中央競馬:予想予想

2020.5.23 14:57

【居酒屋ブルース】日曜東京11R

{"attribute":[{"baitai":"01","racedate":"20200524","racecourse":"05","raceno":"11","style":"02"}],"yosouka":76}

 【東京11R・オークス(優駿牝馬)】

 東京、神奈川、埼玉、千葉、北海道は緊急事態宣言が続いている。同じ「特定警戒」の大阪、兵庫、京都は今週解除されたが、サラブレッド生産のメッカ(北海道ね)と首都圏には日常が戻ってこない。でも仕方がない。今でさえ「緩み」が見られるのだから、ここは我慢のしどころだ。

 緊急事態宣言下とはいえ、サラリーマンは仕事をしているので、ひいきの居酒屋もランチは営業している。というわけで、今週も「居酒屋ブルース ランチ編」をどうぞ。

◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 ステイホームで運動不足になりがちなので、今週も自宅からひいきの居酒屋まで歩いてランチを食べに行った。店の近くで働いているサラリーマンが引けた頃を見計らって入り、「しまあじの炭火焼き定食」を注文。舌鼓を打ち、おなかがこなれるのを待っていると、他の客が帰っていった。アルバイトの桃ちゃんに話しかけるチャンス。と、思ったら店主のミチヤが話しかけてきた。

 「先週のヴィクトリアマイルは馬券を取ったんじゃないですか? 3着に来たのってノームコア…でしたっけ? その馬を本命にしていましたよね」

 そうだけど…。

 「ミチヤさん!」

 「どうしたの桃?」

 桃ちゃんが、ミチヤに耳打ちしている。

 「えっ!?」

 驚くミチヤに、スマホを見せている。

 「馬連はアーモンドアイとノームコアの1点勝負。1着と3着じゃ当たってないよね? 3連複は…。2着に来たのは?」

 「サウンドキアラです」

 「いない!」

 2人の会話がダダもれだよ。その通り、馬連は1点勝負で1、3着。3連複はノームコアとアーモンドアイの2頭軸で、好配当を狙って人気薄に流したから、4番人気のサウンドキアラは入りませんでした。

 「それは失礼しました」

 謝らなくていいよ、ミチヤ。悪いのはこっちだから。馬券の購入は自己責任。1番人気、4番人気、5番人気の決着で3連複がまさか2960円もつくとは思わなかった。知っていたらサウンドキアラにも流していたよ。

 「流さないところが、鈴木さんらしい」

 笑いすぎだよ、桃ちゃん。やっぱり琢磨に似てきたね。

 「また琢磨が出た!」

 気にしないで。その笑顔を見れば分かるよ。桃ちゃんは馬券を取ったね。

 「ご明察! 断トツ人気のアーモンドアイが1着なのに、馬単950円、3連複2960円、3連単7340円はおいしすぎです。いえーい! 鈴木さんのノームコアを本命にした理由が思ったより説得力があったのでヒモに加えてよかったです。ありがとうございます!」

 といってもご祝儀は出ないんだろ。

 「もちろん、出ません。コロナ禍でさらに薄給になっている私からご祝儀をむしり取ろうとするんですか?」

 そんなひどいことはしないよ。

 「でも、当たったときはくださいね、ご祝儀」

 ちゃっかりしているね。

 「馬券を当てたら、うちが夜の営業を再開したときに大金を落としてください」

 大金とまではいかないけど、そうできるように頑張るよ。

 「ミチヤさん、今週のGIはオークスというレースです」

 「そのくらいは知ってるよ。桜花賞、オークス、皐月賞、ダービー、菊花賞、天皇賞、有馬記念くらいは分かるよ」

 「では、オークスは何メートルでしょうか?」

 「2000メートル?」

 「惜しい! 2400メートルです」

 キャリアの浅い3歳牝馬の争いなので、これまで2400メートルを走った馬はあまりいません。今年はリリーピュアハートだけです。ゆりかもめ賞を勝ちました。

 「同じ距離を経験しているって有利なんじゃないの?」

 「そうとも言えないんですよ。この時期の3歳は、強い馬なら距離が延びてもこなしちゃうことが多いんです。1600メートルの桜花賞を勝った馬は、オークスでも好走しているんですよ。ここ10年だけでアパパネ、ジェンティルドンナ、アーモンドアイの3頭が桜花賞とオークスを両方勝ってます。この3頭は秋のGIの秋華賞を勝っているので3冠牝馬ですけど…」

 「すごく強い馬なら距離はこなせるってわけだね」

 「そういうことです」

 「今年はそういう馬がいるの?」

 「いるんですよ!」

 「ということは、桜花賞の勝ち馬ってわけ?」

 「そう! デアリングタクトという馬です」

 「そんなに強いの?」

 「めっちゃ強いです。3戦3勝で桜花賞を制したんですから。しかも、道悪馬場を後方から一頭だけ異次元の脚を繰り出して差し切ったんです!」

 「桃は桜花賞で、そのデアリングなんとかを本命にしたの?」

 「……」

 「しなかったのね」

 「はい…。リアアメリアという馬が本命でした」

 「何着だったの?」

 「10着でした」

 「オークスでは出てないの?」

 「出てます」

 「今回は本命にしないの?」

 「桜花賞が負けすぎなので…」

 ミチヤは競馬を知らないだけに、普通なら聞かれたくないことをズケズケ聞いてくるね。予想が外れて突っ込まれた人の気持ちが分かったんじゃない? 桃ちゃん。

 「鈴木さんの気持ちが少しは分かったような気がします」

 「桃はオークスの本命は、そのデアリングなんとかなの?」

 「はい、デアリングタクトにしました。JRA史上最多タイの芝GI7勝を達成したアーモンドアイの次は、ミスオンワード以来、63年ぶり史上2頭目の無敗での牝馬クラシック2冠達成です。歴史的瞬間をテレビで目撃したいと思います。3冠牝馬になれる馬だと思ってます!」

 「単勝はいくらぐらいつくの?」

 「アーモンドアイほど低くはならないと思いますよ。2倍はつくんじゃないかと」

 「1000円買えば2000円は戻ってくる?」

 「1着になればの話ですが、たぶん…」

 「先週のレースは、アーモンドアイのあまりの強さに見ているだけでもスカッとしたし面白かったので、競馬ってやっぱりスポーツなんだって思ったけど、今週は買ってみようかな」

 100円でも馬券を買って競馬を見ると、レースの見方がガラッと変わると思うよ。単勝を買ったら馬券を買った馬をゴールまでずっと見ることになるので、散漫な見方ではなく一頭集中になるので興味がもっと湧くはずだよ。

 「じゃあ桃、デアリングタクトの単勝を買って。100円」

 「100円…ですか?」

 「観戦料だと思えば、外れたとしても安いもんだからね。はい、100円」

 「当たるといいですね」

 「桃の本命だから大丈夫だろ」

 プレッシャーをかけてくるね。

 「ところで鈴木さんの本命は、またGallopの『競馬担当記者・トラックマンに聞く’20春クラシック+1予想』でオークスの勝ち馬に挙げた馬ですか?」

 この春は基本、そうするつもりだったけど、今回はすごく迷っているんだよ。

 「なんでです?」

 挙げたのがリアアメリアだから。

 「それ、桃が今回本命にしなかった馬ですね?」

 うん。Gallopでの掲載は春のGIが始まる前。リアアメリアは桜花賞で善戦するだろうとみてオークスの勝ち馬に挙げたんだけど、10着じゃねえ…。

 「初志貫徹しないんですか?」

 桃ちゃんは、君と同じデアリングタクトを本命にするんじゃないかとヒヤヒヤしてんじゃないの?

 「ご明察! 同じ馬を本命にして、いい思い出がないので」

 確かに。じゃあ、デアリングタクトは対抗にするよ。リアアメリアは▲。

 「他に本命にしたい馬がいるんですか?」

 ウインマイティー。

 「狙いますね」

 それほどでもないよ。去年のラヴズオンリーユーがそうだったように、忘れな草賞の勝ち馬が桜花賞を勝った例は多いんだよ。過去10年だけでエリンコート、ミッキークイーン、ラヴズオンリーユーの3頭がいるんだ。桜花賞馬がオークスを勝ったのも過去10年で3頭、そのうち、アパパネはサンケイスポーツ賞フローラSを勝ったサンテミリオンと同着だけどね。桜花賞馬がオークスを勝つときは3冠牝馬。

 「デアリングタクトは3冠牝馬になれる器です!」

 桜花賞馬が勝つか、忘れな草賞の勝ち馬が勝つか-。楽しみだね。

 「まだ本命の理由を聞いていません」

 そうだったね。前走の内容が良かったから。ひるむことなく馬群を割って、メンバー最速の上がり3ハロンをマークしたのは価値があると思ってね。今回はスマイルカナが速めのペースで逃げるはずだから、上がり3ハロン33秒台の瞬発力勝負にはならないはず。となると、こういう勝負根性があってしぶとい末脚を持つ馬が浮上してくるのでは…という読みだよ。連勝の勢いも買い材料。もちろん、デアリングタクトも直線で伸びてくるだろうけどね。だから、今回は◎と○にしたけど、2頭とも本命。

 「ずるい!」

 ◎⑦ウインマイティー
 ○④デアリングタクト
 ▲⑥リアアメリア
 △①デゼル
 △②クラヴァシュドール
 △⑧スマイルカナ
 △⑯ウインマリリン
 △⑱サンクテュエール

《単勝》
 ⑦番 600円

《馬連》
 ④-⑦ 1000円

《3連複》1頭軸流し
 ⑦-①②④⑥⑧⑯⑱(21点) 各100円
 ④-①②⑥⑦⑧⑯⑱(21点) 各300円

◇◇◇◇◇◇◇◇◇

主な登場人物
ミチヤ…ひいきの居酒屋の店主。ずぶの素人から、どこまで競馬に興味を持ってくれるか
桃ちゃん…ひいきの居酒屋のアルバイト。馬券のセンスが抜群の競馬女子(UMAJO)。ちなみに、居酒屋ブルースのUMAJOは、酒場のあすピー→バイトのマヤ姉(ねえ)→桃ちゃんと変遷
カズマサ…夢の中の(?)ひいきの居酒屋の店主。馬券はデータ派。この居酒屋ブルースの世界から去っていった
琢磨…夢の中の(?)ひいきの居酒屋のスタッフ。好不調の波はあるが、馬券が当たると好調が続く。カズマサ同様、この居酒屋ブルースの世界から去っていった
もりやさん…夢の中の(?)ひいきの居酒屋の常連客。競馬とお酒が大好き。カズマサ、琢磨と一緒にこの居酒屋ブルースの世界から去っていった

同じレースの予想