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2019.3.15 20:02

地方歴代3位6269勝の石崎隆之騎手が引退式でファンに別れ

かけつけた戸崎圭太騎手(左)、横山典弘騎手(右)とともに記念写真に納まる石崎隆之騎手

かけつけた戸崎圭太騎手(左)、横山典弘騎手(右)とともに記念写真に納まる石崎隆之騎手【拡大】

 地方競馬歴代3位の通算6269勝を挙げた石崎隆之騎手(63)=船橋・騎手会所属=が15日、船橋競馬場で引退式に臨んだ。勝負服と同じピンクと緑のカラーが随所にあしらわれた競馬場には多くのファンが集まり、名手との別れを惜しんだ。

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 引退式に先がけて会見場にスーツ姿で現れた石崎騎手は、決断の理由を説明。「昨年の7月に病気になり、半月くらい入院しました。それから馬に乗らなくなり、筋肉も大分落ちて年齢も年齢ですし、秋頃に“もう(免許更新)試験は受けなくてもいいんじゃないかな”と、このへんで辞めようかなと決断しました」と経緯を語った。

 昨年は50戦2勝に終わり、7月17日の浦和6R(マスオ4着)以降は騎乗していない。結果的に最後の騎乗となった一戦について、「そのときは辞めるつもりはなかった」と振り返る。病気になるまで、引退は考えていなかったことを明かした。

 約45年の騎手生活。地方競馬歴代3位の勝ち鞍を積み上げ、「最高で、できすぎなくらい。いろんなレースを勝たせてもらいましたし、幸せな騎手人生だった。悔いはないです」と穏やかな笑みで振り返った。

 アブクマポーロ(東京大賞典、帝王賞)、トーシンブリザード(無敗で南関東4冠達成)などの名馬で重賞189勝。JRAでもワールドスーパージョッキーズシリーズに優勝(1994年)するなど活躍した。「(アブクマ)ポーロにしても、トーシン(ブリザード)、トムカウントにしても、みんな馬に感謝ですね」。職人らしく、馬に功を譲った。

 アブクマポーロで制した97年の東海ウインターSは「中央の馬はかなり強いですから、あの馬もよく勝ってくれた。レースとしては後ろからだったんで、勝つとか思っている間もなくて。覚えているのは、最後すごい脚を使ってくれて“よく届いたな”ということ」と記憶をたどり、トーシンについても「競馬が上手だったし、安心して乗っていられた」と述懐。重賞Vを積み重ねた名馬たちとの思い出を振り返った。

 長男の駿騎手が勝利を飾った余韻が残る7R終了後のウイナーズサークルで行われた引退式。詰めかけた大勢のファンに向けて「長い間、ご声援いただきありがとうございます」と挨拶した。その石崎騎手を長年支えてきた夫人の恵子さんは「とにかく真面目だし、自己管理をしっかりしているので食事は気を使いました。ナイターのときは朝寝ているので、それを妨げないようにするのが苦労しました。免許更新の紙を見ながらずっと悩んでいたし、書類を出さなかったときに“辞めるんだな”と思った。最後は勝負服で息子と乗っている姿を見たかったですが、“ありがとう、お疲れさま”と言いたい」と涙ながらに式を見届けた。

 最後は後輩たちに向けて「カッコよく、けがしないで、自分の騎手人生に悔いのないようにやってもらいたい」とエールを送り、息子・駿騎手にも「送る言葉はないけど、頑張ってやってくれれば」とメッセージ。今後は競馬に関わらないと明らかにした。船橋が生んだ偉大なる名手が騎手生活に終止符を打ち、静かにムチを置く。

 ◆石崎隆之(いしざき・たかゆき)1956(昭和31)年1月29日生まれ、63歳。北海道出身。勝負服は胴桃・右緑たすき、そで緑。73年7月に船橋でデビュー。地方競馬の全国リーディングに9度輝き、NARグランプリでは第1回から13年連続で最優秀騎手賞を受賞。地方通算3万6121戦6269勝。JRA通算1089戦74勝。重賞は98年交流GI東京大賞典(アブクマポーロ)など189勝。

 ◎長男の石崎駿騎手 「父親というより、生まれたときから活躍していた。なので“石崎隆之騎手”というイメージが強い。騎手としては、とにかく“うまい”。仕掛けのタイミング、どんな場面でも慌てることなく騎乗する度胸、レースの勝ち方を知っているジョッキーだった。口では教えてくれないので、とにかく見てものにした。ご苦労さまです。今までありがとうございました。感謝しかないです」

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