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2016.10.10 20:01

【寛仁親王牌】稲垣裕之が悲願のGI初制覇!

悲願のGI初制覇を達成し、胴上げされる稲垣裕之(共同)

悲願のGI初制覇を達成し、胴上げされる稲垣裕之(共同)【拡大】

 稲垣が悲願達成。「平成28年熊本地震被災地支援競輪」として前橋競輪場で開催された『第25回寛仁親王牌・世界選手権記念トーナメント』(GI)は最終日の10日に決勝戦が行われ、稲垣裕之(39)=京都・86期=が脇本雄太の番手からまくり上げて優勝、賞金2890万円(副賞含む)を手にした。稲垣はデビュー15年2カ月にしてGI初制覇。年末に行われるKEIRINグランプリ2016(12月30日、立川)の出場権を獲得した。

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 デビューから5547日目。タイトルに最も近い男といわれ続けてきた稲垣裕之が、ついに悲願を達成した。

 「脇本君のかかりはよかったけど、古性君の仕掛けがものすごい勢いに見えたので…。あとは任された仕事をしっかりしようと思っていました」

 頼れる同地区の後輩・脇本雄太に託し、後ろを兄貴分の村上義弘が固める鉄壁ラインで臨んだ決戦。脇本が赤板から先頭に立つと、別線の反撃に合わせて迷うことなく最終BSから踏み上げた。

 「今まで何度も近畿の仲間が頑張ってくれたのに、結果を出せず申し訳ないと思っていました。何とかここで-と。感無量ですね」

 前回のGI(松戸オールスター)では、男気を見せた村上の番手からまくるも約17センチ差で悔し涙を流した。今回、村上をどかしゴール前で迫った平原との差も約17センチ。勝利を確信した瞬間から止まらなかったその涙は、ドームのライトに照らされてキラキラと輝いていた。そして、村上と抱き合い喜びを分かち合った。

 「自分の力だけで取れたとは思っていません。けがをしたときにアドバイスをくれた(元選手の)松本整トレーナーや近畿の仲間、そして家族のおかげです」

 2010年8月の富山記念の落車では、骨盤骨折と選手生命を脅かすほどの大けがを負った。S級S班として迎えた今年GI初戦となった2月の全日本選抜では、決勝で落車失格し右鎖骨を骨折。心が折れそうになった時期もあったが、たくさんの人に支えられ、乗り越えることができた。

 「仲間のおかげで勝てたという気持ちを忘れずに、そしてこれからはタイトルホルダーとしてふさわしい走りをしたい」

 これで昨年に続き2度目のグランプリ(12月30日・立川)出場のチャンスを手にした稲垣。新たなヒーローは、最後は笑顔でさらなる飛躍を誓った。(仲野谷有紀)

 ◆稲垣 裕之(いながき・ひろゆき)1977年(昭和52)7月28日生まれ、39歳。京都府舞鶴市出身。府立西舞鶴高校卒業後、海上自衛官となったが、館山航空基地のヘリコプター整備員として勤務の傍ら競輪選手になるためのトレーニングを積み、2000年に競輪学校へ。86期生として01年8月に富山でデビュー。同期には、村上博幸、井上昌己、海老根恵太がいる。ビッグレース優勝は今回が2度目で、07年11月にはGIIふるさとダービー松阪を制している。通算成績は1305戦423勝、2着200回、3着138回、着外544回。通算取得賞金は6億4079万1909円。1メートル78、83キロ、血液型B。

《決勝VTR》後方に構えた古性-南が始動して残り3周。これを平原が追う。上昇した脇本-稲垣-村上を古性が受けて打鐘へ。園田が7番手、前攻めから下げた深谷-浅井が後方になり一列棒状で最終周回へ。BSで古性が4番手からまくり出ると、稲垣が合わせて番手から出る。平原は古性ラインの内を抜けて村上のインへ。そのまま稲垣が押し切り、村上をはじいた平原が2着。