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2016.8.24 04:49

【南関散歩道】すべての競馬を愛した石川ワタル氏

 競馬評論家の石川ワタル氏が20日に亡くなった。69歳だった。

 石川氏といえば海外競馬というイメージだが、中央競馬はもちろん、交流重賞の日には忙しい仕事の合間を縫って南関東の競馬場で観戦するなど、すべての競馬を愛していた。

 大御所でありながら、偉ぶることのない気さくな人柄で、得意技はダジャレ。それも、支払いのときに「それは高すぎ…。晋作でしょ」といった迷作ぞろい。しかし、この石川節が飛び出すと不思議と座が明るくなった。

 棺の前に飾られた遺影は愛妻と凱旋門賞に行ったときにロンシャン競馬場で撮影したもの。馬柄のエルメスのネクタイをし、ふっくらとした笑顔でおさまった姿は、まさに私たちの知る“石川さん”だった。

 筆の力を信じ、「世界の中での日本競馬のありかた」について書き続けた。くしくも、この秋の凱旋門賞から石川氏が長年訴えていた日本国内での海外競馬の馬券発売が実現する。それを見ることなく、石川氏は旅立ってしまった。

 「いい仲間に囲まれて、悔いのない人生だった」と最後まで夫人に話していたという。

 競馬に一生をささげた大先輩の遺志を、みなで引き継いでいきたい。(志賀)