【産経賞セントウルS】レース展望

2017.9.4 16:06更新

オープン特別2連勝、アイビスSD2着と活躍を続けるフィドゥーシア。名牝ビリーヴを母に持つ良血がここにきて開花した印象だ

 秋競馬の足音を感じながら、開催は中山、阪神へと場所を移す。日曜阪神メインは第31回産経賞セントウルS(9月10日、GII、芝1200メートル)。サマースプリントシリーズ(全6戦)の最終戦で、夏の短距離王を目指す面々や、スプリンターズSを見据えて始動する実績馬などの快速馬がそろい、大激戦が期待される。

 安定感ではフィドゥーシア(栗東・松元茂樹厩舎、牝5歳)がナンバーワンだろう。3走前に春雷Sを勝つと、続く韋駄天Sを逃げ切ってオープン特別を連勝。前走のアイビスサマーダッシュは、ハイラップで逃げたぶん、最後に急襲されたが、抜群のダッシュ力を見せてクビ差2着に好走した。2002年スプリンターズS、03年高松宮記念を制したビリーヴを母に持つ良血が開花してきた感がある。1200メートルに限れば、今年2戦2勝。勝てばサマースプリントシリーズ優勝が決まるだけに、重賞初制覇でGIの舞台に弾みをつけたいところだ。

 ラインミーティア(美浦・水野貴広厩舎、牡7歳)の勢いも侮れない。前走のアイビスサマーダッシュで、中団から上がり最速の31秒6の末脚で重賞初制覇。格上挑戦の身ながら、抜群の決め手を繰り出した。活躍の中心は千直で、芝1200メートルでの勝利は14年7月までさかのぼるが、磨きがかかってきた末脚は、ここでも脅威。開幕週で先行有利が予想されるが、展開次第では重賞連勝もある。勝てば文句なしのサマースプリントシリーズVだが、2~4着でも優勝の可能性があるだけに、勝負気配が漂う一頭だ。

 ダンスディレクター(栗東・笹田和秀厩舎、牡7歳)も、雪辱に向けて態勢を整えてきている。前走はシルクロードSを連覇。高松宮記念にはずみをつけたかに見えたが、左第1指骨剥離骨折を発症して休養の憂き目に遭った。今回は7カ月半ぶりの実戦となるが、入念に乗り込みを消化。笹田和秀調教師は「休養前と変わらず、いい雰囲気で挑めそう。回数を使っていないから、7歳でも馬は若い。むしろ落ち着きが出てきたのは好材料」と成長も感じ取っている。前走の2着馬セイウンコウセイが続く高松宮記念を制したことからも、地力上位は確か。昨年7着のリベンジも含め、復帰戦に注目だ。

 メラグラーナ(栗東・池添学厩舎、牝5歳)は、3走前に夕刊フジ賞オーシャンSで初タイトルを獲得した。一気の頂点取りを目指した高松宮記念は10着、続くCBC賞も10着に敗れたが、池添学調教師は「敗因はよく分からないけど、もまれ弱く、キックバック(芝の跳ね返り)を嫌う」と分析し、1週前追い切りでは3頭併せの真ん中で集中力を持続させるなど、調教を工夫している。右回りの芝1200メートルは5戦3勝、2着1回だけに、巻き返す可能性は十分にあるだろう。

 スノードラゴン(美浦・高木登厩舎、牡9歳)は、今回のメンバーで唯一のGI馬。高松宮記念7着、前走のCBC賞も0秒3差5着と、9歳となった今年も堅実な末脚を誇示している。昨年のセントウルSも0秒3差5着に好走しており、ペースが速くなれば上位争いに加わってきそうだ。

 ファインニードル(栗東・高橋義忠厩舎、牡4歳)は、オープン再昇級初戦の北九州記念で0秒2差の5着に善戦。着実に力をつけてきた印象だ。阪神芝1200メートルは【2・1・0・0】と得意にしている。条件替わりは大歓迎。使われている強みとコース適性を考えると、実績馬相手でも見劣りはしない。

 アルティマブラッド(栗東・音無秀孝厩舎、牝5歳)は前走の北九州記念で0秒3差(6着)に好走。3走前に春雷Sで勝ち馬フィドゥーシアとタイム差なしの3着があり、力関係を思えばここでも上位の見立てができる。母アルティマトゥーレは5歳時の09年にセントウルSで重賞初制覇。母と同時期で成熟を迎えつつある今なら、初タイトル奪取もありそうだ。

 その他、今年の阪急杯2着のヒルノデイバロー(栗東・昆貢厩舎、牡6歳)、昨年3着のラヴァーズポイント(栗東・高橋康之厩舎、牝7歳)など、重賞実績馬も上位をうかがう。

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