中央競馬:予想予想

2021.9.11 13:58

【居酒屋ブルース】日曜中京11R

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 【日曜中京11R・産経賞セントウルステークス】

 休みの日、ひいきの居酒屋のカウンター席で遅いランチを食べ終えて一息ついていると、賄いを乗せたトレーを持った桃ちゃんがカウンター席に座った。もちろん、ソーシャルディスタンスを保つ2メートル以上の間隔をあけ、2人の間には透明アクリルパーテーションもある。

 桃ちゃんが座ったとたん、思わず口をついてしまった。

 マイネルファンロンが…。

 「鈴木さんが第一声を発するなんて珍しいですね。先週までなら、私が『ラインベックが…』とか『ソリッドグロウが…』とか言うところです」

 そうだけど、今回はショックが大きくて、つい。

 「鈴木さんの新潟記念の本命って確か…」

 クラヴェル。

 「3着ですか。2着に来たトーセンスーリヤもしっかり対抗にしていたから、マイネルファンロンがいなければ○◎で的中していたところですね。勝ち馬は無印。お気の毒さまです」

 落ち込んでいる理由は、それだけじゃないんだ。週中にはマイネルファンロンに印を回そうかと思っていたのにヌケにした自分が許せなくて。

 「そこまで落ち込む話ですかねえ」

 マイネルファンロンって、オークスを勝ったユーバーレーベンのお兄さんなんだよ。オークスで妹の手綱を取ったミルコ・デムーロが手綱を取る今回は外せないなと思っていたのに、なぜか印をつける段階でそれを失念。新潟の芝コースは開催が進んで傷んできたこともあって、ステイゴールド産駒が活躍し出してきていたのにどうして印をつけなかったのかと思うとね。

 しかも、JRAの機関誌「優駿」の9月号にはユーバーレーベンの故郷ビッグレッドファームのリポートが載っていたんだ。どうしてそれをサインだと気付かなかったのか。

 マイネルファンロンが新潟記念を勝ったとたん、「マイネル・デムーロ」という表現がネットを駆け巡ったんだ。マイネルの馬にミルコ・デムーロが乗ったときは勝負。その絶好の機会を見逃した自分が許せない。

 LINEの人も「さすがにマイネルファンロンはヒモに入れなかった」と。ユーバーレーベンの兄ですと伝えたら、「そうなんだ!」って。オークスはユーバーレーベンで大もうけしたから、僕がマイネルファンロンに印を回していたら、LINEの人が26万円超えの3連単を取れていたはず。そう思うと印を失念したのが情けない。

 「どんまい。でも、小倉2歳Sの馬券は取れたんですよね。◎のスリーパーダが2着で▲のナムラクレアが1着。おめでとうございます」

 こっちは3連複しか買ってなくて…。3着のアネゴハダがヌケ。それも落ち込んでいる理由…。

 「どんまい。でも、私の本命なんか新潟記念は5着で、小倉2歳Sなんて10頭中9着ですよ。鈴木さんの本命は3着と2着。いい流れが戻っているから、今週こそです」

 そうだといいね。

 「そろそろ気分を入れ替えて、今週の予想に入りましょう」

 そうしよう。

 「勝負レースは京成杯オータムHとセントウルSのどちらです」

 わが社の「産経」がついている社杯の産経賞セントウルステークスしか選びようがないよ。

 「ということは、プレッシャーも…」

 すごくかかるということ。

 「がんば!」

 はいはい。

 「先週は鈴木さんの本命馬が2重賞とも私の本命馬に先着。ということで、私から予想を披露します」

 よろしく。

 「まずは京成杯AHから。本命はグレナディアガーズ。この馬、右回りの方が得意かもしれません。勝った2勝は両方とも右回りの阪神コースで、負けた4戦は全て左回りなんです。阪神での2勝は強い競馬でした。同じ右回りの中山コースなら、強いグレナディアガーズが戻ってくるはず。レコードホルダーだし、好位から競馬ができるので、速い時計が出そうな先行有利の開幕週の馬場も問題なし。米国遠征へ弾みをつけるレースを見せてくれると思います」

 産経賞セントウルSの本命は?

 「ピクシーナイトにしました」

 こちらも年長馬が相手でも大活躍している現3歳世代だね。

 「この馬は年長馬相手のCBC賞で2着と既に実績があります。1分6秒0という衝撃的な日本レコード決着だったそのレースで半馬身差の2着だけに、スピード決着になっても大丈夫。今年は去年に続いて左回りの中京で実施というのも後押しします。だって、中京では2戦2勝ですよ。ここで狙わずしていつ狙うの、って思っちゃいます」

 ありがとう。

 「鈴木さんの番です」

 勝負レースの前に京成杯AHの予想を少々。

 本命はスマイルカナ。

 「去年の2着馬ですね」

 去年も本命にするはずだったけど、中山のマイルで不利といわれる大外枠を引いたし強力な逃げ馬がいるから、先手を取れそうにないと思って対抗に落としたんだ。そうしたら2着。勝ったトロワゼトワルは▲をつけていたから印的には▲○で当たったけど、馬券は取れず。今回は迷わず本命にするよ。

 中山芝のマイル戦は重賞2勝を含む【3・1・0・1】(左から1着・2着・3着・4着以下)と相性のいい舞台。同じ舞台のターコイズSでは逃げなくても勝ったように、スムーズに先行できれば今回も好勝負できるとみている。

 ◎スマイルカナから○グレナディアガーズ、▲カラテ、△カテドラル、グランデマーレ、バスラットレオン、マルターズディオサに流す馬券を買ってみたい。

 さて勝負レースの社杯・産経賞セントウルSだ。

 本命はレシステンシア。

 「堅いですね」

 55キロを背負ったGI高松宮記念でクビ差の2着に来た馬が、高松宮記念と同じ舞台のここは54キロで出走できるんだよ。勝ってくれと言っているようなものだよ。

 「でも、前走のヴィクトリアマイルは6着に負けてますよ」

 もともと卓越したスピードの持ち主だけど、年を重ねて本来のスプリンター資質が顕著になってきたと考えれば、前走のマイルは距離が長かったということだろう。現時点で得意とする距離に戻るだけに、前走の敗戦は度外視していい。

 しかも、クリストフ・ルメールが騎乗。コロナ禍で海外からトップ騎手が来日できない今は、特に社台グループのクラブ法人所属馬のGI戦線はルメールを中心に回っているといえる。北村友一が落馬負傷で乗れなくなるとクロノジェネシスの手綱を取ったのはルメール。今回も秋のスプリント戦線にルメールのお手馬がいないとレシステンシアが回ってきた。まるで「ルメールが空いていたら、勝てる馬に乗せろ」が合言葉のよう。それは馬券を買う側にとっても極めて有効。あれこれ悩む必要がないからね。

 レシステンシア自身については、去年の秋はNHKマイルC後に左前脚の球節の剥離骨折で順調とはいえなかったが、今年はアクシデントもなく順調にリフレッシュ。久々を苦にしないタイプだけに、いきなりいい競馬を見せてくれるはず。

 松下調教師の「“他の馬にルメールが乗らない”というのは大きい」は言い得て妙。まさにその通り。鬼に金棒といえる。

 ◎⑧レシステンシア
 ○⑮ピクシーナイト
 ▲⑪カレンモエ
 △⑭クリノガウディー
 △⑰シゲルピンクルビー
 △⑩ジャンダルム
 △③ラウダシオン

《3連単》
 ⑧→③⑩⑪⑭⑮⑰→③⑩⑪⑭⑮⑰(30点) 各100円

《3連複》1頭軸流し
 ⑧-③⑩⑪⑭⑮⑰(15点) 各400円

《馬単》
 ⑧→⑪⑮ 各500円

 桃ちゃん、なにニヤニヤしているの?

 「今週は“赤のサイン”も“白のサイン”も出てこなかったから」

 ここで説明しよう。

 居酒屋ブルースでは宝塚記念の回から白いアジサイの写真を載せ始めると、白帽の馬が馬券に絡むという“白のサイン”が頻発したが、クイーンSから一転して“白のサイン”はまるで出なくなっていた。

 その後、居酒屋ブルースの冒頭に載せた写真は、東京五輪の開会式当日にブルーインパルスが描いた五輪マークの一部。それが赤色だったことで、桃ちゃんが「今回から“赤のサイン”に移ろうってこと?」と言ってきたのだった。すると、関屋記念では赤帽のロータスランドが勝利し、その翌週の北九州記念では同じく赤帽のファストフォースが2着に来た。ところが、8月29日の重賞では赤帽は来ず、白帽のセリフォスが新潟2歳Sのタイトルを獲得。そして迎えた先週の9月5日は、白帽も赤帽も重賞ではまったくいいところがなかったのであった。

 「相変わらず、これまでのあらすじを語るナレーションみたいですね」

 初めて居酒屋ブルースを読んだり、久しぶりに読んだりしたユーザーの皆さんに伝えないとね。でも、今週の冒頭に載せたのはブルーインパルスの写真ではなく、ラッキーヱビスにしたよ。

 「そういうときに限って、赤帽か白帽が来たりして。京成杯は白帽のグレナディアーズとカテドラルに印がついているけど、赤帽はどっちも無印。私だけは、赤と白を気にしながらレースを見たいと思います」

◇◇◇◇◇◇◇◇◇

主な登場人物

ミチヤ…ひいきの居酒屋の店主。ずぶの素人から、どこまで競馬に興味を持ってくれるか

桃ちゃん…ひいきの居酒屋のアルバイト。馬券のセンスが抜群の競馬女子(UMAJO)。ちなみに、居酒屋ブルースのUMAJOは、酒場のあすピー→バイトのマヤ姉(ねえ)→桃ちゃんと変遷

LINEの人…謎の人物

カズマサ…夢の中の(?)ひいきの居酒屋の店主。馬券はデータ派。この居酒屋ブルースの世界から去っていった

琢磨…夢の中の(?)ひいきの居酒屋のスタッフ。好不調の波はあるが、馬券が当たると好調が続く。カズマサ同様、この居酒屋ブルースの世界から去っていった

もりやさん…夢の中の(?)ひいきの居酒屋の常連客。競馬とお酒が大好き。カズマサ、琢磨と一緒にこの居酒屋ブルースの世界から去っていった

鈴木学(すずき・まなぶ) デジタルメディア推進担当部長 

レース内容・騎手・厩舎

堅め

3連複

プロフィル

第1次東京五輪世代(第2次は2021年に誕生)。1993年2月にサンスポの競馬担当となり、2年間のブランク(運動部デスク)を挟んで競馬にどっぷり漬かっている。現場記者時代は紙上で予想コラム「鈴木に学べ」を連載も、たまに「鈴木が学べ」に。

予想スタイル

「3連複の軸馬」を◎にしている。3連単の期待値は3連複の6倍だが、人気馬が1着だと6倍以下になることが多い。人気馬を軸にするのなら3連複の方が得という考え。

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