落車するリスクがあったけど、後ろから音が聞こえてきたので、自分の尻をたたいてもう少し速く走ろうと心掛けました。勝ててよかった。今後はフライングを切らないように、それでも速いスタートが切れるように頑張ります」

　伊勢崎オートの『ＧＩ開場４５周年記念シルクカップ』は最終日の１０日、第１２Ｒで優勝戦（１着賞金３００万円）が行われ、青山周平（３７）＝伊勢崎３１期＝が大会を連覇。通算１７度目のＧＩ制覇を果たした。次走は１２日からの川口普通開催を予定している。

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　１０線大外から目の覚めるような電撃ダッシュだ。１周３角で先頭に立った青山が、後続を引き離してゴール。「Ｓはびっくり。すごく切れました。予想外の展開になって笑っちゃいました」と白い歯をこぼした。

　「フレームを締め直し、ピストンやクラッチの部品を換え、今節で一番の仕上がり。これ以上ない滑り出しですね」と満面の笑み。今後に向けて「若い選手が出てきているし、先輩たちもまだまだ速い。負けないように頑張らないと」と気を引き締めた。 　年頭から貫禄を見せつけたナンバーワンレーサー。今年もトップの座は譲らない。（佐藤雄二）

　川口オートの『ＳＧ第３６回スーパースター王座決定戦』は１２月３１日の第１２Ｒで争われ、青山周平（３７）＝伊勢崎３１期＝が２周３角で先頭に立って後続を封じ、３年連続４度目の大会Ｖ＆通算１０度目のＳＧ制覇を達成。２年ぶりに年間獲得賞金１億円を突破し、３年連続４度目の賞金王に輝いた。トップＳから見せ場を作った黒川京介は惜しくも２着。鈴木圭一郎は３番手から攻め切れず３着に敗れた。

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　冷え込んで絶好の走路コンディションで行われた大みそか決戦。伊藤信夫のフライングにより仕切り直しとなった２度目のスタートで、青山がトップで飛び出した黒川を２周３角でかわして先頭に立って押し切り、３年連続４度目の大会Ｖを達成した。

　「本当に信じられない。めちゃくちゃうれしい。不安要素のほうが大きかったけど、４日目の後にセッティングを変えて、最近の中で一番いい動きが出せました。初日の延長で整備をして正解でしたね」と喜びを爆発させた。

　４日目までは思うようにマシンが仕上がらず整備に苦しんでいたが、きっちり修正して最高の状態で優勝戦を迎えた。

　「クロちゃん（黒川）に行かれるのは想定内。スタートは２度とも思い切って切れたし、道中もエンジンに余裕があった。先頭に立ってからは、タイヤを滑らせないように、周回板を確認しながらミスをしないように走りました。乗り味が良かった初乗りのタイヤにして、跳ねもなかった」

　エンジン、タイヤともに完調の仕上がり。コースを押さえることなく、ペースを上げて堂々と押し切り、全国ランク１位の貫禄を見せつけた。これでＳＧ制覇は１０度目。年間獲得賞金も２年ぶりに１億円の大台に乗せた。もはや押しも押されもしないナンバーワンレーサーだが、反省すべき点はまだまだあるという。

　「最高の形で一年を終えることはできた。でも、この結果に満足することはない。スタートで行かれたこともだし、荒々しい走りも改善したい。次につなげられるように練習します。これからも常に車券に絡んで、お客さんに貢献できるように走ることを心がけたい」 　さらなる進化を誓いつつ、２０２２年も力強くオートレース界をリードしていく。（佐藤雄二）

　山陽オートのＧＩ・第５６回スピード王決定戦は１９日、第１２Ｒで優勝戦（１着賞金３００万円）が行われ、青山周平（３７）＝伊勢崎３１期＝が優勝。大会初、通算１６度目のＧＩ制覇を果たした。２着は岩見貴史、３着には篠原睦が入り、鈴木圭一郎は５着に敗れた。

　１０メートルオープンの大外８枠から鋭発を決めた青山が、トップＳを切って逃げ込みを図る岩見を７周３角でかわして完勝。「すごいメンバーがそろっていたので、厳しいと思っていた。思わぬ優勝でした。Ｓがすごく切れたし、エンジンも５日間の中で一番の仕上がりでした」と満面の笑み。それでも「今節はクランクとフレームを交換して、車はいいほうに向いた。ただ、走りが荒かった。もっとしっかり走れるように練習します」と反省も忘れない。

　全国ランク１位の貫禄を見せつけた青山は、１２月２７日に川口で開幕する年末の大一番・スーパースター王座決定戦のトライアル戦に最高のリズムで乗り込む。（佐藤雄二）

　飯塚オートの『ＧＩ開設６５周年記念レース』は５日、第１２Ｒで優勝戦（１着賞金３００万円）が行われ、岩見貴史（３７）＝飯塚２９期＝が優勝。２０１５年の船橋・オート祭以来となる２度目のＧＩ制覇を果たした。次走は１５日に開幕する山陽ＧＩスピード王決定戦の予定。２着には、８周４角で荒尾聡をかわした青山周平が入った。

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　岩見が１０メートルオープンの３枠から主導権を握り、荒尾の攻めをこらえてゴールした。「荒尾さんにあおられているのは分かっていたので、道中はきつかった。エンジンもタイヤも良かったので、最後までミスをせずに走り切れた」と振り返る。

　これまでグレードレースは２度制しているが、飯塚では初めて。「やっと手が届きました。事故がありましたけど、うれしい。ずっと地元で取りたかったので」。感慨にひたり、目に涙を浮かべながら「もうひとつ上のステージにいきたい。まずはＳＧ優勝戦の常連になること」と今後の目標を掲げた。

　待望の地元タイトルを獲得した岩見が、これからも走りとパフォーマンスの両面でファンを魅了する。（佐藤雄二）

　山陽オートのＧＩＩ若獅子杯争奪戦は２３日、第１２Ｒで優勝戦（１着賞金１６０万円）が行われ、鈴木圭一郎（２６）＝浜松３２期＝が優勝。大会初＆通算４度目のＧＩＩ制覇を果たした。次走は２８日からの伊勢崎普通開催の予定。２着には丹村飛竜が入り、青山周平は３着に敗れた。

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　鈴木圭が強力マシンを駆使して完勝だ。「音が出ていたので準決勝から何もせずにいったけど、エンジンは完璧でした」と愛車『カルマ３Ｋ』をねぎらい、満面の笑みを浮かべた。

　６周１角で丹村を抜き去り先頭に立ち、後続を引き離してゴール。「試走タイムが出ていたし、自信を持って走りました。今まで縁がなかった若獅子杯を勝てたことがすごくうれしい」と喜びを爆発させながら、「レースのグレードは気にせず、今後も一走一走を頑張るだけ」とすぐに気を引き締めた。

　ＳＧ日本選手権に続き、グレードレース連続Ｖを飾って勢いを増した。ナンバーワンの座を奪還すべく、圭一郎はこれからも勝ち続ける。（佐藤雄二）

　浜松オートの『ＳＧ第５３回日本選手権オートレース』は７日の第１２Ｒで優勝戦が争われ、３番手から先行２車が大競りとなった９周３角で内をすくって先頭に立った鈴木圭一郎（２６）＝浜松３２期＝が１着。通算１０度目のＳＧ制覇を飾り、賞金１７００万円を獲得した。２着は鋭発先手から逃げ粘った青山周平。後方から一時は２番手まで浮上した荒尾聡は、９周３角で逆転を狙った気迫のまくりが及ばず３着に敗れた。

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　地元のエース・鈴木がまれにみる大激戦を制し、３度目の日本選手権優勝を成し遂げた。

　「うれしくて泣いちゃいました。Ｓは引くしかなかったけど、エンジンがすごくよかったので、道中はチャンスがあればと思いながら走っていました」

　７枠からカマして主導権を握った青山がペースをつかんだが、Ｓで後手に回った荒尾と鈴木が追い上げ、終盤は“３強決戦”となった。レースが動いたのは９周３角。先頭を走る青山に対して荒尾がまくりを敢行。両者が競り合ってコーナーがやや乱れた。

　「展開が向きました。自分がやられたレースを勉強し、同じような展開になればと（３番手で）待っていました」。経験を積んで冷静に展開を読んでいた鈴木が、一気に先頭に躍り出て今年の“実力日本一”の座に就いた。

　「（オートレース）グランプリを取れなかったので、誰よりも強い気持ちでやってきました。枠が遠かったから平常心で臨めたし、いい緊張感をもって楽しみながら走れました」

　悔しさをバネに１０度目のビッグタイトル獲得。「妻（飯塚・吉川麻季）も前検日の飯塚でテレビを見て喜んでいると思います。『物はいやだ』といつも言われているけど、優勝をプレゼントできる。すごく心のささえになっています」と最愛の妻へ感謝を述べた。自身の代名詞でもある“きれいなレースで勝つ”を大一番で実証した鈴木が、これからも大好きなオートレースと向き合う。（佐藤雄二）

　浜松オートの「ＧＩＩウィナーズカップ」は１０日、第１２Ｒで優勝戦（１着賞金１６０万円）が行われ、中村雅人（４０）＝川口・２８期＝が優勝。２０１６年大会以来２度目、通算５度目のＧＩＩ制覇を果たした。次走は１８日からの浜松普通開催の予定。２着は有吉辰也。３着には金子大輔が入り、１番人気に支持された鈴木圭一郎は４着に敗れた。

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　Ｓで好位につけた中村が、５周１角で金子をさばいて２番手に上がると、６周３角では有吉のインに飛び込んで先頭を奪取。そのまま歓喜のゴールを駆け抜けた。

　「Ｓが枠なりに切れたし、早め早めに動いていけました。エンジンもいい状態を維持できていたし、有吉さんよりも強めでした」

　Ｓとマシンの仕上がりを勝利の要因に挙げた。

　「最近はグレードレースを勝てていなかったので、勝てると思わなかった。たまにはいいものですね。選手権はもっとメンバーが濃厚になるけど、自分のペースで頑張ります」

　２０１９年山陽の特別ＧＩプレミアムカップ以来となるグレードレース制覇。忘れかけていた勝ち方を思い出した“川口のエース”が、来月３日に当地で開幕するＳＧ日本選手権での奮闘を誓った。（佐藤雄二）

　飯塚オートのナイターＳＧ『第３５回全日本選抜オートレース』は、２６日の第１２Ｒで優勝戦が争われ、青山周平（３６）＝伊勢崎３１期＝が１０周回を逃げ切って１着。大会初＆通算９度目のＳＧ制覇で史上６人目となるグランドスラムを達成し、優勝賞金１３００万円と年末に川口で開催される『ＳＧ第３６回スーパースター王座決定戦』トライアルの出場権を獲得した。２着は荒尾聡。３着には永井大介が入った。

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　これが全国ランク１位の貫禄だ。青山が悲願のＳＧグランドスラムを達成。強力なエンジンを駆使する永井、地元のエースで大会連覇を狙う荒尾が次々に襲い掛かったが、１０周回をシャットアウトし、歓喜のゴールを駆け抜けた。

　「メチャうれしい。朝の練習が駄目だったので、岩田（裕臣）くんに聞きながら整備してエンジンは良くなりました。ただ、ペースを上げられる感じではなかったので、コースを押さえる走りになってしまった」

　０メートルオープンの１枠からコンマ０４のタイミングで飛び出し。主導権を握って先行逃げ切りの勝ちパターンに持ち込んだが、反省も忘れなかった。

　今年は２月の浜松全日本選抜が３着。４月の川口オールスターでも準Ｖと勝ち切れず、今回は昨年のスーパースター王座決定戦以来のＳＧ制覇となった。「１０周は長かった。永井さん、荒尾さん、誰かしら仕掛けてくると思った。久しぶりにＳＧを優勝できたので、うれしすぎてコメントが出てきません」。万感のＶに言葉が詰まった。

　ＳＧグランドスラムは史上６人目の偉業。「夢のようです。自分には達成できそうもない高い目標だった」。だが、着実にステップアップを遂げて、偉大な先人たちに堂々と肩を並べた。

　勝負に徹し、ナンバーワンレーサーのすごみを見せつけた青山。年末の大一番に向けて、これからもオート界のトップを走り続ける。（佐藤雄二）

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■青山周平（あおやま・しゅうへい）１９８４（昭和５９）年１２月５日生まれ、３６歳。千葉県出身。ロードレース出身で、オートレースは特例枠で第３１期に合格。同期には佐藤摩弥、岩田裕臣（ともに川口）、丸山智史（山陽）らがいる。全日本選抜は初制覇で、ＳＧは２０１５、１９、２０年ＳＳ王座決定戦、１６年オールスター、１８、１９年オートＧＰ、１８、１９年日本選手権と合わせて９度目の制覇。ＧＩ１５Ｖ、ＧＩＩ７Ｖ。通算６２８勝、６７Ｖ。１６４センチ、５３キロ、血液型Ｏ。

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■グランドスラム　これまでの達成者は片平巧（引退）、永井大介、浦田信輔、高橋貢、中村雅人の５人。高橋貢と永井大介は各大会を２度以上制覇するダブルグランドスラムを達成している。

　ナイターで開催された伊勢崎オートの『ＧＩムーンライトチャンピオンカップ』は最終日の１２日、第１２Ｒで優勝戦（１着賞金３００万円）が行われ、早川清太郎（３９）＝伊勢崎２９期＝が３周１角で先頭に立ち、猛追してきた青山周平を振り切り優勝。大会５度目Ｖを飾るとともに、通算９度目のＧＩ制覇を果たした。次走は２２日に開幕する飯塚ＳＧ全日本選抜の予定。３着には佐藤貴也が入った。

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　◆早川清太郎「１番時計ではなかったけど、試走から車のフィーリングは良かったです。スタートはタイミングが遅れて“やっちまった”と思ったけど、序盤でうまく展開が作れました。準決勝みたいに後ろを離せず精いっぱいだったので、ゴール線を切るまで（優勝は）分かりませんでした。今節はクランクを新品に入れ替えて、エンジンが上向いてくれたし、次のＳＧでも自分なりに頑張って、結果がついてくればいいですね」

　ナイターで開催された川口オートの「ＧＩキューポラ杯」は最終日の２９日、第１２Ｒで優勝戦（１着賞金３００万円）が行われ、１番人気の鈴木圭一郎（２６）＝浜松３２期＝が８周１角で小林瑞季をかわして優勝。大会初Ｖを飾るとともに、通算１３度目のＧＩ制覇を果たした。次走は９月４日からの川口普通開催の予定。３着には高橋貢が入り、青山周平は４着に敗れた。

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　◆鈴木圭一郎「準決勝の感じだと優勝できないと思い、レースの後にメタルとヘッドを換えました。タイヤが最後まで滑らなかったのは、多分エンジンが良くなったからでしょう。レース足が出てくれて完璧だったし、整備は１００点です。でも、レースは最後に張ってしまったので９８点ですね（苦笑）。次の川口ではスーパーハンデになるかもしれないけど、消音マフラーから自分のマフラーに戻るのでエンジンは合わせ直さないといけない。さばく腕を磨いて、１走１走、優勝を目指して頑張ります」

　伊勢崎オートの『ＳＧ第２５回オートレースグランプリ』は１５日の第１２Ｒで優勝戦（１着賞金１３００万円）が争われ、篠原睦（４４）＝飯塚２６期＝が湿走路の中、１０周回を逃げ切って１着。デビュー２２年、自身１３度目のＳＧ優出で悲願の初制覇を飾り、年末に川口で開催されるスーパースター王座決定戦トライアルの出場権を獲得した。ＳＧグランドスラムを狙った鈴木圭一郎は惜しくも２着。３着には重富大輔が入った。
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　２枠から好Ｓを切った篠原が、重富を押さえて主導権を握ると、ＳＧグランドスラムを狙って１周３角で２番手に上がってきていた鈴木圭の追撃をシャットアウト。歓喜のゴールを駆け抜けた。
　「枠を生かせればと思っていたけど、最高のＳが切れました。道中は後ろが気になってしんどかった。抜かれて当然と思い、気楽に乗りました。何度かコーナーを失敗していましたけどね（笑）。一生に一度のことだと思うので、思いっ切りガッツポーズをさせてもらいました」
　デビュー２２年で初のビッグタイトル獲得に、満面の笑みを浮かべた。
　これまでＳＧ優勝戦には１２度挑んだが、最高成績は２０１８年の飯塚オールスターでの２着。１３度目の挑戦でついに悲願成就だ。
　「ゴールした瞬間はおやじ（元オートレーサーの篠原忠次）のことが思い浮かびました。喜んでくれていると思います。お盆でおやじのことをよく考えていたので、力を貸してくれたのかな」と感慨深げに語り、うっすらと涙を浮かべた。
　「周りからは“（ＳＧタイトルを）取ってほしい”と言われていたけど、自分が一番取りたかった。いつもは祝福する側だったのに、やっとこの（祝福してもらう）気持ちを味わうことができた。最高ですね。ＳＧを取っても失うものはない。次の浜松開催（２０～２２日）でも頑張ります」
　ＧＩを飛び越えてＳＧタイトルホルダーの仲間入りを果たした篠原が、これからも熱い走りでオートレースを盛り上げる。（佐藤雄二）

　ナイターで開催された飯塚オートの『特別ＧＩプレミアムカップ』は最終日の２５日、第１２Ｒで優勝戦（１着賞金６００万円）が行われ、永井大介（４４）＝川口・２５期＝が、トップＳを切って逃げる伊藤信夫を７周３角でまくって快勝し、自身が持つ記録を更新する大会９度目のＶ。通算２５度目のＧＩ制覇を果たした。次走は８月６日からの川口ナイター開催の予定。３着には荒尾聡が入り、１番人気の鈴木圭一郎は４着に敗れた。

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　◆永井大介「自分が一番びっくりしています。Ｓは抜群に切れました。試走は滑ってしまって大丈夫かなと思ったけど、レースの後半もタイヤが食いついていた。エンジンも、もちろん良かった。（伊藤）信夫さんが滑っていたのか、締めていたので、様子を見ながら追っていたらタイミング良く外からまくれました。最近は不調だったから年齢のせいかと考えていたけど、エンジンやタイヤが良ければ勝てるのが分かったし、うれしかった。来月の伊勢崎ＳＧオートレースグランプリ（８月１１～１５日）では、仲間たちに胴上げをしてもらえるように、まだまだ頑張ります」

　山陽オートの『ＧＩＩ山陽王座チャレンジカップ』は１１日、第１２Ｒで優勝戦（１着賞金１６０万円）が行われ、岩科鮮太（４１）＝浜松２９期＝が優勝。大会初Ｖを飾るとともに、通算２度目のＧＩＩ制覇を果たした。２着には早船歩が入り、１番人気の鈴木圭一郎は、ゴール直前で渡辺篤を強襲するも３着に敗れた。

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　１１Ｒ発走直前に雨が降り出し、湿走路で行われた１０メートルオープンの優勝戦。２番手で飛び出した岩科が、２周４角で早船をかわして独走でゴールを駆け抜けた。「（田中）茂さんのアドバイスで、直前に雨タイヤに換えたことが正解でした。先頭に立ってからも音が聞こえている感じがしていたので必死でした。勝ててうれしい！！」と整備グループの先輩に感謝の言葉を述べて、喜びを爆発させた。

　「ずっと最高ハンデで戦えるように頑張りたい」と短い言葉に闘志を込めた岩科が、これからもマイペースで白星を積み重ねる。（佐藤雄二）

　飯塚オートで開催された『ＧＩＩミッドナイトチャンピオンカップ』は最終日の２日、第９Ｒで優勝戦（１着賞金１６０万円）が行われ、前田淳（４４）＝山陽２７期＝が勝利。業界初となるミッドナイト開催で行われたグレードレースを制し、初代夜王に輝いた。

　レースは波乱の展開となった。デビュー初優勝を目指した高宗良次が１０ｍオープンの最内枠からトップスタートを決めて先手を奪い、地元飯塚の支部長・有吉辰也が追ったものの、有吉が捕らえにかかったところで両者が絡んで落車。３、４番手から繰り上がった山陽２７期の前田、角南一如による同期対決へと持ち込まれた。

　内で我慢する前田の外から角南がまくりに行く構図が続いたが、最後まで耐え切った前田淳がＶゴール。１８年小林啓二杯（山陽・ＧＩＩ）以来となる通算４度目（ＧＩ・１Ｖ、ＧＩＩ・３Ｖ）のグレードレース制覇を果たした。２着には角南が入線し、後方から追い上げた伊藤信夫が３着。２連単７３９０円、３連単１万２０７０円の中波乱決着となった。

　ナイターで開催された伊勢崎オートの『ＧＩＩ稲妻賞』は最終日の２７日、第１２Ｒで優勝戦（１着賞金１６０万円）が行われ、高橋貢（５０）＝伊勢崎２２期＝が青山周平の猛追を退けて大会４度目のＶ。１４日に５０歳になったばかりの“絶対王者”が、自身の持つ歴代最多Ｖ記録を塗り替える２１０度目の優勝を成し遂げた。次走は７月７日からの山陽ＧＩＩ小林啓二杯の予定。３着には松本やすしが入った。

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　◆高橋貢「レース序盤ですごく食いついたし、タイヤが良かった。雨上がりの走路にエンジンの調整も合って、伸びも相変わらず良かったですね。コーナーの奥まで思い切って突っ込めたし、立ち上がりも決まっていた。でも、勝てるときはこんなもの。５０代に入って最初の開催だったので意識はしていました。老けたといわれたくなかったので（苦笑）。これからも、しつこいといわれるぐらい、まだまだ頑張ります」

　飯塚オートの『ＧＩ第６４回ダイヤモンドレース』は１３日、第１２Ｒで優勝戦（１着賞金３００万円）が行われ、荒尾聡（３９）＝飯塚２７期＝が優勝。６３回大会に続き２大会連続３度目のＶを飾るとともに、通算１１度目のＧＩ制覇を果たした。有吉辰也に競り勝った岩見貴史が２着。３着には角南一如が入った。

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　重富大輔のフライングによって再発走となった優勝戦。１枠からコンマ０８のタイミングで飛び出した荒尾が、後続を引き離してゴールを駆け抜け連覇を達成。

　「スタートは２回ともにドンピシャで切れた。勝負どころなので引けないです。あそこで踏ん張れたのが大きかった」。有吉との主導権争いを制したことを勝因に挙げた。

　「目いっぱい走った。地元だし、連覇も懸かっていたので、ゴールした瞬間はほっとしました。無観客で残念ですけど、次のプレミアムカップでは、緊急事態宣言も解除されると思うので、お客さんの前で、そこでも頑張りたい」

　地元の大エースは、すぐに気持ちを切り替え、特別ＧＩプレミアムカップ（飯塚、７月２１～２５日）を次のターゲットに定めた。（佐藤雄二）

　川口オートの『ＧＩＩ川口記念』は３０日、第１２Ｒで優勝戦（１着賞金１６０万円）が行われ、青山周平（３６）＝伊勢崎３１期＝が優勝。大会連覇を飾るとともに７度目のＧＩＩ制覇を果たした。２着は最後方から追い上げた中村雅人。３着には若井友和が入った。

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　不安定な走路を乗り切って青山がファイナルを制した。「序盤で外めを走って上がっていけた。先頭に立ってから内側を走ったら滑ったので、また外に切り替えました」と臨機応変にコース取りを変える頭脳プレーを披露。通算６００勝と重なるメモリアルのゴールを駆け抜けた。

　「泣きそうになるぐらいうれしい。何度１着を取っても、何度優勝してもうれしいけど、ちょうど区切りで決められたことがすごくうれしい」と喜びを爆発させた。

　「次の開催（伊勢崎、６月５～８日）でもしっかり練習して整備して、このコロナ禍でもレースさせてもらっているありがたみを感じて走りたい」。全国ランクＮＯ．１の実力を見せつけた青山が、これからもトップを走り続ける。（佐藤雄二）

　浜松オートの『ＧＩ開場６５周年記念ゴールデンレース』は１６日、第１２Ｒで優勝戦（１着賞金３００万円）が行われ、佐藤貴也（３６）＝浜松２９期＝が優勝。大会初＆通算５度目のＧＩ制覇を果たした。２着は鈴木圭一郎。１番人気に推された荒尾聡は３着に敗れた。

　０メートルオープンの６枠からコンマ０５のトップタイミングで飛び出した佐藤貴が、見事に“２強”を完封した。「ラッキーカラーの６枠を選んでよかった。Ｓは完璧だった。勝つにはあれしかないと思っていた」と満面の笑み。電撃スタートを勝利の要因に挙げた。

　鈴木圭と荒尾が何度か競り合うシーンもあったが、それぞれの猛追を抑えて堂々の逃げ切り。

　「今節はずっとＳが決まっていたし、エンジンも文句なしの状態だった。週間予報だと次回（浜松、２１～２３日）も雨予報なので、しっかり走れるように頑張ります」

　言葉に力を込めた“緑の稲妻”が、これからも走りとパフォーマンスの両面でファンを魅了する。（佐藤雄二）

　川口オートの『ＳＧ第４０回オールスター・オートレース』は２９日の第１２Ｒで湿走路の中、優勝戦が争われ、４周３角で先頭に立った鈴木圭一郎（２６）＝浜松３２期＝が圧勝。２０１７年以来、大会２度目のＶ＆通算９度目のＳＧ制覇を達成し、賞金１３００万円と年末に当地で開催される『スーパースター王座決定戦』トライアルの出場権を獲得した。終盤に追い上げた青山周平が２着、地元のホープ・黒川京介が３着。ＳＧ史上初めて２人が勝ち上がった女子レーサーは、佐藤摩弥が４着、岡谷美由紀は８着に敗れた。

　◇

　あいにくの空模様ながら、午後１時５０分に５０００人の入場制限に到達した川口オート。史上初めて女子２人が優出を果たしたファイナルだったが、制したのは鈴木圭だった。

　降りしきる雨の中、３番手で発進。トップＳから逃げた佐藤摩を４周３角でまくって先頭に立つと、後続を寄せ付けず、独走で歓喜のゴールを駆け抜けた。

　「試走から滑っていたけど、タイムが出ていたので、自信を持ってレースにいきました。摩弥さんのインが堅くて行けそうになかったので、外から思い切って行った。先頭に立ってからも余裕がなかったので、最後まで全力を出し切りました。ゴールしたときは、ホッとしたのと同時にうれしかった」

　近況はスタートに悩んでいたが、ここ一番でしっかり決めてきた。昨年は１１月の当地・日本選手権ファイナルで落車するなど、ＳＧ戦線で苦い経験をしたが、それでも諦めることなく整備に打ち込んだ。常に上を目指す姿勢は変わらない。

　２月に地元の浜松で行われた全日本選抜で準Ｖ。そして今大会を制し、完全復活の日は近い。

　「（ＳＧを）なかなか取れそうで取れなかったし、きょう勝ててすごくうれしい。でも、準決勝が２着だったから９５点です（笑）。これからもファンの期待に応えられるように、一生懸命頑張ります」

　勢いをつけた圭一郎が、これからも大好きなオートレースと向かい合う。（佐藤雄二）



【女子はサトマヤ４着、岡谷８着】

　史上初めてＳＧで女子２人が勝ち上がったファイナルだったが、佐藤摩弥（川口）は４着、岡谷美由紀（浜松）は８着に敗れた。

　電撃スタートから逃げたものの、昨年大会と同様４着に終わったサトマヤは「滑ってペースが遅いのは分かっていた。でも、スタートは最高です。最低限のレースはできた」。女子初のＳＧ制覇はならなかったが、苦手な湿走路でＳＧ優勝戦ポイント７点を獲得し、「車券に絡みたかったけど、年末は見えてきた」と３年連続となるＳＳトライアル進出へ前進した。

　一方、ＳＧ初優出だった岡谷は「緊張せずにいつも通りに臨めた。精いっぱいやれました」と振り返った。

　山陽オートの『ＧＩ令和グランドチャンピオンカップ』は１８日、第１２Ｒで優勝戦（１着賞金３００万円）が行われ、丸山智史（３４）＝山陽３１期＝が優勝。ＧＩ初制覇を果たした。２着は同期の渡辺篤。３着には中村雅人が入り、人気の青山周平は５着に敗れた。

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　０メートルオープンの６枠から２番手で飛び出した丸山が、５周１角で渡辺篤をかわして先頭に立った。「スタートに集中して思い切っていけた。追っていてきつかったけど、後ろの音も聞こえなかったし、ナベさん（渡辺篤）が滑らせていたので冷静にいけました」と勝負どころを振り返る。

　上がりタイム３秒３５１の好タイムをたたき出し、後続を引き離してのフィニッシュ。歓喜のＧＩ初制覇を成し遂げたが、「力んで息もできなかった。まだ（優勝した）実感はないです」とはにかんだ。 　節目の通算２００勝と重なるメモリアル勝利を決めた丸山。「投票していただいて出られるので、車券で貢献したい」。余韻に浸る間もなく、次回の川口ＳＧオールスター（２５～２９日）での活躍を誓った。（佐藤雄二）