中央競馬:予想予想

2020.11.21 15:13

【居酒屋ブルース】日曜阪神11R

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 【阪神11R・マイルチャンピオンシップ】

 寒さが増すにつれ、新型コロナウイルス流行の「第3波」が襲ってきた。

 11月18日は、全国の新たな感染者が、一日の感染発表としては最も多い2203人だった。東京では同日、過去最多493人の感染が判明。日本医師会は同日午後に会見し、感染者の増加が全国的に顕著にみられるとして、政府の旅行支援策「Go To トラベル」が「きっかけになったことは間違いない」との見解を示し、21日から始まった3連休は「秋の我慢の3連休としてほしい」と呼びかけた。その翌日、東京ではついに500人を超え、全国で最多を更新する2259人の感染が確認された。

 これからまた営業時間の短縮要請があるかもね。ひいきの居酒屋のカウンター席で琥珀ヱビスの生を飲みながら、厨房(ちゅうぼう)にいる店主のミチヤに聞いた。

 「まあ、そのときはそのときです。午後10時閉店でも、やっていけるだけ御の字。早く家に帰れると前向きに捉えますよ」

 泰然自若だね。こっちは早めに仕事を終わらせないと、ここに寄れないかもしれないと思うと焦るよ。桃ちゃんの予想が聞けないのは大損失だから。

 「またまたご謙遜を」

 そんなことないよ。居酒屋ブルースのユーザーの皆さんのほとんどは桃ちゃんの予想を知りたいために読んでいるんだから。

 「それはそうかもしれませんが、ご謙遜を。先週までなら本音だと思いますが、エリザベス女王杯を当てた今週は謙遜にしか聞こえません。超久々の的中おめでとうございます」

 超は余計だよ。

 「ホントのことじゃないですか」

 まあね。

 「3連複を400円当てたから、7040円のもうけですね。きょうはたくさん飲んでください。私もなにか飲みたいなあ」

 なにを言っているの。こっちは桃ちゃんに◎をラッキーライラックからウインマイティーに変更させられたせいで、当たり馬券を400円しか買えなかったんだよ。そのままラッキーライラックが本命だったら、あと200円は余計に買ってたね。それなら1万5560円のプラスだった。しかも、実は馬券を買い足しちゃってね。それが外れ。

 「は?」

 ラッキーライラックが3着以内に来ないでウインマイティーが3着以内に来る馬券を買い目に入れていなかったって気付いてね。マイティーの3連複1頭軸6頭流しの15点を各100円買い足したんだよ。これは好配当になるっていう色気もあってね。マイティーが14着に敗れたことで外れ馬券になったから、プラス分は1500円減ったわけ。そういう人におごれって言うの? 死んでも嫌だね。

 「また『半沢直樹』ですか。つまんない」

 悪かったね。

 「馬券が当たると言い方も強気になりますね」

 そうかな? それは分からないけど、ビールの味は格段においしく感じるよ。美味そして滋味。桃ちゃんは毎週、こんなにおいしいお酒を飲んでいるわけだ。うらやましい。先週も○のノームコアは駄目だったけど、▲のラヴズオンリーユーは3着。もちろん馬券は当てたんだよね。

 「はい、単勝と3連単の1着流しでしっかり。3.3倍と210.5倍をゲット。いえーい!」

 今週も桃ちゃんの「いえーい!」がひいきの居酒屋に響き渡る。その馬券センス、少しでいいから分けてもらいたいよ。でもセンスは天賦なんだよね。

 「どんまい。そのぶん、努力で補えばいいんです」

 天賦の才の持ち主にそう言われると、落ち込むね。こうなったら、桃ちゃんの予想に乗るしかないか。エリザベス女王杯は2人とも当てたから、今週は桃ちゃんから予想を披露してよ。その本命に乗るからさ。

 「えっ! いや、2人とも当たったときは、払戻金が多い方がトリを務めましょう。だからトリは今週も私ということで」

 わかったよ。

 「じゃあ、鈴木さんのマイルチャンピオンシップの予想をどうぞ」

 本命はグランアレグリア。

 「ずるい!」

 今週も「ずるい!」が出たね。なんで? 僕から予想しろと言ったのは桃ちゃんじゃない。

 「私の本命を奪わないでください」

 そうはいかないよ。

 「じゃあ、先週と同じく姑息(こそく)な手段、もとい汚い手、もとい斬新な手で本命2頭というのはどうです」

 さっきまでの話を聞いてなかったの? そのせいでもうけが減ったんだから、今週は死んでも嫌だね。本命はグランアレグリアです!

 「もう!」

 むくれても今週は変更しません。大丈夫だよ、桃ちゃん。マイルなら、2人がそろって本命にしても勝てるって。

 「……」

 そうそうこの前、年末に出す週刊Gallopの臨時増刊「2020重賞年鑑」の取材でラッパーのSEAMOと会ったんだ。

 「それがどうしました?」

 SEAMOって、今年のNHKマイルCにクラブ法人で出資している馬が4頭も出走して、そのうちの1頭のラウダシオンが勝ったんだよ。

 「だから?」

 愛馬に来年望むことを聞いたら、勝てそうな海外GIに挑戦してほしい、って。

 「それが?」

 その理由が、グランアレグリアの安田記念での勝ちっぷりを見て、あの馬には到底勝てないって白旗を挙げたから。マイルチャンピオンシップに出走する馬の一口オーナーがそう思うほどグランアレグリアは強いんだから、君と僕が本命にしても心配ないって。

 「そうはいっても、ゴール前でヒヤヒヤしそうだなあ…。鈴木さんの本命は、馬名をデスノートに書かれるようなもんだから」

 そこまでの力はないよ。

 「そうだといいけど。じゃあ本命の理由を教えてください」

 一つ目は、この馬にとって明らかに距離が足りなかった1200メートルのスプリンターズSを豪快な末脚で差し切ったこと。1200メートルだと短距離戦の速いペースについていけず後方からの競馬になるけど、安田記念では7、8番手から競馬を進めたように、マイルなら好位で競馬ができるのは強み。安田記念でアーモンドアイを負かしたのは、決してアーモンドアイが出遅れたせいだけじゃない。マイルという距離なら、アーモンドアイも負かせる実力を備えているということだよ。

 二つ目は、阪神コースはこの馬に合っていることから。阪神での成績は【2・0・1・0】(左から1着・2着・3着・4着以下)。2勝を挙げた桜花賞と阪神Cは強かった。特に2着に5馬身差をつけた後者の勝ちっぷりは見事で、これで牡馬相手でも問題ないことを証明した一戦だったね。

 三つ目は、クリストフ・ルメール騎手が手綱を取るから。先週も言ったけど、確変に入ったルメールは手が付けられないほど強い。重賞の連勝は先週の土曜日の武蔵野Sで止まったけど、その翌日にはGIエリザベス女王杯をきっちり制覇。まだ確変中だよ。

 四つ目は、1番人気が必至だから。この秋のGIは1番人気が5連勝中。サンケイスポーツに載っていた「東大卒漆山“教授”のGI因数分解」によると、今年のJRAの平地GIでの1番人気は【11・3・1・2】。連対率82.4%は1984年のグレード制導入後で最高なんだって。

 今年のGIで1番人気が例年より好走している理由はたぶん、そのほとんどが無観客もしくは観客の少ない競馬場で行われているから。大歓声の影響でわれを忘れたり、イレ込んだりする馬が少ないので、実力上位の馬が勝つことが多いんだろうね。そういう意味では、今回も観客は少ないし、大声を出すのは禁止されているから、実力上位の馬が上位に来るだろう。以上。

 では桃ちゃん、よろしく。

 「鈴木さんにここまで言われたら、付け足すことなんてありません」

 むくれないでよ。じゃあ、本命がかぶったので今週も対抗と単穴を教えて。

 「○はレシステンシアです。今年のGIは牝馬が活躍する傾向なので、ここも牝馬のワンツー決着を期待します。レシステンシアちゃんは骨折休養明けですが、追い切りを伝える記事を読む限り大丈夫そう。阪神コースも阪神ジュベナイルフィリーズで、その翌週の朝日杯フューチュリティSでサリオスがマークした勝ちタイムより0秒3速い時計で逃げ切っている舞台。ここも2着に逃げ粘ってほしいです」

 単穴は?

 「▲はサリオスです。コントレイルにしか先着を許していない、今年の3歳世代を代表する一頭ですからね。前走のあとにおなかが痛くなったそうでそこは心配ですが、名門・堀厩舎だけにしっかりケアしているはず。鈴木さんの予想と買い目がまだでしたね」

 その前にひとつ。相手として一番気になる馬を挙げておきたいんだ。

 「どの馬です?」

 アドマイヤマーズ。この馬が勝った朝日杯フューチュリティSとNHKマイルCって、グランアレグリアがマイルで負けたレースなんだよ。3度目の対決となった今年の安田記念はグランアレグリアが勝ったけど、対戦成績はアドマイヤマーズの2勝1敗。安田記念で潮目が変わったかもしれないけど、この馬が参戦してきたのは気になるね。

 ということで印は…

 ◎④グランアレグリア
 ○⑦アドマイヤマーズ
 ▲②レシステンシア
 △⑧インディチャンプ
 △⑭サウンドキアラ
 △⑰サリオス

《馬連》
 ④-⑦ 2400円
 ②-④ 2000円
 ④-⑧⑭ 各1000円

《3連複》
 ④-⑦-⑧⑭⑰(3点) 各600円
 ④-②-⑧⑭⑰(3点) 各600円

 「あれっ?」

 なに?

 「いいえ…ちょっと気になることがあるけど、マイルCSが終わってからにします」

◇◇◇◇◇◇◇◇◇

主な登場人物

ミチヤ…ひいきの居酒屋の店主。ずぶの素人から、どこまで競馬に興味を持ってくれるか

桃ちゃん…ひいきの居酒屋のアルバイト。馬券のセンスが抜群の競馬女子(UMAJO)。ちなみに、居酒屋ブルースのUMAJOは、酒場のあすピー→バイトのマヤ姉(ねえ)→桃ちゃんと変遷

カズマサ…夢の中の(?)ひいきの居酒屋の店主。馬券はデータ派。この居酒屋ブルースの世界から去っていった

琢磨…夢の中の(?)ひいきの居酒屋のスタッフ。好不調の波はあるが、馬券が当たると好調が続く。カズマサ同様、この居酒屋ブルースの世界から去っていった

もりやさん…夢の中の(?)ひいきの居酒屋の常連客。競馬とお酒が大好き。カズマサ、琢磨と一緒にこの居酒屋ブルースの世界から去っていった

鈴木学(すずき・まなぶ) デジタルメディア推進担当部長 

レース内容・騎手・厩舎

堅め

3連複

プロフィル

第1次東京五輪世代(第2次は2021年に誕生)。1993年2月にサンスポの競馬担当となり、2年間のブランク(運動部デスク)を挟んで競馬にどっぷり漬かっている。現場記者時代は紙上で予想コラム「鈴木に学べ」を連載も、たまに「鈴木が学べ」に。

予想スタイル

「3連複の軸馬」を◎にしている。3連単の期待値は3連複の6倍だが、人気馬が1着だと6倍以下になることが多い。人気馬を軸にするのなら3連複の方が得という考え。

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