【目指せトップレーサー(113)】表健太

2020.8.12 05:00更新

表健太

 亡き祖父のためにも、いつか大舞台で晴れ姿を披露したい。

 「外からどんどん握っていって“握り屋のケンちゃん”と呼ばれるくらい積極的なレースで活躍できるようにがんばりたい」と、表は気合十分に語る。

 ボートレーサーになるきっかけは祖父の影響だ。

 「じいちゃんがレーサーで小さいころからレースを見ていて、あこがれていました」

 祖父は三小田(さんこだ)昭光さん。2011年に引退するまで生涯の戦績は136優出で優勝28回。通算1525勝を数える往年の名レーサーだ。

 中学卒業と同時に養成所への受験を開始した表だが「一次試験でずっと落ちていました」と苦しい日々が続いた。高校卒業後は専門学校で2年間勉強。そして社会人として車関連の仕事に就いた。

 もう、レーサーの夢を半分はあきらめていた。そんなとき「じいちゃんにガンがみつかった」と振り返る。

 「やっぱり選手になった姿を見せたかった。『選手になる』っていったとき、すごく喜んでくれたし。半年間、受験勉強して、もう一度養成所にトライしたら合格。やっぱりじいちゃんはすごく喜んでくれた」

 デビュー節の初日に三小田さんは病を押して、孫の晴れ舞台を観戦した。どれだけ誇らしかったかは想像に難くない。

 「じいちゃんは最終日の次の日に亡くなりました。すごくがんばってくれたんだと思います。目標の選手は三小田昭光。僕もがんばります」

 “じいちゃん孝行”はまだ始まったばかりだ。(田中功夫)