【矢作芳人調教師 信は力なり】ラヴズオンリーユー期待と不安が半々

2019.5.15 05:04更新

矢作芳人調教師

 しばらくの間、お休みをちょうだいしたが、今回から以前と同じく隔週で掲載させていただく予定。またよろしくお願いします。

 今週はオークス。管理馬のラヴズオンリーユーが出走を予定している。どうも思った以上に人気しそうで、調教師としてはプレッシャーを感じる日々である。彼女に関しては、まず能力の高さは疑いようがない。調教後の息の戻りがとても早いし、心拍数などの数値も優秀である。兄のリアルスティールと違って、レース前のイレ込みがそれほどではない点も長所の1つだ。

 ただ、今回に関しては乗り越えなければならない課題も多い。キャリア4戦目という経験値の浅さ、東京への初輸送、初めての多頭数、2400メートルの距離、そして一線級との初対戦。期待と不安が半々で、応援してくれるファンの皆さんと同じような心境といえる。腸内細菌の分析をした結果、環境の変化に弱いことがわかったので、東京にはレース前々日の金曜日に輸送するスケジュールに決めた。とにかく、厩舎としてはベストの状態で出走させられるよう努力するだけだ。温かい目で応援してほしい。

 2週間後の安田記念には、昨年勝たせていただいたモズアスコットが出走する。主戦のルメール騎手がアーモンドアイに騎乗するため騎手を検討していたが、オーナーと相談の結果、弟子の坂井瑠星を乗せることに決まった。近走、結果が出ていないが、敗因はフィジカルよりもメンタル面だと考えている。そこで、毎日調教でコンタクトを取れる瑠星になったという経緯である。師匠から見ればまだまだであるが、豪州遠征でかなり成長したのは確かだ。若さと勢いに賭けてみる。

矢作 芳人(やはぎ・よしと)

 1961(昭和36)年3月20日、東京生まれの58歳。父は大井競馬の矢作和人元調教師。東大合格者を多数輩出する開成高を卒業後、豪州で修業し、84年に栗東トレセンへ。厩務員、調教助手を経て2005年に調教師として厩舎開業。14、16年にJRA賞(最多勝利調教師)獲得。14日現在、JRA通算586勝。重賞は31勝で、うちGIは12年の日本ダービー(ディープブリランテ)など5勝。海外GI勝ちは16年ドバイターフ(リアルスティール)。趣味は競輪、サッカー観戦など。