【矢作芳人調教師 信は力なり】JC外国馬不在の意外な理由

2019.11.27 05:03更新

矢作芳人調教師

 史上初めて外国調教馬0となったジャパンカップは売り上げ、入場人員ともにダウンとなった。入場人員に関しては当日の天候の影響があったと推測されるが、売り上げについては外国馬不在の影響が少なからずあったと思われる。このことについてJRAを批判される方は多い。確かに、検疫施設そして検疫システムの改善、今では世界的に超高額とはいえない賞金額、もっと魅力的なボーナスなど再考し改善すべき点は多々あるだろう。しかし海外の関係者と話をすると、意外な日本の弱点を指摘する方が複数人いた。それは日常的に英語が通じず、通訳を必要とするという点だった。

 確かに、欧米はもちろんドバイや香港でも英語がしゃべれれば不自由な思いをすることはほとんどない。有力な競馬先進国の中では日本人の英語力が最も低いのだ。東京オリンピックを控えて改善はされてきたと感じるが、こればかりはJRAや競馬サークルの努力だけではいかんともしがたい。

 そして、当然海外関係者の誰もが口にするのが日本馬の強さである。勝つ見込みが薄いのに、遠い日本まで一流馬を連れて来られないというのは本音だろう。日本馬を強くするために創設されたジャパンカップに日本馬が強すぎるから外国馬が来ないとは何とも皮肉な話だが、競馬サークルの一員としてはある種の達成感もある。調教師としては、来年以降どんな強い馬が遠征して来ても日本馬の強さを見せられるよう努力を続けるだけだ。

 既報の通り、わが厩舎の女王リスグラシューが有馬記念をもって引退する。彼女が全能力を発揮できるよう精いっぱい仕上げるので、ファン投票ならびにご声援宜しくお願いします。

矢作 芳人(やはぎ・よしと)

 1961(昭和36)年3月20日、東京生まれの58歳。父は大井競馬の矢作和人元調教師。東大合格者を多数輩出する開成高を卒業後、豪州で修業し、84年に栗東トレセンへ。厩務員、調教助手を経て2005年に調教師として厩舎開業。14、16年にJRA賞(最多勝利調教師)獲得。26日現在、JRA通算621勝。重賞は35勝で、うちGIは12年の日本ダービー(ディープブリランテ)など7勝。海外GI勝ちは16年ドバイターフ(リアルスティール)、19年コックスプレート(リスグラシュー)。趣味は競輪、サッカー観戦など。