【川崎記念】レース展望

2018.1.30 19:14更新

中央・地方合わせてGI3勝の実績を誇り、このレースも2年連続で2着に好走しているサウンドトゥルー

 31日(水)に川崎競馬場で、2018年最初のGIとなる第67回川崎記念(交流GI、4歳以上オープン、定量、ダート・左2100メートル)が行われる。今年はフルゲート割れの10頭立てになったものの、GIウイナーが多数揃い「少数精鋭」なメンバー構成になった一戦だ。

★あるか“3度目の正直”サウンドトゥルー

 注目一番手は、中央・地方合わせてGI3勝の実績を誇り、このレースも昨年、一昨年と続けて2着に好走しているサウンドトゥルー(美浦・高木登厩舎、セン8歳)。

 2012年のデビューからコンスタントに走り続け、今回が通算47戦目。年が明けて8歳を迎えたものの、昨年末の東京大賞典でもコパノリッキーの2着に善戦しているように、大きな力の衰えはないと言っていいだろう。

 川崎コースは前2年のこのレースの他に、16年のJBCクラシック(3着)でも走っており【0・2・1・0】と好相性だが、そもそも地方の交流重賞では【3・5・4・2】、複勝圏を外した2回はいずれもGIの舞台で4、5着とまったく崩れていない。“3度目の正直”で過去2年の雪辱を晴らす可能性がありそうだ。

★展開のカギを握るケイティブレイブ

 出走メンバー10頭を見ると、ペースを握りそうな逃げ馬が不在。そんな中で主導権を奪う可能性がありそうなのが、昨夏の帝王賞で悲願のGIタイトルを獲得したケイティブレイブ(栗東・目野哲也厩舎、牡5歳)だ。

 初のGI勝利となった帝王賞は、スタートで出遅れながら誰もが驚く追い込みを決めての勝利だったものの、これまでのレースを振り返ると本来は先行して結果を出してきた馬。スタートさえ五分に出ればすんなり先手を奪う可能性が高そうである。

 どちらかというと右回りコースの方が結果が出ているのが気になるところだが、左回りでも16年浦和記念の圧勝の実績がある。川崎記念は5着止まりだった昨年に続いての参戦となるが、昨年は、好位を追走しながら楽に逃げた馬に突き放されての敗戦で、悲観する必要はなし。逆に展開利がありそうな今年は、見せ場以上の走りを見せてくれそうだ。 なお、ケイティブレイブを管理する目野哲也調教師は、2月末の定年まであと1カ月を残すのみとなっている。管理馬をGIの舞台に送り出すことができるのは今回、そして2月18日に東京競馬場で行われるフェブラリーSが最後だけに、勇退直前にタイトル獲得なるかという点も話題となっている。

★秘める能力は超一流アウォーディー

 5歳秋までは芝のレースを使い続け準オープン止まりだったものの、ダートに路線変更してから破竹の勢いで連勝を伸ばし、一気の6連勝で16年JBCクラシックを制したアウォーディー(栗東・松永幹夫厩舎、牡8歳)も注目の一頭。

 GIホースになって以降は1年以上勝利から遠ざかっているものの、世界の強豪と戦ったドバイワールドカップも含め、すべて5着以内と掲示板は外していないだけに、きっかけひとつで再び連勝街道に乗るだけの可能性を秘めている。

 初のGI制覇となったJBCクラシックは川崎記念と同じ川崎2100mで開催されたものだけに、今回の舞台は不安なし。05年タイムパラドックス、10年ヴァーミリアン、12年スマートファルコンと、このレースを3度制している武豊騎手の手綱捌きにも注目したいところだ。

★意外性があるアポロケンタッキー

 16年東京大賞典でGIホースとなったアポロケンタッキー(栗東・山内研二厩舎、牡6歳)は中央・地方合わせて重賞3勝の実績があるが、4、5、4番人気での勝利といずれも人気馬の影に隠れた扱いの時に激走しているように、意外性がある一頭。

 オープン入り後は好走と凡走の繰り返しでなかなか人気にはならないが、昨秋の日本テレビ盃でも壮絶な競り合いの末、今回も出走しており上位人気になりそうなサウンドトゥルー、ケイティブレイブを負かしている。

 東京大賞典制覇時も、アウォーディー、サウンドトゥルー、さらには昨年末に引退したコパノリッキーといった強豪が相手だった。前走は4着に敗れているものの、チャンピオンズCを取り消して仕切り直しの一戦だったことを考えれば悪くない内容だっただけに、人気にはならなくても激走する可能性があることを頭に入れておきたい。

★6歳秋にして素質が開花メイショウスミトモ

 明け7歳になるメイショウスミトモ(栗東・南井克巳厩舎、牡7歳)は、昨秋のシリウスSで重賞初制覇。それまでオープン特別2勝の実績こそあったものの、7度挑戦していた重賞では最高6着と結果が出ておらず、11番人気という低評価の中での激走だった。 初重賞制覇の勢いで挑戦したチャンピオンズCは大敗したものの、昨年暮れの名古屋グランプリは着差以上の力差を見せて勝利。ここにきて、一番の充実期を迎えたといえるのではないか。

 また、騎乗する古川吉洋騎手にとっては、アインブライドとのコンビで制した97年阪神3歳牝馬S以来、20年ぶりとなるGI制覇のチャンス。フェブラリーSに出走予定のテイエムジンソクにも騎乗予定で、今年のダート戦線で古川吉洋騎手がブレイクするシーンを見ることができるかもしれない。

★南関の名手で復活なるかグレンツェント

 昨年の東海Sで2度目の重賞制覇を果たして以降、1年以上勝利から遠ざかっているグレンツェント(美浦・加藤征弘厩舎、牡5歳)は、昨秋のJBCクラシック以来2度目となる南関東の名手・森泰斗騎手とのコンビで復活を図る。

 デビュー当初のグレンツェントは、世代トップクラスの評価を受けていた。芝の新馬戦こそ5着止まりだったものの、ダートに路線変更してからはオール3着以内という成績を維持しながらレパードS、東海Sと重賞を2勝。GIの舞台での活躍を期待されていたが、近4走は9、10、5、10着と大敗が続いてしまった。

 そんな中で今回の鞍上に選ばれたのが、船橋競馬所属の森泰斗騎手。初コンビとなったJBCクラシックでも5着とそれなりの形にはなったが、半年ぶりの復帰戦だったことや、2度目で馬の感触をわかっている上積みも考えれば、当時以上の走りを見せてくれる可能性は高そうだ。

★地方馬だからと侮るなかれディアドムス

 今年の川崎記念は他地区からの参戦がなく、中央勢6頭+南関東勢4頭という組み合わせ。近年の交流重賞戦線を見ると中央勢が有利なのは疑いようがないが、南関東勢の中にも侮れない馬がいる。

 大井競馬のディアドムス(大井・森下淳平厩舎、牡6歳)は元々は中央競馬に所属していた馬で、2歳の暮れには交流GIの全日本2歳優駿を制した実績を持つ。その時に騎乗した三浦皇成騎手にとって、これがGI初勝利だったことで覚えている方も多いのではないか。

 晴れてGIホースとなったディアドムスだったが、明け3歳以降は苦戦が続き、準オープンに降級後にアレキサンドライトSを勝利したものの、それが唯一の勝利。5歳秋に、復活を目指して南関東に移籍した。

 移籍当初こそ環境の変化に戸惑ったのか連敗してしまったが、さすがにそこは交流GI勝ちの実績がある実力馬。移籍3戦目の勝島王冠、続く報知オールスターCとともに圧巻の走りで連勝し、2歳時の輝きを取り戻した。勢いに乗って迎える大一番には“古巣”の中央から今を輝く実力馬が大挙出走してくるが、地方競馬の代表として見せ場を作ることが出来るだろうか。

 なお、南関東からは他に地元川崎のイッシンドウタイ(川崎・内田勝義厩舎、牡9歳)、昨年末の東京大賞典に続いての交流GI参戦となるコスモカット(大井・宗形竹見厩舎、牡5歳)、出走メンバー唯一の4歳馬となるキャッスルクラウン(船橋・渋谷信博厩舎、牡4歳)の3頭が出走を予定している。