競輪:ニュース競輪

2020.9.21 17:30

中本匠栄がビッグ初V!山田英明が失格で繰り上がり

ビッグレース初制覇の中本は、繰り上がりVに神妙な表情で賞金ボードを掲げた=伊東競輪場(JKA提供)

ビッグレース初制覇の中本は、繰り上がりVに神妙な表情で賞金ボードを掲げた=伊東競輪場(JKA提供)【拡大】

 伊東温泉競輪場で開催された『第36回共同通信社杯競輪』(GII)は最終日の21日に第12レースで決勝戦が行われ、2位入線の中本匠栄(33)=熊本・97期=が繰り上がりで優勝。賞金2170万円(副賞含む)を手にした。ビッグレース制覇は初めて。1位で入線した山田英明は押し上げで失格。松浦悠士が2着、園田匠が3着に繰り上がった。人気を集めた脇本雄太は7着に沈んだ。

 選手生命を脅かされた大けがから3年―。一番苦い思い出があるバンクでビッグレース初の決勝進出を果たした中本が、表彰台に立った。

 「うれしいよりも、ヒデさん(山田)の失格の方が大きいですね…。まずは3番手でサポートすることを考えていたので」

 九州4人が一丸となって臨んだ決勝戦。山崎の番手からまくり上げた山田に必死に食らいつき、2番目にゴールを通過した。だが、新田を張りながら真っ先にゴールを駆け抜けた山田は押し上げで失格。笑顔は少なめだった。

 「でも、ラインとしては一番いい形にもっていけたと思います。(伊東は)苦手なイメージがあったけど、これを機に得意バンクにしていきたいですね」

 2017年9月21日にこの伊東で落車。頸椎骨折の重傷を負った。今大会は恐怖心との戦いでもあった。だが、ちょうど3年後の同じ日に、ラインの力で東京五輪代表組を撃破。3年間苦しんだ不安を一掃した。

 「自分はけがが多いタイプ。でも、復帰の仕方や調整のやり方などを周りに助けてもらって、ここまで来ることができました」

 6度目の挑戦で競輪学校(現・日本競輪選手養成所)に合格した苦労人。デビュー直後から面倒を見てくれている倉岡慎太郎(59期)ら、多くの練習仲間の助けもあってトップレーサーの仲間入りを果たし、この日の栄光につなげた。

 「今回は九州の先輩と後輩に助けてもらったシリーズでした。今度は九州の先頭で頑張れるように脚力をつけたいです」

 誰からも愛される真っすぐな人柄で、地道に積み重ねてきた努力が花開いた中本。だが、この現状に満足することなく、さらなる高みを目指していく。 (仲野谷有紀)