【ジャパンC】アーモンドは化物過ぎる!国枝師「ホッとした」

2018.11.26 05:05更新

大観衆が見守るなかゴール前で、アーモンドアイ(左)が力強く抜け出す。驚異の世界レコードでGI4勝目を飾った(撮影・田村亮介)

 第38回ジャパンカップ(25日、東京11R、GI、3歳上オープン国際(指)、定量、芝2400メートル、1着本賞金3億円=出走14頭)前年の覇者も古馬のタイトルホルダーもあっさり退けた。1番人気のアーモンドアイが、2012年のジェンティルドンナ以来となる史上2頭目の3歳牝馬のVを達成。2分20秒6(良)の世界レコードで、国内最強をアピールした。この後は、有馬記念は使わず来年のドバイ遠征に備える。

 アーモンドアイの圧倒的な内容、2分20秒6の驚異的なレコードタイムに、国枝調教師の表情は緩みっぱなしだった。

 「ロンジンの時計は優秀だから、こんなに速いタイムになったんだろ。俺の腕時計はもっと遅かったよ」

 相変わらずの国枝節で周囲を笑わせたが、「すごく期待していたし、たぶん大丈夫だろうと思っていたけど、その通りの結果になってホッとしたよ」。やはり重圧との戦いだったようだ。

 トレーナーが最も懸念していたのは折り合い。だがスタートしてすぐ不安は吹き飛んだ。「ゲートを出て、いい位置が取れた。コントロールも利いていたし、これならと安心した」。さらに、1000メートル通過59秒9とモニターに映し出されたのを見て、「いける!」と勝利を確信した。

 踏み込みが深く、後肢と前肢がぶつかるため、秋華賞では前肢の蹄鉄(ていてつ)はけがをしないようにクッションを付けたものを使用していたが、今回はさらに改良したものを使用。負けられない大一番に万全の態勢で挑んでいた。その結果、生み出された超高速タイム。もう国内に敵はいない。

 今後についてはオーナーサイドとの協議で決められるが、「きょうはグローバルなレースで勝てたし、外国に出て行けたら、と思います」と、視線は世界へ向いている。来春の目標はドバイ国際競走になるのだろうが、大目標はやはり日本馬の悲願、凱旋門賞制覇だ。

 「みなさんが考えているようなレースに行きたいですね」

 今年、トレーナーとして30年目を迎えた国枝調教師。節目の年に出現した超大物。来年はアーモンドアイとともに世界を駆け回り、新時代を切り開いていく。 (柴田章利)

★シルク・米本代表「夢を現実にしてくれる馬」

 生産者のノーザンファーム・吉田勝己代表(70)は、「化け物過ぎる。恐怖さえ感じるね」と、その強さに舌を巻いた。馬主の(有)シルクレーシング・米本昌史代表(43)も「来年の青写真を描く上で試金石の一戦だったが、これで(日本の)トップホースであることをはっきりと確認できた。夢を現実のものにしてくれる馬。今後は海外を意識せざるを得ない」と感激の表情で話した。今後について吉田代表はドバイターフ(3月30日、ドバイ・メイダン、GI、芝1800メートル)か、ドバイシーマクラシック(同、芝2410メートル)になると明かした。

 生産者のノーザンファームは2年連続のVで今年のGI12勝は、同牧場が昨年に記録した11勝を上回る年間記録。同牧場の進撃はとどまるところを知らない。

 アーモンドアイの活躍で、父のロードカナロア(社台スタリオンステーション)の評価は急上昇。種付け料は今年の800万円から来年は1500万円になることが先日発表された。

 母は昨年の2月28日にルーラーシップの子を出産した後に死んだが、その最後の1歳牡馬は堂々たる馬体で大きな評判を呼んでいる。

★入場&売り上げ

 25日の東京競馬場の入場人員は前年比91.2%の9万8988人で、ジャパンCの売り上げも同92.3%の204億7549万1300円と、ともにダウンした。出走馬が14頭と少なめだったことも影響したとみられる。JBC3レースを除く今年の平地GI19レース中、フェブラリーS、大阪杯、皐月賞、天皇賞・春、宝塚記念、天皇賞・秋、エリザベス女王杯に次ぐ8レース目の売り上げダウンとなった。

★アラカルト

 ◆牝馬のV 9勝目だが、今年を含む過去10回では6勝と牡馬を上回っている。また、3歳馬は7勝目。他は4歳18勝、5歳10勝、6歳2勝、7歳1勝。

 ◆GI4連勝 桜花賞、オークス、秋華賞に次ぐ勝利で、GI以外のレースを挟まない4連勝は史上初。

 ◆クリストフ・ルメール騎手 JRA・GIはJpnIのJBCスプリントのグレイスフルリープに次ぐ今年8勝目で、自身の年間最多勝記録を更新。通算では歴代8位タイの22勝目。

 ◆国枝栄調教師 3度目の挑戦で初勝利。JRA・GIは歴代6位の15勝目。

 ◆ロードカナロア産駒 現3歳が初年度産駒で、JRA・GIは前週のマイルCSのステルヴィオに次ぐ5勝目。

 ◆日本馬 06年ディープインパクトから13連勝で、関東馬は08年スクリーンヒーロー以来の5勝目。他は関西馬19勝、米国、英国が各4勝、アイルランド、フランス、ニュージーランド、オーストラリア、ドイツ、イタリアが各1勝。

 ◆1番人気&馬番(1) 1番人気は16年キタサンブラック以来の8勝目。馬番(1)は3連勝での5勝目。最多は(14)番の6勝。

 ◆単勝支持率 53.4%(140円)は06年ディープインパクト(1着、130円)の61.2%に次ぐ2位。