【クイーンS】GI馬の貫禄!アエロリット古馬を圧“逃”
2017.7.31 05:07更新

第65回北海道新聞杯クイーンステークス(30日、札幌11R、GIII、3歳上牝馬オープン国際(特指)、別定、芝1800メートル、1着本賞金3600万円 =出走13頭)横山典弘騎乗の2番人気、アエロリットが好スタートからハナを切ってそのまま逃げ切った。タイム1分45秒7(良)。NHKマイルC1着以来のレースで、成長した姿を見せつけた。秋の目標は秋華賞(10月15日、京都、GI、芝2000メートル)となる見込み。ヴィクトリアマイルを勝った1番人気のアドマイヤリードは、伸び切れず6着に敗れた。
鮮やかすぎる逃走劇に、北のファンが酔いしれた。NHKマイルC勝ち以来の出走となったアエロリットが、まさかの大逃げでV。GI馬の貫禄を見せつけた。
「スピードがあるからね。(ハナへは)馬が勝手に行っただけ。いつもどおり、気分を損ねないように乗ったよ」
札幌開催のクイーンSを初めて制した横山典騎手は、現在施行されている北海道の8重賞を完全制覇。史上初の快挙となった。
名手の読みがさえ渡った。内めの(2)番枠から馬なりでハナを奪うと、ぐんぐん後続との差を広げ、向こう正面では10馬身近いリード。3コーナー過ぎに差が詰まるとスタンドがどよめいたが、直線ではさらに差を広げてゴールまで楽々と押し切った。
「52キロだし、(ペースが)速いのかなとも思ったけど、それほど速く感じなかった。暑い中でよく頑張ってくれたね」
ジョッキーは改めてGI馬の底力に敬服の様子だ。菊沢調教師も「ゲートを五分に出たら行くこともある、と思っていたし、ジョッキーにも行っていい、といっていた。変にごちゃつくよりいいですから」と、鞍上の好判断をたたえた。
この日の馬体重はプラス18キロで、デビュー以来最高の496キロ。「しっかり調教を消化していたし、見た目も乗った感じも太くなかった。いい時期にいい成長をしてくれたし、まだ大きくなると思う」と進化を続ける姿にトレーナーは目を細める。
今後については放牧に出て、状態を見て決められるが、秋は「3歳の女の子ですからね。そういうところが目標かな」と、秋華賞を示唆。勝ちきれなかった2歳秋から桜花賞までの苦しい時期を抜け出し、連勝したアエロリット。成長を続ける3歳女王は、これからどこまで勝ち続けるのか、注目だ。 (柴田章利)